ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

「ありのままに生きる」片脚のダンサー、事故と絶望からの再起

2024/03/31 10:26 JST配信
(C) vietnamnet
(C) vietnamnet 写真の拡大
(C) vietnamnet
(C) vietnamnet 写真の拡大

 バンさんはコンテストに出場することで、自分がネガティブな思考から抜け出し、コミュニティに溶け込み、自分と同じような状況にある人々にポジティブなパワーを伝えたいと思っていた。バンさん自身、これほど大きな賞を手にすることになるとは予想もしていなかった。そしてこれは、バンさんがより自信を持てるようになったターニングポイントにもなった。

 バンさんは、日々多くの人々と出会い、コミュニティに溶け込む機会ができたことで、自分自身が成長していっていることに気づいた。そして、そのポジティブな考えを自分と同じような状況にある人々に伝えていった。

 現在、バンさんは交通事故により恵まれない状況にある子供たちのための奨学金基金である「モッタイナイ」の大使を務めている。また、障がいを持つ人々のための様々なプロジェクトに携わっているほか、個人でも障がい者をサポートするプロジェクトをいくつも進めている。

 バンさんにとって、こうした活動は意義と愛に満ちた旅だ。活動を通じて、困難な状況にある人々とたくさん出会ってきた。障がいのせいで自信を失い、向上心を持てなくなっている人もいる。バンさんは、自分自身の経験を活かして、人生における愛とエネルギーを伝えるべく全力を尽くしている。

 「今でもずっと心に残っているのは、ビンフック省(北部紅河デルタ地方)から来たという少年に出会ったときのことです。彼は事故に遭って両脚の膝下を切断しました。彼は私に、どうしてそんなに自信を持つことができるのかとたずねました。その質問が、私の記憶に触れたんです。私は彼にこう答えました。『私は私らしく、私の人生を生きているからよ。私は自分の欠点も愛しているし、自分自身のことも愛しているの。自分の身体の欠点を受け入れ、他人の否定的な見方を気にしないでいられるようになれば、自信が生まれるから。両親のために、家族のために、そして自分のために生きるのよ。それが大事なことよ』」。

 その会話の後、少年と少年の母親は抱き合い、感極まって泣いていた。そしてその日、少年は少し自信が持てたようで、他の人たちとオープンに話せるようになっていたという。

 「私に新しい人生を与えてくれた、ターニングポイントに感謝しています。私はそれによって、考え方が変わりました。それは、自分自身がどうであるかが大切なのではなく、生きている間に最も美しく、最も意義のあることをできたかどうかが大切だということです」と、バンさんは話した。

前へ   1   2   3   次へ
[Vietnamnet 05:30 08/03/2024, A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
財政省、個人所得税法を見直し中 物価上昇で国民の生活圧迫 (17:35)

 財政省は、個人所得税法を含む複数の税法の見直しを実施中で、2025年10月に国会に改正草案を提出して意見を仰ぐ予定だ。順調に進めば、関連草案は2026年5月に可決される見通し。  この背景には、ここ数年で...

ホーチミン:売春仲介の男らを起訴、15歳を買春の韓国人男も (17:04)

 ホーチミン市1区警察は16日、外国人顧客に売春婦を斡旋したとして男2人を起訴するとともに、韓国人客を18歳未満の未成年者を買春した罪で起訴した。  起訴されたのは、ドー・バン・トゥアン被告(男・38歳)...

不祥事続きの政治局員に4人補充、日本留学経験者のフン官房長官ら (16:48)

 ベトナム共産党第13期(2021~2026年)中央執行委員会第9回会議が16日に開幕し、中央執行委員4人が新たに政治局員に任命された。新政治局員4人は以下の通り。 ◇レ・ミン・フン氏(54歳) ※レ・ミン・フオン元内...

ディエンビエンフーの戦場で恋に落ちた兵士と少女の物語 (12日)

 2024年5月7日、ディエンビエンフー戦勝記念日70周年(1954年5月7日~2024年5月7日)を迎えた。  ディエンビエンフーの戦いは、1954年3月から5月にかけて、当時のフランス領インドシナのディエンビエンフー(西...

ハノイ:108階建て金融タワーのデザインコンペ、米企業が最優秀賞 (15:42)

 米国最大級の建築設計会社スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(Skidmore, Owings & Merrill=SOM)はこのほど、ハノイ市ドンアイン郡のホン川(紅河)北部地域のスマートシティ内で計画されているファイ...

23年輸出額、ホーチミンが1位維持 商工省レポート (14:09)

 商工省はこのほど、2023年のベトナムの輸出入状況や問題点などを網羅的にまとめた「ベトナム輸出入レポート2023」を発表した。商工省がこうしたレポートを公表するのは今回が8回目。  レポートの主な内容は...

ホーチミン市デイin大阪、5月18日と19日に開催 (13:52)

 ベトナム文化交流イベント「ホーチミン市デイin大阪」が5月18日(土)と19日(日)に大阪城公園太陽の広場(大阪市中央区)で開催される。  同イベントは、ホーチミン市が世界にベトナム文化を海外で発信するイベ...

新たなミスコン「ミスナショナル・ベトナム」を初開催へ (13:41)

 ミスコン開催大手の地場センバン社(Sen Vang)は、新たなミスコン「ミスナショナル・ベトナム(Miss National Vietnam)」の開催を発表した。2024年が初開催となる。  同社は、大学や短期大学などでイベントを...

CMC技術、韓国事務所を開設 豊富な人材強みに市場拡大へ (13:11)

 地場CMC技術グループ[CMG](CMC Corporation)はこのほど、韓国法人のCMCコリア(CMC Korea)の事務所を開設した。  CMCコリアの事務所は、韓国の老舗企業の事務所や大

エンジニア派遣大手オープンアップ、車載システムの地場企業に出資 (12:50)

 ITエンジニア派遣大手の株式会社オープンアップグループ(東京都港区)は15日、ベトナムで組込制御の企画・開発を行うバンビエン社(Ban Vien Corporation)との間で出資契約を締結したと発表した。  オープン...

アサヒサンクリーン、ホアビン省で介護専門コースを開校 (11:35)

 訪問入浴介護や訪問介護などを手掛けるアサヒサンクリーン株式会社(静岡県静岡市)は、西北部地方ホアビン省の送出機関であるベトナムピース(VIETNAM PEACE)と提携し、ベトナム現地で介護の専門コースを開校する...

保健省、日本製デング熱ワクチンなど3種類の流通を初めて許可 (6:44)

 保健省は15日、デング熱ワクチン、帯状疱疹ワクチン、23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンの重要なワクチン3種類の流通を初めて許可した。  流通許可を受けたのは、◇武田薬品工業株式会社(東京都中央...

中国ファーウェイ、ベトナムの5GやAI事業への参画を希望 (6:13)

 チャン・ルウ・クアン副首相は政府官房で15日、中国の通信機器大手メーカーであるファーウェイ(Huawei)のZhang Zhengjunアジア太平洋地域担当副社長と会見した。  Zhang氏はこの席で、世界全体におけるファ...

4月の訪日ベトナム人6.16万人、4月として過去最高 (5:58)

 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2024年4月の訪日ベトナム人の数は前年同月比+11.6%増の6万1600人で、4月として過去最高を記録した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行以前の2019年同月比...

「Zalo」運営のVNG、シンガポール企業とデータセンター開設で提携 (5:04)

 地場総合インターネットメディア運営会社VNGコーポレーション[VNZ](VNG Corporation)は15日、シンガポールのデータセンター運営大手STテレメディア・グローバル・データセンターズ(

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved