ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第7回】失敗しないアパート探し[後編]・・・間取りと住環境を分析する

2018/07/03 13:00 JST配信

皆さん、こんにちは。 廣済堂HRベトナム の堀岡(ほりおか)です。ベトナムをロジカル(ちょっと辛口)に分析し、ポジティブに解説する[ロジ・ポジ]。

ベトナムでのアパート探しをロジカルに分析する[後編]です。日本人が失敗しやすいポイントや、入居後のトラブル事例をお伝えすることで、ポジティブな生活ができるよう解説を行います。

[前編] では、バスタブの必要性についての分析を行いました。読者の方から、 温水タンクの容量が小さいのでコンロでお湯を沸かして注ぎ足している 、というリアルで切実な話を聞きました。改めて、バスタブの必要性と実用性については十分に検討と確認をされるようお願いします。

アパート選びの重要ポイント「リビングが暗い!」

ベトナムのアパートは間口が狭く奥に長いため、典型的な間取りでは、玄関を入るとすぐリビングで奥に寝室があります。左右の住宅と隣接していてリビングに窓がないことから、「暗いリビング」と「明るい寝室」が出来上がります。本来は逆であってほしいものです。

          【リビングが暗い間取りの例】

単身者向け              家族向け   

例えば土日に自宅で仕事をしたり、家族団らんを過ごしたりする場合、 日中に陽の差さないリビングでは気持ちも暗くなりがち です。日没後にアパートを見に行く際には日当たりをチェックしたほうが良いでしょう。

リビングの日当たりが良くないと、だんだん週末の気分が優れなくなってくる

(筆者主観)

部屋のチェック時は、派手な明るい照明に目が行き、

リビングの暗さに気づかないことも

アパート選びの重要ポイント「隣家の騒音を許容できるか」

ホーチミン市7区の中級アパート(1LDK)の高層フロア(31階)に4か月住んでいました。窓からの景色は最高で、広いプールや低層階のショッピングモールは便利でした。同じフロアには2LDKや3LDKがあり、ベトナム人の富裕層が住んでいて、いつも玄関ドアが全開でした。平日昼間の勤務がないのかほぼ自宅にいるようで、子供はピアノの練習(定期的に音が外れる)をし、頻繁にホームパーティ(モッハイバーヨーの連続)があって、当初は騒音が気になりました。

隣室のドアが近いと、開けっ放しの時やパーティの時には、かなりの騒音になる

《入居後に暗いリビングや隣家の騒音が気になってきたら》

リビングの暗さや近隣の騒音は、いったん気になり始めると終わりが見えずストレス状態が続きかねません。筆者がお勧めする超ポジティブな解決策は、「いっそのことベトナム人風に騒いでみる!」作戦です。暗いリビングに、 ベトナム人を呼んでホームパーティをしてみませんか?

ベトナム人はパーティが大好き。自分たちで食材を購入して、男性も料理をする

食事が終わると、全員が歌いだし、ホームカラオケ状態に突入

逆に、近隣に迷惑をかけているのでは?と心配になったら大成功

その日以降、周囲の騒音が気にならなくなります

アパート選びの重要ポイント「徒歩での行動範囲は安全か」

筆者はホーチミン1区で、会社まで700mのサービスアパートに1年間住んでいました。問題は、会社までの通勤途中に命がけで渡る長い横断歩道が2か所あることでした。1か所は歩行者用信号自体がありません。他の1か所は、信号こそあるものの守らないバイクが多く、しかも半分くらい渡ると赤に変わり車やバスが襲ってくるかのような日々でした。タクシーでは近すぎて嫌な顔をされる距離。 日常的な行動範囲の安全確認は必須 で、特に長い横断歩道は要注意です。

長い横断歩道は日本人にとっては命がけ(写真は2015年撮影のベンタン市場前)

アパート選びの重要ポイント「電気代を安く抑えたい」

エアコンや冷蔵庫などの家電品は長時間の連続使用をします。2LDK以上ともなると、エアコンで3か所、冷蔵庫も大型になり、省電力対策がされた型式かのチェックは欠かせません。例えば、気密性が低い空間を省電力対策のないエアコンで冷やすと、 電気代は日本での使用以上かかることもあります 。電気代の高さには驚かされます。

アパート選びの重要ポイント「VATインボイス(レッドインボイス)は発行されるか」

勤務先が借り上げ社宅として契約する場合には、VATインボイスが必要になります。契約書にVATインボイス発行可能と記載されていても、しばしば発行されないことがありました。兄弟や知人の会社名で発行できるという説明をされても、結果的に発行できず退去したこともありました。 特に個人オーナーは要注意 です。

退去時の注意点

入居してそろそろ1年。家主に退去の意向を伝えると、家主は次の入居者をすぐに探したいので、日中の不在時に室内に入ることがあります。筆者がこれまで物件を見て来た中でも、生活感にあふれ、台所やベッドが凄まじく荒れていたことがありました。 退去するかどうかにかかわらず、常に整理整頓を心がけたい ものです。

まとめ

これまでアパート9軒に住んだ結論として、自宅近くにあると便利なものは 「コンビニ」「スーパー」「バス停」「気軽な食堂」「ATM」 でした。そして次の10軒目に向けて、また新しい発見をしていきたいと思っています。

日本人がベトナムのアパートで快適に過ごすためには、 [前編] での注意事項に加え、

?リビングの暗さや近隣の騒音が気になる時は、ベトナム式にホームパーティで盛り上がってみる  (郷に入っては郷に従え)
?徒歩圏内に危険な横断歩道がある場合は、少し遠回りしても安全な道を選ぶ  (急がば回れ)
?どうしても気に入らない点があっても諦める。すべて書き出しておいて1年後の転居に備える  (失敗から学ぶ)

ことが重要です。

ロジカルに分析し超ポジティブに生きる[ロジ・ポジ]。

次回もご期待ください。

著者紹介
堀岡宏至(ほりおかこうじ)
石川県金沢市出身。早稲田大学商学部卒。ベルリンに4年、ハノイに2年、ホーチミンに3年。新しいことへのチャレンジと海外旅行(北半球51ヶ国)を趣味とし、特技は、超ポジティブ思考とパソコンの分解修理。

現在、株式会社廣済堂のベトナム3法人(廣済堂HRベトナムZEN外国語教育センターYUKI日本語センター)の代表取締役。「ロジカルシンキング」「グローバル人材」等の研修講師を務め、時間があれば大学生にも講義を行う。

基本はシャイで無口だが、話し始めると止まらない、と言われる。

連絡先:logiposi@gmail.com または https://www.facebook.com/logiposi/
[ロジ・ポジ]
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ラム書記長とトランプ米大統領が電話会談、貿易協定の枠組み合意 (17:54)

 トー・ラム書記長はベトナム時間2日夜、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談を行い、両国関係と両国間の相互関税について話し合った。  両首脳は電話会談で、両国関係が良好かつ急速に発展していることに...

ベトナム初のグリーンB2B電子商取引所「EcoHub」誕生 (17:43)

 アロビッド・テクノロジー(Arobid Technology)は1日、ベトナム初となるグリーンB2B(企業間取引)電子商取引(eコマース=EC)プラットフォーム「エコハブ(EcoHub)」を発表した。  エコハブは単なるオンライン...

PEPI指数を初発表、再編後の34省・市の経済的地位を数値化 (17:26)

 ベトナムの経済データ関連スタートアップ企業のベトスタッツ(Vietstats)は1日、全国34省・市を対象とした初の包括的な経済評価指数「地方経済ポジション指数(PEPI)2025」を発表した。  PEPIは、これまでの...

8人兄弟の学者一族「グエン・ラン家」、故クオン氏を偲ぶ【後編】 (6/29)

 ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cuong)氏が2025年5月6日、ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)医科薬科大学附属病院で死去...

ベトテル、ダナンでハイテク複合ビルを着工 27年完成 (14:54)

 南中部地方ダナン市人民委員会と国防省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)は1日、ハイテク複合施設「ベトテル・ダナン・ビルディング(Viettel Da Nang Building)」の着工式を...

モビフォン・ワンマウント・テクコム銀、デジタル決済会社を設立 (13:59)

 携帯通信大手のモビフォン(Mobifone)、テクノロジー企業のワンマウントグループ(One Mount Group)、大手民間銀行のテクコムバンク[TCB](Techcombank)は、電子決済事業を手がける新

バイクの初回登録料、全国一律2%に (13:51)

 政府は6月30日、車両登録料を規定する政令第10号/2022/ND-CPの一部を改正・補足する政令第175号/2025/ND-CPを公布した。新政令は7月1日に施行された。  新政令によると、7月1日から、バイクの初回登録料が...

カインホア省:バンフォン経済区で2つの都市区を開発、首相承認 (6:10)

 ファム・ミン・チン首相は、南中部地方カインホア省バンフォン経済区における「トゥーボン都市区」と「ダムモン都市区」の2つの都市区開発プロジェクトの投資を承認した。  トゥーボン都市区は、面積2579ha...

ホーチミン:メトロ1号線、1日26本増便 省・市合併で需要増 (6:10)

 ホーチミン市は7月1日から8月15日まで、同市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の運行本数を増やす。  これは、ホーチミン市と東南部地方ビンズオン省、同バリア・ブンタウ省の3省・市が...

1~6月期の海外派遣労働者数7.5万人、日本向けが最多3.5万人 (5:24)

 内務省傘下の海外労働管理局(DOLAB)の発表によると、2025年1~6月期にベトナムから海外に派遣された労働者数は7万4691人で、年間計画の57.4%に達した。  派遣先別に見ると、日本が3万5240人で最多を維持し...

「病畜の肉」流通疑惑のCPベトナム、立件見送り 違反なしと結論 (5:02)

 タイ系畜産大手CPベトナム(CP Viet Nam)が病気の豚や鶏の肉を販売していたとソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で告発されたことをめぐり、南部メコンデルタ地方ソクチャン省警察は6月29日、捜査を...

韓国コーヒーチェーン、ベトナム1号店をホーチミンにオープン (4:14)

 コーヒーチェーンを展開する韓国のザ・ベンティ(theVenti)はこのほど、ホーチミン市ビンタイン街区のグエンザーチー(Nguyen Gia Tri)通り162A番地に「ザ・ベンティ」のベトナム1号店をオープンした。同社の海外...

ホーチミン:観光用電気自動車の運行を一時停止 (4:12)

 サイゴン公共交通機関社(Saigon Public Transport)は、新たな規定の施行や交通インフラの未整備を理由として、6月30日をもってホーチミン市内中心部での観光用電気自動車(EV)の試験運行を一時停止した。  ...

ベトジェットエア、7月7日限定で運賃77%割引キャンペーン (3:36)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、7月7日(月)の午前0時から23時までの1日限定で、ベトナム国内線と国際線の航空券を対象に、エコクラス運賃が最大77

メディアコンテンツ制作会社と旅行会社が提携、地域交流を加速 (2:57)

 ベトナムのメディアコンテンツ制作会社で「新婚さんいらっしゃい!」や「あいのり」など日本の人気番組のベトナム版制作を手掛けるMCVグループコーポレーション(MCV Group Corporation、ホーチミン市)と、旅行...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved