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ハノイ市の街中に突如、フランス語の古い壁画広告が現れた。
広告は、ハノイ市ホアンキエム区クアナム街区(phuong Cua Nam)クアナム変圧所(tram bien ap Cua Nam)の壁に描かれたもので、軽く触れるだけで剥がれ落ちてしまうほど老朽化が激しい。
タイヤの傍らに自動車を運転するカップルが描かれている構図で、古いフォントで、フランス語で「Partez heureux et sans apprehension(心配ご無用、楽しく行こう)」、「Le pneu qui mord la route, c’est le Goodyear(グリップ力抜群のタイヤはグッドイヤー)」というコピーが記されている。その下には、フランスのミネラルウォーター「Evian Cachat」の文字も見える。
噂を聞きつけて、近くに住むラップさん(81歳)はさっそく現場を訪れ、記念写真を1枚。10歳の頃に、この広告を見た記憶があるという。「フランス語が少しわかるので、広告の文字が読めます。時間の歴史ですね」。
あたりをよく行き来するという女性は、以前は建物の陰に隠れて見えなかったとしたうえで、「ハノイ市に唯一残るフランス語の壁画広告だと思います。ぜひ保存・修復して、観光スポットになればと思います」と話した。
付近で長年仕事をする男性によると、もともと公民館が建っていたが、変圧所を公園化する計画に伴い公民館が取り壊されたところで、壁画が現れた。建物に隠れていたことで現在のような状態で残っていたと見られ、人々の話では70~80年前のものではないかという。
なお自治体は、この壁画広告をいったん隠し、専門家や画家に評価・鑑定を依頼しており、歴史的価値があると判断されれば、保存する方針だ。