ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第39回】「Made in Japan」のベトナムでの効果について

2017/10/04 08:30 JST配信

みなさんは商品を購入する際、何を重要視しますか?その商品の性能や見た目はもちろんのこと、新興国においては、「原産国」が大きな購入要素の一つになります。

多くの人が気にする原産国の表記。今回は、当社がホーチミン・ハノイ在住の20~39歳の男女660人を対象に、原産国についての意識、イメージ調査を行いました。

原産国を気にしますか?

調査でも 9割の人が、購入時に原産国を「非常に気にする」または「気にする」と回答 しています。

特に女性では化粧品、薬品、食品などのカテゴリーで、男性では薬品、食品、電化製品などにおいて原産国を気にする人が多いようです。

一方でファッション製品については原産国はそれほど重要でないようです。

各国のイメージの比較

それでは、原産国に関してそれぞれの国に対してどのようなイメージを持っているのでしょうか?日本・韓国・アメリカ・ヨーロッパ・韓国・タイ・中国の7カ国に関して比較をしてみました。

例えば、 食品の分野で見ると「Made in Japan(日本産)」のイメージが最も良く、その後にアメリカ、ヨーロッパが続きます 。また、薬品に関しては、アメリカ、ヨーロッパのイメージの方が日本よりも強力なようです。

ただ、どのカテゴリーにおいても 「Made in China(中国産)」の評価は著しく低く、ベトナム人の中国製に対しての強い拒否感を示しています

日韓イメージの特徴とベトナム製のイメージの変化

それぞれの原産国のイメージをもう少し細かく見ていきたいと思います。「Made in Japan」は品質と関連するキーワードと強く紐づいていることがわかります。 「高品質」「丈夫」「安全」といったキーワードが日本製の商品から連想されるキーワード です。 一方で、「格好良い」「可愛い」といったキーワードは他国と比較しても低め です。

「Made in Japan」に関しては「日本製は長持ちするし品質が安心」といった印象を強く持たれているため、食品や家電などに対しては強力な訴求要素となりますが、デザインや流行要素の高い商品の援護射撃としては余り機能しません。

対して、 「Made in Korea(韓国製)」は、日本が苦手としている「格好良い」「可愛い」といったイメージを特に女性層から持たれています

それぞれの国のイメージをまとめると下記のようになります。

日本製 「長持ち」「高品質」など安全・安心色が極めて強い
韓国製 「流行」「スタイリッシュ」といった格好良い・可愛いイメージ
アメリカ製 「高品質」に加えて「本物感」の強い王道イメージ
ヨーロッパ製 「高品質」+「洗練された」こだわりの品のイメージ
タイ製 価格が手頃でデザインに長けた中級的な選択肢
ベトナム製 「安っぽい」「壊れやすい」といったイメージは未だに強い
中国製 低品質で壊れやすい「危ない製品」の象徴。出来れば避けたい

ここで注目したいのは「Made in Vietnam(ベトナム製)」です。 全般的には「安っぽい」「壊れやすい」などのネガテイブな印象を持つ人が多い一方で、20代の若者の間では、少しずつポジティブな印象が広がっています 。例えば品質に関する印象も20代は30代と比較しても高めです。これは古くからの他国の原産国のイメージが若者の間で薄まっている一方で、ベトナム産の商品が改善を見せている点を反映しているように感じます。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナムとアルジェリア、戦略的パートナーシップに関係格上げ (15:56)

 アルジェリアを公式訪問したファム・ミン・チン首相は、首都アルジェで19日、同国のシフィ・グリエブ首相と会談した。両首相はこの席で、両国関係を戦略的パートナーシップに格上げすることで一致した。  ...

ベトナム航空、エティハド航空とコードシェア開始 (15:41)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は、アラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空(Etihad Airways)とコードシェア提携を開始した。これにより、ベトナムから中東、欧州、アフリカへ

ダクラク省:洪水で製糖工場から硫酸缶100本が流出 (14:27)

 南中部地方ダクラク省ソンタイン村(xa Son Thanh)警察のグエン・ティ・マイ・フオン署長は20日、中部各地を襲った豪雨と洪水災害により、同村にあるトゥイホア製糖工場に保管してあった硫酸缶100本が流されたと...

ハノイ郊外の2つのトンネル、軍幹部をかくまった地下要塞 (16日)

 フランス軍との9年間におよぶ抗戦中、ハノイ市の旧ドンアイン郡ナムホン村(現在のフックティン村)と旧タインオアイ郡タムフン村(現在のタムフン村)の住民たちは、戦火から村を守り、また軍幹部をかくまいながら...

25年10月の対日貿易収支、1531億円の黒字 前年同月比+8.1%増 (14:11)

 日本の財務省が発表した2025年10月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比+8.1%増の1530億9700万円の黒字だった。  日本からベトナムへの輸入額は前年同月比+16.4%増の2618億9600...

VTCオンライン、韓国ゲーム会社と提携 プラットフォーム構築へ (13:36)

 ゲーム開発などを手掛ける韓国のスマイルゲート(Smilegate)はこのほど、ベトナムの大手ゲーム会社VTCオンライン(VTC Online)と覚書(MOU)を締結した。  MOUにより両社は、スマイルゲートのゲームプラットフ...

グラブ、「外食」サービス導入 飲食店検索や配車も可能 (13:24)

 シンガポール系グラブ(Grab)の現地法人グラブベトナム(Grab Vietnam)は、「グラブ」のアプリ上で、飲食店の検索から予約、配車、店での食事までを一体で提供する「外食(Di an nha hang)」サービスを導入した。 ...

中部の豪雨・土砂崩れで21人死亡・行方不明 (6:44)

 農業環境省によると、20日午前8時30分までに、中部地域の豪雨と土砂崩れにより計21人が死亡した、または行方不明となった。  内訳は、死者16人(◇南中部地方カインホア省:11人、◇北中部地方フエ市:2人、◇...

神奈川県知事、「ブルー・ライト・ヨコハマ」の越語版MVを公開 (6:19)

 神奈川県の黒岩祐治知事が「クロリン(Kurorin)」名義で歌う、いしだあゆみの代表曲「ブルー・ライト・ヨコハマ」のベトナム語版ミュージック・ビデオ(MV)が、このほどユーチューブ(YouTube)で公開された。 ...

食品虚偽広告事件、ミスコン優勝者ら人気インフルエンサーに禁固刑 (5:33)

 成分を偽装した野菜キャンディ「ケラ(Kera)」の製造と顧客に対する詐欺の事件で、ホーチミン市人民裁判所は19日、人気インフルエンサーを含む5人の被告に有罪判決を下した。  被告らは2024年から、「ケラ」...

地場シンクゾーン、大人向け音楽教育スタートアップに出資 (5:17)

 地場ベンチャーキャピタル(VC)のシンクゾーン・ベンチャーズ(ThinkZone Ventures)は、音楽教育スタートアップのサニーデイズ・ピアノ(Sunny Days Piano)への出資を発表した。今回の投資は、同社が10月に立ち上...

ハノイ国家大学で分析開発教育センター開所、日越が連携 (4:12)

 ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)ホアラックキャンパスで18日、分析開発教育センター(分析R&Eセンター)の開所式が開催された。開所式には、日越双方から大学や政府機関、企業の関係者など多...

AZEC日越ハイレベル会合、エネルギー協力推進へ (4:01)

 在ベトナム日本国大使館とベトナム商工省は17日、「第4回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)日越ハイレベル会合」を共催した。  会合は、伊藤直樹駐ベトナム日本国大使とグエン・ホアン・ロン商工次官が...

広島県、カントー市と環境・エネルギー産業分野の協力協定を再締結 (3:10)

 広島県は10月28日、南部メコンデルタ地方カントー市との間で、環境・エネルギー産業分野における協力協定を再締結した。  これは、省・市再編に伴い、これまで環境浄化産業分野における協力協定を締結して...

ホーチミン:グリーン製品・サービス展、11月25日から開催 (2:34)

 ホーチミン市貿易投資促進センター(ITPC)によると、11月25日(火)から30日(日)まで、同市のグエンフエ(Nguyen Hue)通りで、「人工知能(AI)とテクノロジー4.0の発明・革新」をテーマに、「第3回ホーチミン市グリ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved