ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ホーチミン:高級マンション8歳女児虐待死事件、父親の恋人に死刑判決

2022/11/29 06:02 JST配信
(C)tuoitre
(C)tuoitre 写真の拡大.

 ホーチミン市ビンタイン区22街区にある高級マンション「サイゴンパール(Saigon Pearl)」で2021年12月22日夜に、N・T・V・Aちゃん(当時8歳)が父親の恋人から暴行を受けて死亡した事件で、同市人民裁判所は25日、恋人と父親に有罪判決を下した。

 父親の恋人であるグエン・ボー・クイン・チャン被告(女・26歳)は虐待罪で禁固3年、殺人罪で死刑の判決をそれぞれ言い渡された。また、父親のグエン・キム・チュン・タイ被告(男・36歳)は虐待罪で3年、犯罪隠匿罪で5年の計8年の禁固刑となった。

 タイ被告は以前、チャン被告と不倫関係にあったが、2020年に妻と離婚。2020年6月からチャン被告とマンションで同棲していた。前妻との間にもうけた子供2人は、長女のAちゃんをタイ被告が、長男(Aちゃんの弟)を前妻がそれぞれ引き取った。タイ被告とチャン被告は、Aちゃんが前妻と会うのを拒み、前妻がAちゃんと最後に会ったのは2020年12月のことだった。マンションの隣人によると、まだ幼いAちゃんは、たくさんの家事をするよう言いつけられ、度々暴言と暴行を受けていたという。

 事件当日、チャン被告は午後2時からAちゃんに宿題をさせ、その間に大声で怒鳴りながら蹴ったほか、手足を縛ったりし、直径2.2cm、長さ90cmの木の棒で殴った。その様子を監視カメラで見たタイ被告はチャン被告に電話をかけて暴行をやめるよう言ったが、チャン被告は聞き入れなかった。

 その後、Aちゃんが午後6時ごろに嘔吐し、ぐったりして動かなくなったため、チャン被告は仕事中だったタイ被告に電話をかけ、帰宅を求めた。タイ被告は娘に応急処置を施したが、Aちゃんは心肺停止となり、被告2人とマンションの責任者が同区のビンメック病院に救急搬送した。

 タイ被告は娘が食べ物をのどに詰まらせたと説明。しかし、Aちゃんの身体の至る所に大きなあざがあったほか、右のこめかみには以前に縫合されて治療済みの約2cmの傷跡があったため、虐待を疑った病院が警察に届け出た。一方のタイ被告は、病院での待機中にアプリを通じて自宅の監視カメラのデータを削除するなど証拠隠滅を図った。

 しかし、警察が復元したデータからチャン被告の事件当日の犯行の様子が確認でき、さらにチャン被告だけでなくタイ被告も以前Aちゃんに暴行を加えていたことが判明。被告らは日常的にAちゃんを罵倒し、服を脱がせて棒などで殴ったり、犬と一緒にケージに閉じ込めたりしていた。タイ被告はその時、「ほらワン公、そいつを噛んでやれ」と言っていたことも監視カメラの動画で確認された。

 Aちゃんの死因は急性肺水腫。検死結果では、複数の肋骨が折れており、骨折部位や頭部の皮膚下の血腫、軽度の脳浮腫も確認された。裁判官はチャン被告について、「非常に残忍且つ悪質で更生の余地はなく、社会から永久に排除する必要がある」として死刑判決を下した。タイ被告については、死に至らせた事件当日の暴行に参加しなかったため、殺人の罪には問われなかった。

 この裁判は世間から非常に注目されており、当日は多くの市民が裁判所に詰めかけた。残忍極まりない犯行の内容が読み上げられると、傍聴していた人々は涙を流しながら、幼い被害者の死を悼んだ。

[Zing 16:19 25/11/2022 / Tuoi Tre 17:58 25/11/2022 U].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナムの「人口ボーナス期」は2036年に終了、統計局予測 (6:38)

 財政省傘下統計局(NSO)は23日、中間国勢調査の結果に基づいて作成した詳細な研究結果を発表した。報告書「ベトナム人口予測2024~2074年」では、15~64歳の生産年齢人口がそれ以外の人口(従属人口)より多い「人...

間もなく迎える26年の新暦正月、内務省が4連休を提案 (6:09)

 内務省は、間もなく迎える2026年の新暦正月について、2026年1月1日(木)から4日(日)までの4連休とすることを提案した。  4連休とする場合、1月2日(木)が振替休日、1月10日(土)が振替出勤日となる。  当...

世界長者番付、ビンG会長が71位に浮上 アリババ創業者超える (5:59)

 米経済誌フォーブス(Forbes)のリアルタイム世界長者番付によると、地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)の創業者 兼 会長であるファム・ニャット・ブオン氏

ホーチミンの路上のライター修理店、愛好家の駆け込み寺 (21日)

 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロン街区グエンチーフオン通りを訪れた。男性は、ファム・バン・コーさん(男性・72歳)の店である、古びて傾...

ニンビン省:ニンコー経済区計画を策定へ、新たな成長エンジンに (5:45)

 チャン・ホン・ハー副首相は22日、北部紅河デルタ地方ニンビン省(旧ナムディン省)ニンコー経済区の2050年までのマスタープラン策定任務を承認する首相決定第2771号/QD-TTgに代行署名した。  決定によると、...

海上幕僚長が訪越、クオン人民軍参謀総長らと懇談 (4:59)

 齋藤聡海上幕僚長は、10日から13日にかけてベトナムのハノイ市と北部紅河デルタ地方ハイフォン市を訪問し、グエン・タン・クオン国防次官 兼 人民軍参謀総長およびチャン・タイン・ギエム人民海軍司令官と懇談...

イーレックス、ビナコミンと石炭火力2基目でバイオマス混焼試験 (3:51)

 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、国営ベトナム石炭鉱産グループ(ビナコミン=TKV)傘下のビナコミン電力[DTK](Vinacomin - Power Holding C

ハノイ:大晦日に市内6か所で打ち上げ花火 (2:52)

 ハノイ市は、2026年の新暦正月の1月1日(木)および旧暦元日に当たる2月17日(火)を祝う打ち上げ花火の実施を計画している。  まずは新暦正月の打ち上げ花火として、2025年12月31日(水)の午後11時45分から15分...

ベトナムの25年EC市場規模、成長率で世界トップ10入り (24日)

 商工省によると、2025年の電子商取引(eコマース=EC)市場規模は前年比+25%増の約310億USD(約4兆9000億円)となる見通しだ。小売売上高に占める比率は約11%で、デジタル経済全体の約3分の2を占めるなど、ベトナ...

ベトナム企業、ピエール・カルダンのカナダ事業を買収 (24日)

 イーモール・ベトナム(Emall Vietnam)はこのほど、フランス発祥のファッションブランド「ピエール・カルダン」のシューズ部門「ピエール・カルダン・シューズ(Pierre Cardin Shoes)」のカナダ事業を買収した。 ...

ブラジル、ベトナムと特恵貿易協定(PTA)交渉開始 (24日)

 ブラジル政府は20日、同国のフォス・ド・イグアスで開催されたメルコスール(南米南部共同市場)首脳会合で、ベトナムとの間で特恵貿易協定(PTA)交渉を開始したと発表した。議長国を務めるブラジルのマウロ・ヴィ...

ホーチミン:顔面の巨大腫瘍切除手術に成功、チョーライ病院 (24日)

 ホーチミン市チョーライ病院は18日、男性患者の顔面にできた重さ950gの腫瘍の切除手術に成功したと発表した。腫瘍は顔面と耳の外見に深刻な影響を与え、圧迫による難聴も引き起こしていた。術後の患者の健康状...

ハノイ:無人航空機で医薬品輸送、試験飛行を実施 国内初 (24日)

 ハノイ市のドゥックザン総合病院は20日、直線距離で約8km離れたザーラム総合病院まで無人航空機(UAV)を使って医薬品を輸送する試験飛行を実施した。  ドゥックザン病院は、ハノイ市人民委員会から医療目的...

ホーチミン:メトロ2号線、約200m延伸 メトロ1号線と接続 (24日)

 ホーチミン市人民委員会は、同市都市鉄道(メトロ)2号線(ベンタイン~タムルオン間)について、路線計画および関連施設の位置の調整方針を承認した。調整後のメトロ2号線は、ベンタイン駅側に約200m延伸し、メト...

商工省、トレーサビリティ管理システム運用開始 (24日)

 商工省は23日、製品情報の透明化や消費者保護、企業の持続的発展の支援を目的として、公式ウェブサイト<www.verigoods.vn>でトレーサビリティ管理システムの運用を開始した。  同システムは

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved