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チエウベトブオン27番地は、カフェであり、またヒエウさん一家が4世代にわたり暮らしてきた場所でもある。しかし、新しいカフェに建て替えるため、古いカフェは数か月前に取り壊されてしまった。
そのため、ヒエウさん一家は近くの賃貸住宅に住み、元のカフェの向かいの路上に仮の店舗を出している。カフェはいつも混雑しており、1日に100Lものコーヒーを淹れなければならず、コンデンスミルクを入れたグラスを100個ほど準備しておかなければ提供が追いつかないほどだ。
ヒエウさんによると、古いカフェは取り壊されてしまったが、曾祖父のころからあった思い出のパーツは取って置き、新しいカフェに飾るつもりだという。例えば木製のドアはカウンターとの仕切りに使う。また、半世紀以上前に組み立てられた椅子は、4世代を経た今でも十分に使える。ヒエウさんは「ハノイ市の伝統である路上カフェのスタイルを保ちつつ、カフェ・タイの常連客にとっても慣れ親しんだ居心地の良い空間を作りたいと思っています」と語る。
コーヒーを売って1世紀近く経った今、ヒエウさん一家は郊外に自分たちのコーヒー豆の倉庫と焙煎工場を持ち、祖父と父親が直々に育てたコーヒー焙煎の「職人」も雇っている。