ダナン市ホアカイン工業団地に入居するKeyhinge Toys社(外資100%企業)で工員1万人によるストライキが発生した。ストライキの理由は数ヶ月にも及ぶ手当てなしの残業や、管理スタッフによる不当な扱いが原因で、市人民委員会代表や市労働局局長など市幹部も現地で対応した。
ストライキに参加した工員によると、今年1月初めから5月1日まで時給2,500ドン(約16円)×8時間分の給料で12時間勤務に応じないものは解雇という条件で残業を強要され、その後5月1日を過ぎても、無賃残業が続いたためストライキに踏み切ったという。
会社側は工員の時給を2,500ドンに据え置く一方、ベトナム人管理スタッフの時給をそれぞれ、グループ長4,300ドン(約28円)、管理長8, 300ドン(約55円)に昇給させ工員らの管理強化を図ったが、逆にこの管理スタッフへのみの昇給が、工員らの怒りを助長させた。
また管理スタッフの工員に対する管理は厳しく、トイレは1日2回、飲料水は1日コップ1杯など不当な社内規定が定められていた。このほか、無賃残業が数ヶ月に及び、基本時給の昇給が見送られる中、社内弁当代がこれまでの1食2,500ドン(約16円)から3,000ドン(約20円)に値上げされ、働けども一向に見返りがない状態に不満が爆発した形だ。
ストライキ以前にも工員代表が経営陣に対し、時給を300ドン(約2円)アップの2,800ドンへ昇給、1日の労働時間を8~10時間に削減、昼休憩を現在の20分間から労働規定通りの1時間へなど改善を訴えたが経営側は全く取り合わず今回の大規模ストライキに発展した。