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東京農工大学大学院工学研究院の中川研究室の修士課程2年リー・トゥアン・ナムさんと博士課程1年グエン・コン・カーさんがこのほど、電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会(PRMU)主催の「第21回アルゴリズムコンテスト」で、難易度の高いレベル2とレベル3で優秀な認識性能を示し、コンテストに応募されたアルゴリズムのうち最も優秀と判定されたアルゴリズムを考案した者1件に贈呈される「PRMUアルゴリズムコンテスト最優秀賞」を受賞した。
「レベル2」では、2人のアルゴリズムが認識率87.6%で23チーム中1位、認識時間が一文字あたり2.16秒で23チーム中10位。「レベル3」では、認識率39.1%で23チーム中1位、認識時間が一文字あたり0.43秒で23チーム中5位だった。
古典を電子的に保存・公開し、手軽に分析できるようにすることは、歴史研究に不可欠であり、古典籍で使用されるくずし字を正確に認識する技術開発を進めることで、歴史研究の発展に寄与できると考えられる。今後、データをさらに大量に蓄積することで、漢字を含めて認識率はさらに高まるものと期待される。
2人はハノイ工科大学で情報技術を学んだ。カーさんは、奈良県の平城宮跡から出土した木簡の文字をAIで解読するプロジェクトにも参加しており、ベトナムのチュノム(漢字を応用して作られた独自の文字)を解読するためのAIシステムを構築することを目標に掲げている。
なお、これに先立ち、ナムさんとカーさんは2017年11月に開催された「4th International Workshop on Historical Document Imaging and Processing(HIP 2017)」でも最優秀論文賞を受賞している。