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2017年からハノイ医科大学病院でがんの免疫療法に取り組んでいるタ・タイン・バン教授とチャン・フイ・ティン准教授は、2018年ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授の下で研究者としての腕を磨いたことがある。
バン氏は日本で博士号を取得した後、米国で博士後研究員(ポスドク)として2年近く働いていたが、2001年4月に本庶教授の研究室に入った。ハードワークで有名な研究室で、30人余りの研究生とポスドクは、1週間毎に研究結果を報告しなければならないという。3年近くの努力の結果、バン氏は免疫学研究ジャーナル「Nature Immunology(自然免疫学)」に論文を発表することができた。
論文発表後、バン氏は日本で研究所や企業に就職する道を選ばず、ベトナムへの帰国を希望した。国を離れて10年が経過しており、帰国する時が来たと思ったという。本庶教授は彼に、帰国したら国内開催の各科学会議に出席するよう勧めた。国内での研究需要を把握することと、国内の科学界にバン氏に何ができるかを知らせるためだという。
バン氏は帰国後、ティン医師を本庶教授に紹介した。ティン氏も本庶研究室で懸命に働いた。ティン氏は最初の研究テーマでは成果を挙げることができなかったが、2番目に取り組んだ活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)遺伝子に関する研究に成功し、「Nature Immunology」に論文を発表することができた。