ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ベトナムの元サッカー選手、日本のアマ大会参加中に心臓発作 治療費1800万円で支援の輪が広がる

2024/01/30 14:21 JST配信
(C)thanhnien
(C)thanhnien
  • 越サッカー選手が日本で心臓発作
  • 1800万円の高額治療費に直面
  • 在日ベトナム人の間で支援が広がる

ベトナム1部ソンラム・ゲアン(SLNA)のU-21チームに所属してキャプテンも務めていた元サッカー選手のチャン・ゴック・ズン氏が、昨年12月に日本で開催されたアマチュアサッカー大会に参加中、心臓発作を起こして救急車で緊急搬送された。あれから2か月、日本で受けた治療費が30億VND(約1800万円)にも上っており、家族は同氏を帰国させる方法を探している。

 ズン氏は昨年12月10日に埼玉県で開催された、在日ベトナム人による国内最大規模のサッカー大会「FAJIVA CUP」に参加。試合開始から数分後、ズン氏は息苦しさを感じてピッチに倒れこみ、そのまま意識不明となった。さいたま市病院で受けた救命治療のおかげで幸い一命をとりとめた。医師は最も危険な不整脈とされる心室細動と診断。心房細動は心房内の血液がよどむことで、血栓ができやすくなる危険な病。

 ズン氏のSLNA時代のチームメイトであるレ・タイン・ラム氏は、「大会に出場するため、ズンと一緒に日本に行って、試合中に彼が倒れるのを目撃した。状況は困難だ。彼はもうすぐ海外に出て働く予定だったが、その前に不幸にも病魔が襲った」と話した。

 ラム氏は帰国後、ズン氏の家族に日本での出来事を報告した。ラム氏によると、SLNAで一緒にトレーニングしていた時、ズン氏に心臓疾患の兆候は一切見られなかった。そのため、日本でズン氏が倒れた際は脳卒中の可能性を疑ったという。

 ズン氏が倒れたというニュースは、在日ベトナム人コミュニティの間で瞬く間に広がった。ベトナム・日本総合情報チャンネル「Honto TV」は最近、ズン氏が倒れてから2か月にわたり入院している現在の状況をレポートしている。

 在さいたまベトナム人協会のファム・ディン・トゥオン会長は、「我々はズン氏の容体を注意深く見守っている。双方が安心できるよう、ズン氏とも家族とも定期的に連絡を取って情報交換している」と語った。Honto TVが報じたところによると、ズン氏の12月中の治療費は約20億VND(約1200万円)、1月末までの入院治療費を含めると、総額30億VND(約1800万円)にも上るという。

 この金額は、ベトナムに残されたズン氏の家族が支払うには、あまりにも高額だ。在さいたまベトナム人協会と日本ベトナム国際交流機構(FAJIVA)はズン氏の家族と協力して、彼を帰国させる時期や方法について算段を練っている。また、日本とベトナムに住む多くの同胞や組織がズン氏を支援するために寄付を募っている。直近では、ベトナム代表FWグエン・ティエン・リンが1000万VND(約6万円)を寄付して、SNS上でファンや友人に寄付への参加を呼び掛けた。

 ズン氏は2003年生まれの21歳。名門SLNAの下部組織で育ち、184cmの恵まれた体格で将来を嘱望された若手DFだった。U-19とU-21ベトナム選手権では、SLNAのキャプテンとして出場。同年代には、U-23ベトナム代表のMFディン・スアン・ティエンやDFホー・バン・クオンがおり、SLNAユースでは左SBのレギュラーを務めていた。靭帯損傷の大怪我がなければ、同期と共にトップチームに昇格していた可能性が高いと言われている。

 SLNAのファム・ニュー・トゥアット監督は、大怪我を負ったズン氏に対し、トップチーム昇格のポストを準備するので、もう1年クラブに留まるよう説得していたが、2014年に父親を亡くし、年老いた母親と大学生の妹を持つズン氏は、家計を支えて妹の学費も工面すべく退団して働くことを決意。仕送りするために、韓国かヨーロッパに働きに出る予定だったが、その前に参加した日本でのサッカー大会で病に倒れた。

※記事提供:ベトナムフットボールダイジェスト+

[2024年1月28日 ベトナムフットボールダイジェスト+].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
電子書籍リーダー利用者、年+15%のペースで増加 (14:11)

 ベトナムの電子書籍リーダー販売大手アキショップ(Akishop)によると、国内で電子書籍リーダーを使っている人は30万人以上おり、年+約15%のペースで増加している。世界の増加率は+8~10%で、ベトナムはこれを...

PVテクニカル・サービス、洋上風力発電タワーを初輸出 (13:55)

 国営ペトロベトナムグループ(PVN)の傘下で石油関連サービスを手掛けるペトロベトナム・テクニカル・サービス[PVS](Petrovietnam Technical Services Corporation=PTSC)は2日、ファ

第3回越日農業技術ワークショップ、越日間で覚書5件締結 (13:30)

 ハノイ市でこのほど、第3回越日農業技術ワークショップが開催された。同ワークショップでは、越日間で5件の覚書が締結されたほか、農産物の輸出基準やベトナムで活用できる農業技術などの紹介に加え、11社の展...

ノートルダム大聖堂にベトコンの旗を掲げた3人のスイス人【後編】 (1日)

前編はこちら   次の試練は使徒たちの像だった。本によれば像の高さは2m程度ということだったが、実際には2倍もあった。さらに屋根

華人系不動産関連の銀行資産横領事件、控訴審でも会長に死刑判決 (6:30)

 華人系不動産大手VTPグループ(Van Thinh Phat Group)会長のチュオン・ミー・ラン被告(女・68歳)が経営支配権を掌握していたサイゴン商業銀行(SCB)を介して国民や企業から資金を調達し、不動産投資などの名目でS...

10~12月のベトナムGDP成長率予想+5.2%に減速、UOB銀 (6:11)

 シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は先般発表したレポートの中で、2024年10~12月におけるベトナムの国内総生産(GDP)成長率が前期の+7.4%から+5.2%に減速すると予想した。  また、202...

ハノイのフォー、国家無形文化遺産に登録 (5:29)

 ハノイ市の米麺「フォー」が、文化スポーツ観光省によって国家無形文化遺産として登録された。  ハノイ市で11月19日から12月1日にかけて開催された「ハノイ食文化フェスティバル2024」の開幕式の枠組みの中...

マン国会議長、シンガポール国会議長と会談 人材支援の継続要請 (5:19)

 チャン・タイン・マン国会議長は2日、公式訪問先のシンガポールでシア・キアン・ペン国会議長と会談した。  マン国会議長はこの席で、ベトナムは常にシンガポールを共通の利益と戦略的ビジョンを持つ重要パ...

タイビン省:タン党委副書記が新党委書記に就任 (4:41)

 2日に開かれた北部紅河デルタ地方タイビン省共産党委員会の会合で、同省共産党委員会のグエン・カック・タン副書記が新書記(2020年~2025年任期)に選出された。  タン新書記は、前月末に中央宣伝教育委員長...

ベトナム発の100%ヴィーガンコスメ「Cocoon」が日本上陸 (4:20)

 卸売・小売業などを手掛けるラクフル株式会社(大阪府豊中市)は、ベトナム発の100%ヴィーガンコスメブランド「コクーン(Cocoon)」の日本市場における本格販売を開始する。  「コクーン」は、環境意識と美し...

TBC、ベトナムに美容サロン「SOCIE VIETNAM」オープン (3:53)

 日本全国にエステティックサロンを展開するTBCグループ株式会社(東京都新宿区)は2日、美容サロン「ソシエ・ベトナム(SOCIE VIETNAM)」をホーチミン市1区のショッピングモール「ユニオン・スクエア(Union Square...

ウェビナー「Inno Vietnam-Japan Meetup」、12月16日開催 (2:15)

 「新しい日越共同イニシアティブ」のワーキングチーム(WT)2は、「イノベーション」をテーマに、日本貿易振興機構(ジェトロ)、在ベトナム日本国大使館、ベトナム日本商工会議所(JCCI)、ベトナム国家イノベーショ...

大規模な国家構造改革方針、省庁の統合・解体で5省を削減へ (3日)

 ベトナム共産党のレ・ミン・フン中央組織委員長は、国家構造改革・効率化に関する2017年10月25日付けの党中央執行委員会の決議第18号-NQ/TWの実施について、1日に開かれた会議で大規模な再編方針を明らかにした...

11月製造業景況感PMI、2か月連続で楽観圏 (3日)

 米国のS&Pグローバル(S&P Global)が先般発表した2024年11月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は50.8で、2か月連続で50を上回ったが、前月の51.2から▲0.4低下した。  PMIは、50を判断の分かれ目として...

国会、南北高速鉄道プロジェクトの実施を承認 (3日)

 国会は30日、南北高速鉄道プロジェクトの実施を承認する決議を採択した。国会は、関連機関が約18年にわたりプロジェクトの研究を重ね、高速鉄道を開発した複数の国の経験を踏まえた上でプレ事業化調査を完了し...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved