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1.国際線の運航再開と観光市場開放
ベトナムは2月15日からベトナム発着の全ての国際線定期便の運航制限を撤廃した。また、3月15日からは観光市場を開放した。その後も順次、入国後の新型コロナウイルス検査や隔離、健康申告を撤廃していった。
観光業は国内総生産(GDP)の約9%に貢献したものの、2022年にベトナムを訪れた外国人観光客数は約350万人に留まり、目標の500万人には届かなかった。
2.グエン・フー・チョン書記長が訪中
グエン・フー・チョン書記長が10月30日から11月1日まで中国を公式訪問した。習近平(シー・ジンピン)総書記 兼 国家主席の招きを受けたもので、歓迎式典は最高儀礼に則り盛大に行われ、大砲21発が発射された。
チョン書記長の訪中は2017年1月以来約5年10か月ぶりで、チョン書記長が中国共産党の第20回全国大会後に中国を訪問した最初の外国の指導者となったほか、チョン書記長にとってもベトナム共産党の第13回全国大会後の初の外遊となった。
3.GDP成長率が前年比で大幅加速
ベトナムの2022年の経済社会状況は15項目の目標のうち14項目を達成する見通しで、このうち通年のGDP成長率は+8.02%と前年から大幅に加速し、2011年以降で最高値となった。
また、通年の貿易額は7300億USD(約97兆円)を、海外直接投資(FDI)実行額(推定値)は200億USD(約2兆6600億円)を突破し、さらに歳入も1690兆VND(約9兆4400億円)と過去最高を記録した。
4.インフレ圧力高まる
2022年の全国消費者物価指数(CPI)は+3.15%で、国会が設定した+4%未満の目標値を達成した。
コアインフレ率は、2022年の12か月平均と前年の12か月平均との比較で前年比+2.59%上昇した。
また、2022年はガソリン価格が高騰し、6月には過去最高値となる3万2870VND(約184円)を突破した。
5.ガソリン不足でガソリンスタンドが休業
各地で石油関連製品の供給が不足し、ガソリンスタンドに長蛇の列ができたり、ガソリンスタンドが車両1台に対する購入量の上限を設定したり、さらにはガソリンスタンドが在庫切れで営業を一時停止するなどの混乱が生じた。
世界的なガソリン価格の高騰の影響を受けたことに加え、国内で石油関連製品の販売に関する政令第83号/2014/ND-CPの一部を改正・補足する政令第95号/2021/ND-CPが2022年1月2日に施行されたことで、石油関連製品の価格調整の間隔が従来の15日ごとから10日ごとに短縮され、国内市場における石油関連製品の価格が以前と比べて国際相場の変動に近づき、市場の不安定な状況が続いた。
6.新型コロナ後の医療危機
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との前例のない激しい闘いが収束した2022年、医療分野では多くの困難と課題が生じた。
医薬品と医療物資が不足し、医療施設の82%、中央レベルの病院の57%が影響を受けた。患者が自ら薬や注射針、点滴ラインを探し求め、病院は相互に薬を貸し借りする状況となった。
また、新型コロナ禍の約1年半の間に1万人近い医療従事者が退職したことで、多くの公立病院が人材不足に陥り、患者の治療やケアにも影響が及んだ。
7.共産党中央委員6人を処分
2022年も腐敗防止政策を継続し、共産党中央委員6人が党除名や解任などの処分を受けた。
これには、新型コロナ検査キット価格水増し事件に関与した、元科学技術相で逮捕までハノイ市共産党委員会副書記 兼 人民委員会主席を務めていたチュー・ゴック・アイン容疑者、前保健相のグエン・タイン・ロン容疑者、北部紅河デルタ地方ハイズオン省共産党委員会前書記のファム・スアン・タン容疑者の3人と、多額の公的資産の損失など深刻な影響をもたらしたとされる、中央経済副委員長のグエン・タイン・フォン氏、ベトナム社会科学研究所(VASS)所長のブイ・ニャット・クアン氏、中央傘下機関組織横断共産党委員会書記のフイン・タン・ベト氏の3人が含まれる。
8.株式・債券市場の違反で多数を逮捕
急成長中の新興不動産会社FLCグループ[FLC](FLC Group)のチン・バン・クエット会長、コメ輸出大手ルイスホールディングス(Louis Holdings)のドー・タイン・ニャン会長とチーベト証券[TVB](Tri Viet Securities)をはじめ、株価操作の疑いで多くの関係者が逮捕・起訴された。
この影響で市場の各種指数は急落し、流動性と投資家の信頼が一気に低下した。
また、債権市場では、不動産デベロッパーのタンホアンミン(Tan Hoang Minh)と華人系不動産大手バンティンファットグループ(VTPグループ=Van Thinh Phat Group)において社債発行に関する詐欺・資産横領で複数が逮捕された。
9.ベトナムで2回目のSEA Games開催
ベトナムがホストを務めた第31回東南アジア競技大会(SEA Games 31)で、ベトナム代表団はSEA Games史上最多となる205個の金メダルを獲得した。
ベトナムでの開催は2003年大会以来2度目で、今大会は首都ハノイ市を中心に北部の11省・市で開催された。
全40競技・523種目で競い合い、ベトナムは当初150個の金メダル獲得を目標に掲げていたが、最終的に金メダル205個、銀メダル125個、銅メダル116個を獲得し、2位以下を大きく引き離してメダル争いで断トツトップに立った。
華々しい結果の一方で、大会後にはベトナム選手6人がドーピング検査で陽性となった。