ハノイ市バーディン区警察は現在、賃貸契約で借りているに過ぎない集合住宅の一室を自分の所有物だと偽って第三者から大金を騙し取った詐欺事件を捜査している。この事件で警察は、グエン・ティ・ゴック(28歳)という女を逮捕した。ゴックは部屋を借りて10日もしないうちに知り合いの女性Hさんに「緊急にまとまった金が必要なので今住んでいる部屋を相場より安く売る」とあたかも自分がその部屋の所有者であるかのように言葉巧みに持ちかけ、嘘の売買契約を結んでHさんから頭金として1億7850万ドン(約128万円)を受け取り、残りを名義変更手続きが済んだ時点で受け取る契約をした。しかしその後もゴックはHさんに対して、「役人に便宜を図ってもらうためにさらにカネが必要」などと嘘をつき、手続きが終わっていないにもかかわらずさらにカネを騙し取り、最終的に総額約10億ドン(約700万円)を奪った。
さらになかなか名義変更手続きが完了しないのを不審に思ったHさんにカネの返還を求められるとゴックはこれも自分の物ではない車を「特別に安く売ってあげる」と恩を着せるような言動で誤魔化してHさんからさらにカネを巻き上げており、そのやり口は非常に大胆かつ巧妙だ。警察はゴックによる詐欺の被害者はHさんだけにとどまらないとして引き続き調査を行っている。