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ベトナム河川ネットワーク(VRN)は16日、東南部ドンナイ省で建設が予定されている第6及び第6Aドンナイ水力発電事業によるドンナイ川流域への影響に関するシンポジウムを開催した。16日付グオイラオドン紙(電子版)が報じた。
第6水力発電所の建設により171.36ヘクタール(うちカットティエン国立公園内の面積:77.9ヘクタール)、第6A水力発電所の建設により184.61ヘクタール(同:50.55ヘクタール)の土地が貯水湖に沈むことになる。これにより生態系は著しく破壊され、ドンナイ川流域住民の生活に甚大な悪影響を及ぼすほか、地震を引き起こす可能性もあるとして、VRNは当局に対しプロジェクトを早急に中止するよう要請した。
これについて世界自然保護基金(WWF)の代表者も、国が植林のために多額の資金を費やしている一方で、水力発電所の建設や建設活動を利用した違法な森林伐採により広大な熱帯雨林が失われていく危険性を指摘した。
また、カットティエン国立公園の代表者は、ベトナムは同公園を世界遺産に登録するよう国際連合教育科学文化機関(UNESCO)に働きかけているが、この2つの水力発電所建設により世界遺産登録は難しくなる、と述べた。
なお、カットティエン国立公園内のバウサウ地区はラムサール条約湿地(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地)に認定されており、同条約加盟国としてベトナムは保護、監視しなければならない。
※最終更新2012年12月24日10:44JST
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