ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第6回】ペットの歯石取り~日々のケアが大切です~

2015/12/28 09:25 JST配信

前回 のコラムでワンちゃんの歯石や歯磨きについて グルーミングサロン テンテン より説明しました。今回は、歯磨きや歯磨きグッズでお手入れをしていても歯石が付着してしまった場合どんなことが起きるのか、実際どんな症状が出るのか、またその対処法について、 佐々木動物病院 より解説します。

歯石をとる取る方法

ご存知のように、人間の場合、毎食後きちんと歯磨きをしていても、磨き残しやわずかな食べかすにより歯垢や歯石ができてしまいます。そんな時は、歯医者さんに行って歯石取りをしてもらいますね。歯石をとる方法には、鋭い歯の付いた器具によるハンドスケーリングや、超音波を用いた超音波スケーラーという機器を用いたスケーリング、研磨剤を使用して歯の表面をツルツルに磨くポリッシング等の方法があります。また、歯磨きの上手くできない子供たちには磨き終わった後、歯の表面にフッ素を塗布して表面を保護することもあります。

歯科処置用ユニット(超音波スケーラー、電動ポリッシャー、送水、送気装置等が一体になったもの)

歯科処置用器具(ハンドスケーラー、歯科用ペンチ、歯根エレベータ、研磨用クリーム、フッ素クリーム等)

ペットの場合も全く同じですが、口をきけない動物は、口の中のネバつきや歯に挟まった食べかすなどの違和感を教えてくれません。また、それによって引き起こされる口臭や歯の着色についても飼い主が気付いて対処してあげない限りそのまま放置され、知らず知らずのうちに口臭が酷くなり、歯石だらけで歯茎が退縮し、歯根(文字通り歯の根っこ)が露出して出血が起きる、膿が出る、といった事態が起きてきます。

歯磨きや歯磨きグッズでケアをしていないイヌは、1歳を過ぎるともう犬歯がうっすらと茶色い歯石に覆われてきます。本来なら歯石が付いたらその時点で歯石取りをしなければならないのですが、人と違いペットの歯石取りには麻酔が必要になります。特に、超音波を用いて歯石を取り、きれいにポリッシングを行うといったことを奥歯の裏まできちんとするためには、麻酔下でないとできません。

歯石処置前の犬の口腔

処置後(スケーリング、抜歯、研磨後)

日々のケアで歯石取りの回数をへらそう

ペットの歯石取りには麻酔が欠かせないため、どうしてもある程度たまってから歯石を取るということになってしまいます。また、せっかく麻酔をかけてきれいにした歯も翌日からまた少しづつ歯垢や歯石が蓄積してきますので、普段から歯磨きの習慣をつけておくことは大切です。

歯石取りを行う回数が年1回だとすると、一生涯のうちに10数回の麻酔が必要という計算になりますが、歯石取りをした後に歯磨きをきちんとしているイヌは、歯石を取る頻度がかなり少なくて済みます。

口腔内のケアを怠っていると、たまりすぎた歯石が元で歯肉炎を起こし、ひどくなると歯がグラグラになって、最終的には抜かなくてはならないこともあるのです。麻酔のたびに歯の数が減り、最終的には歯が1本残らずなくなってしまった、ということも実際には珍しくありません。

このような事態を防ぐために、可愛いペットの歯は定期的に動物病院で診てもらい、必要に応じて歯石取りなどの処置をして、一生涯を通じてきれいな歯を保てるように心がけましょう。

人間の歯科では「80−20」というスローガンがあます。80歳の時点で健康な自分の歯が20本残っているという目標だそうです。ペットも10歳を過ぎたら麻酔のリスクや免疫力などの低下から、頻繁に麻酔をかけられなくなってきます。そのため、若いころから管理をしっかりして、10歳の時点でどれだけきれいな歯が保てているかを念頭に、ケアしてあげましょう。

著者紹介
佐々木動物病院・Grooming Salon Ten Ten
ホーチミン市7区にある佐々木動物病院の獣医師とグルーミングサロンTen Tenスタッフが共同で執筆するコラム。rn同じ建物内に、1階は「佐々木動物病院」、2階は「グルーミングサロンTen Ten」があり、ペットの総合サービスを受けられる。rn本コラムでは、ベトナムでのペット事情についてご案内していく。
ペット@ベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ニントゥアン省の原発計画、ロシアや日本との協議促進 (26日)

 南中部沿岸地方ニントゥアン省で計画されている原子力発電所プロジェクトの進捗状況について、政府はロシア側との交渉や日本側との協議を進める考えを示した。ブイ・タイン・ソン副首相が24日に開かれた原発プ...

ベトナム、国連海洋法条約締約国会議の議長国に初選出 (26日)

 ベトナムは23日、国連海洋法条約(UNCLOS)締約国の100%の同意を得て、第35回UNCLOS締約国会議(SPLOS 35)の議長国に選出された。ベトナムはアジア太平洋グループから唯一の推薦を受けた国で、各国も全会一致でこ...

国会、改正国家予算法など4本の法律を可決 (26日)

 国会は25日、◇改正国家予算法、◇改正監査法、◇改正行政処分法、◇8法改正法を賛成多数で可決した。 ◇改正予算法:政府の権限を拡大  改正予算法では、予算案の立案・調整における政府の権限を拡大する。...

8人兄弟の学者一族「グエン・ラン家」、故クオン氏を偲ぶ【前編】 (22日)

 ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cuong)氏が2025年5月6日、ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)医科薬科大学附属病院で死去...

ポーランド:アジア太平洋博物館にベトナム庭園がオープン (26日)

 ポーランドの首都ワルシャワにあるアジア太平洋博物館の文化展示スペースの一角に、ベトナム庭園が完成した。開所式にはベトナムからホー・アン・フォン文化スポーツ観光次官らが出席した。  1973年に設立...

EVN、ドイツ復興金融公庫と融資契約 チアン水力発電所拡張で (26日)

 ベトナム電力グループ(EVN)は、南部最大規模の水力発電所である東南部地方ドンナイ省のチアン水力発電所の拡張プロジェクトに向けて、ドイツ復興金融公庫(KfW)との間で6500万EUR(約110億円)の融資契約を締結し...

エドテックのギャラクシー・エデュケーション、1000万USD調達 (26日)

 映画館の運営や映画の配給・製作、オンライン教育などを手掛ける地場ギャラクシー・エンターテインメント・アンド・エデュケーション(Galaxy Entertainment & Education=Galaxy EE)グループで、エドテック(EdT...

資産横領罪・収賄罪など8つの罪で死刑廃止、国会が法律可決 (26日)

 国会は25日、刑事法の一部を改正・補足する法律を賛成多数で可決した。同法は7月1日に施行される。  これにより、以下の8種類の罪について死刑が廃止される。 ◇反政府活動の罪 ◇国家の物理的・技術的イ...

訪中のチン首相、李強首相と会談 鉄道建設などで協力 (26日)

 世界経済フォーラム(WEF)主催の夏季ダボス会議に出席するため中国の天津を訪問しているファム・ミン・チン首相は24日、中国の李強(リー・チャン)国務院総理(首相)と会談した。  チン首相はこの席で、ベトナ...

外国人の労働許可証、7月1日から地方自治体に完全移管 (26日)

 内務分野の国家管理における分権を規定する政令第128号/2025/ND-CP(7月1日施行)によると、施行日以降は省・市レベルの人民委員会主席が、外国人労働者に対する労働許可証(ワークパーミット)の新規発行や再発行...

FPTのAIファクトリー2件、「TOP500」にランク入り (26日)

 世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「トップ500(TOP500)」の2025年6月版に、国内IT最大手のFPT

富裕層の移動、ベトナムは25年に300人が国外へ流出 (26日)

 コンサルタント会社ヘンリー&パートナーズ(Henley & Partners)は、世界的なウェルスインテリジェンス会社ニュー・ワールド・ウェルス(New World Wealth)とともに、富裕層の移動に関するレポート「Henley Priva...

ペリカン石鹸、ベトナム市場で固形石鹸のミニサイズ販売開始 (26日)

 石鹸などの製造販売を手掛ける株式会社ペリカン石鹸(東京都港区)は7月、ベトナムの現地販売代理店であるホアフック・サービス・トレーディング(Hoa Phuc Service Trading、ホーチミン市)を通じて、日本国内でも...

H2Corporation、ハノイに新開発拠点を開設 (26日)

 建設ソフトウェアおよび人工知能(AI)の設計・開発を手掛ける株式会社H2Corporation(東京都港区)は6月、建設業界における世界最先端のAIソリューション「AI積算」のグローバル開発体制を強化するため、ハノイ市...

チン首相、中国鉄道大手3社の幹部に協力要請 (25日)

 ファム・ミン・チン首相は世界経済フォーラム(WEF)主催の夏季ダボス会議に出席するため訪れた中国の天津で24日、中国の鉄道・交通インフラ分野の大手企業3社の幹部らと会見し、ベトナムと中国を結ぶ3本の鉄道路...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved