ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ベトナム解放軍宣伝隊、結成メンバーの最後の1人が死去

2017/07/18 14:21 JST配信
(C)Mai Vinh, Tuoi Tre
(C)Mai Vinh, Tuoi Tre 写真の拡大.

ベトナム人民軍の前身である「ベトナム解放軍宣伝隊」の結成メンバー34人のうち、唯一健在だったトー・ディン・カムさんが14日の22時10分、肺疾患のため96歳で亡くなった。

 カムさんは肺疾患で3月からホーチミン市7A軍医病院に入院し治療を受けていたが、6月からは自宅療養をしていた。葬儀は17日から18日にかけて執り行われている。

 カムさんは1922年10月16日に東北部地方カオバン省グエンビン郡タムキム村で生まれた。22歳の時に革命に参加、1944年12月22日に故ボー・グエン・ザップ将軍が率いるベトナム解放軍宣伝隊の結成メンバーとして部隊の結成式に出席した。6歳で父親を亡くしたカムさんは、ザップ将軍を父親のように慕っていたという。

 2015年に記者がカムさんを取材した際には、ザップ将軍と共に戦った日々をこう振り返っていた。「ザップ将軍はモン族やタイ族の人たちに気に入られるような文字の書き方や食べ方、暮らし方を教えてくれました。地域の人々に本当の息子のように可愛がられてこそ、人々と心を共に戦えるというのが彼の教えでした。彼とは10歳しか離れていませんでしたが、私は彼のことを父親のように思っていました」。

 ザップ将軍には厳しく叱られたこともあったという。戦時中のある夜、カムさんは森の中で敵に後を付けられた。陣地に戻ったカムさんはザップ将軍に後を付けられたことやその相手の家に突入し家族共々殺すつもりだということを話した。

 すると、ザップ将軍は見せしめとして部隊全員の前でカムさんに罰を与え、敵であろうと個人の感情で殺してはならない、殺してしまえば自らも敵と同じ非道な人間となり、人々からの信頼も失い組織に悪影響を及ぼすと部隊を諭した。

 ザップ将軍の元で3か月間戦った後、カムさんは別の部隊へ移動したが負傷し除隊となった。それでも祖国のために戦い抜きたいとカムさんは部隊へ戻ったものの、再び負傷したため1954年に故郷へ戻り地元で多くの活動に参加した。

 1992年以降は南中部高原地方ラムドン省に家族と移り住み、商いをして生計を立てていた。

[Mai Vinh, Tuoi Tre,15/07/2017 12:03 GMT+7, T].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ダナン:半導体研究開発ラボ建設を承認、投資総額98億円 (3:07)

 南中部沿岸地方ダナン市人民委員会は、半導体向け先端パッケージング技術の研究開発(R&D)を目的とした実験施設プロジェクトへの投資方針を承認した。  プロジェクトの投資主は、半導体や人工知能(AI)分野の...

世界のベトナム人街を訪ねて【プラハ編・後編】 (15日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

ハノイ:錯視展by杉原厚吉、ベトナム初開催 6月28日から (14日)

 国際交流基金ベトナム日本文化交流センターは、6月28日(土)から8月24日(日)まで、展覧会「錯視展」をベトナムで初開催する。同展覧会では、視覚認知と数学的創造性が融合した全く新しいアート体験を提供し、「...

ハノイ:建国80周年、9月2日に花火打ち上げ 市内5か所で (14日)

 ハノイ市は、9月2日(火)の建国記念日に打ち上げ花火を実施する計画を明らかにした。  これは、8月革命80周年(1945年8月19日~2025年8月19日)と建国80周年(1945年9月2日~2025年9月2日)を祝う記念事業の一環...

ホーチミン:マスタープラン調整案承認、多中心モデルで開発 (13日)

 チャン・ホン・ハー副首相はこのほど、「2060年までを視野に入れた2040年までのホーチミン市都市設計マスタープラン」の調整案を承認する首相決定第1125号/QD-TTgに署名した。  ホーチミン市は、2060年まで...

5月の新車販売台数統計、1~5月期の販売台数上位20ブランド (13日)

 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年5月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせた新車販売台数(TCモーターおよびビンファスト=VinFast含まず)は前月比▲1%減、前年同月比では+13%増の2万...

台風1号、中部の広範囲で大雨 フエではミスコンステージが水没 (13日)

 11日午前に南シナ海で発生した台風1号(アジア名:ウーティップ、日本でも台風1号)の影響により、ベトナム北中部から南中部沿岸地方にかけての広い範囲で大雨が降り、各地で洪水や土砂崩れなどの被害が出ている...

国際美男子コンテストでベトナム代表がトップ5入り (13日)

 世界的な美男子コンテスト「マンハント・インターナショナル(Manhunt International)」の2025年大会が10日夜にタイで開催され、各国・地域から37人のモデルが出場した。今大会ではベトナム代表のブー・リンさん...

ホーチミン:グリーン企業協会が発足 (13日)

 ホーチミン市グリーン企業協会(HGBA)が10日、正式に発足した。  HGBAは、加盟企業の競争力強化、技術革新、グリーンファイナンスへのアクセス、国際基準への適応に向けた取り組みを支援するほか、企業のグ...

クオン国家主席、韓国大統領と電話会談 (13日)

 ルオン・クオン国家主席は12日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と電話会談を行い、両国関係の強化に向けた意思を確認した。  クオン国家主席は、李大統領の就任に祝意を表すとともに、韓国の発展政策...

ベトナム企業、フランス企業と6件の協力覚書を締結 (13日)

 フランスの首都パリで開催されたベトナム・フランス経済フォーラムで11日、同国を公式訪問していたファム・ミン・チン首相の立ち会いのもと、航空、テクノロジー、医薬品、海運、エネルギーの分野に関する6件の...

サングループ傘下の新航空会社、一般航空運送事業許可書を取得へ (13日)

 チャン・ホン・ハー副首相は、観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sungroup)傘下の新たな航空会社「サン・フーコック・エアウェイズ(Sun PhuQuoc Airways=SPA)」に対する一般航空運送事業許可書の発行につ...

米サイファ・コア、ベトナムで合弁会社設立 「完全暗号」技術展開 (13日)

 フィンテックや教育・コンサルティング、秘匿通信などの事業を手掛ける米国のサイファ・コア(CIPHER-CORE)は、ベトナムの大手投資コンサルティング企業であるトキ(TOKI)と共に、最先端暗号技術の社会実装を目指...

旧労働省元次官を逮捕、送り出し機関の違反事件で (13日)

 ホアンロン人材派遣(Hoang Long CMS、ハノイ市)をはじめとする複数の送り出し機関に関する会計違反・贈収賄事件で、旧労働傷病兵社会省の元次官で現内務次官であるグエン・バー・ホアン容疑者(男)が収賄容疑で...

ホーチミンで「日本式リネンサプライモデル」始動、JICA支援 (13日)

 ホーチミン市直轄トゥードゥック市のレバンティン病院で11日、公立病院の院内衛生環境改善のための日本式リネンサプライサービスの実証プロジェクトが本格始動し、記念式典と施設開所式典が行われた。  同...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved