20日午後10時ごろ、ハノイ発ホーチミン行きの旅客列車SE1号が西北部地方タインホア省沿岸部のチウロック村にさしかかった時、運転手は前方に緊急事態を知らせる電灯の光を察知して列車を緊急停止させた。この急停車に乗客は騒然となったが、列車の前方に線路をまたぐように大型トラックが止まっているのに気がつくと、あわや正面衝突の事態を危機一髪のところで免れたことを悟り安堵する声が上がった。
危険信号を出したのは地元のザンさんとティンさんの兄弟で、トラックが線路上に乗り捨てられているのを発見し、懐中電灯を回しながら線路上を走って列車に知らせたのだった。SE1号の車掌は、「本当に危ないところでした。もし停止していなければ、カーブにさしかかっていた車両が脱線して大惨事になっていたでしょう。この2人の兄弟の機転によって、1000人の乗客の命が救われたと言っても過言ではありません」と語った。