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ある人物がチャリティ団体のボランティアという立場を悪用し、長期間にわたり献血者を騙して血液を集め、輸血を受ける患者の家族から金銭を騙し取っていたことが、地元紙「トゥオイチェー(Tuoi Tre)」の独自調査で分かった。
不正を働いた疑いが持たれているのは、ホーチミン市赤十字社傘下のレッドクロス実業家クラブのソーシャルワークボランティア副部長を務めているH・T・A氏(男性、ホーチミン市タンビン区在住)だ。
トゥオイチェー紙の独自調査によると、A氏はボランティアの立場を悪用し、ホーチミン市10区にある心臓病院に献血者を手配し、ここで治療を受けている患者に輸血を受けさせていた。献血者は無償で患者に血液を提供していたが、A氏は「献血者への報酬」として輸血を受ける患者の家族から1回(血液350ml)につき100万~300万VND(約5700~1万7000円)の現金を受け取っていた。
心臓病院には血液バンクがあるが、安定したストックを確保するため、患者の家族はこの血液バンクに献血2回分の計700mlの血液を提供するか、手術に必要な分の血液を購入しなければならない。ただし、血液の購入価格は高水準となっている。
A氏はこの規定を悪用し、「代わりに献血する人を探すので、お礼のお金を渡せば問題ない」と、献血ができない家族に提案していた。しかし、この「お礼」は家族から献血者に直接渡されることはなく、A氏が病院の近くにある喫茶店で受け取っていた。
A氏はきちんとした身なりで、病院内では患者を案内するなど堂々と「業務」に当たっていたため、患者らは彼のことを病院のスタッフだと勘違いしていた。
同事件を巡り、ホーチミン市人民委員会は同市保健局に対し、同市警察とホーチミン市赤十字社と協力し、事実を確認した上で、違反が発覚した場合は厳格に処分し、10日までに報告するよう指導した。