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【第7回】SDGsの達成へつながるフェアトレード

2019/05/23 09:35 JST配信

こんにちは、青年海外協力隊の山田邦永(やまだくにはる)です。2017年10月より、ベトナムの非政府組織(NGO) VIRI でハノイを拠点に 活動 しています。

「宇宙船地球号」 ― 資源に限りのある我々の住んでいる地球において、現在、国際目標SDGsの達成に向けて全世界が一体となって取り組んでいます。このSDGsに関連して、本コラムで全3回に分けて紹介します。今回の1回目では、SDGsについて、また、SDGsとフェアトレードの関係について紹介します。フェアトレードについては、 本コラム「【第1回】 ようこそ!フェアトレードの世界へ」 をご参照ください。

SDGsとは

SDGs( Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標) とは、2001年に策定された MDGs(Millennium Development Goals: ミレニアム開発目標) の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

SDGsのゴール・ターゲットは、MDGsの残された課題(例:保健、教育)や新たに顕在化した課題(例:環境、格差拡大)に対応すべく、策定されました。SDGsは、地球を護りながら繁栄していくために、全ての国に行動を呼びかけるものです。SDGsにおいては、貧困の終焉は、気候変動や環境保護に取り組みながら経済発展を遂げ、教育、保健、社会保障、雇用機会等の幅広い社会のニーズを満たすための戦略とともに、手を取り合って達成されるべきものであると認識されています。

(出所: Japan SDGs Action Platform外務省 外交政策the United Nations SDGs

出所: 国際連合広報センター

フェアトレードとSDGsの深い関係

2016年、Fair Trade Advocacy Office (FTAO) は、 FTAO toolkit ? Localising SDGs through Fair Trade(フェアトレードをとおしてSDGsをローカライズするためのツールキット) を発表しました。その中で、すべてのSDGsはフェアトレードに関連しており、特に以下の8ゴールの達成に向けて、フェアトレードは重要な役割を果たすと説明されています。

SDG 1:貧困をなくそう

フェアトレードは、疎外された生産者と労働者の権利と生活を保障することを目的とする、「貧困削減のための貿易パートナーシップ」である。

SDG 2:飢餓をゼロに

フェアトレードのバイヤーが提供する取引条件は、生産者と労働者を持続可能な生活ができるようにするものとなっている。またフェアトレードは、従来の市場からは排除されてしまっていたような生産者とバイヤーとが取引することを可能とする。

SDG 5:ジェンダー平等を実現しよう

フェアトレードは熟練の仕事や指導的ポジションから見放されている女性などのグループに対して機会を提供する。女性は男性と同等の仕事に対して対等の支払いが行われると共に、生産やフェアトレード取引などから得られる恩恵の使途の意思決定に全面的に参加することができる。

SDG 8:働きがいも経済成長も

フェアトレードの取引条件は、適切な労働条件の遂行、価格と支払い条件の相互の合意、過重な労働時間をもたらさずに生産できる十分な時間的配慮などについて書面による契約をベースに取引されている。

SDG 10:人や国の不平等をなくそう

フェアトレードは、より一層の持続可能性と正義を求める“グローバル・ノース”の人々の意図と、まさにそのような変化を必要としている“グローバル・サウス”の人々のニーズをつなぐことにより、国際貿易に一層の公平性を求める活動である。

SDG 12:つくる責任つかう責任

フェアトレードは、消費者が持続可能な選択をすることを助ける。この選択によって生産者は、よりフェアな価格の支払いを受け、持続可能な生産の仕組みを実現できるようになる。

SDG 13:気候変動に具体的な対策を

フェアトレードは、持続可能な農業生産を促進し、ネガティブな影響を減少させながら、気候変動に対応する方法を小規模生産者に提供する。

SDG 17:パートナーシップで目標を達成しよう

フェアトレードは、市民、政府・自治体、消費者、生産者・企業を巻き込み、貿易をとおして変化と持続可能な発展を求める貿易パートナーシップである。

次回のお知らせ

SDGsに関連した全3回の記事のうち、次回の2回目では、ベトナムにおけるSDGs達成に向けた取り組みの状況を、大きな枠組みのレベルで紹介します。どうぞ楽しみにお待ちください!

著者紹介
青年海外協力隊 山田邦永
ベトナムのNGO、VIRI で、ハノイを拠点に活動中の青年海外協力隊隊員が、彩り豊かな「ベトナム・フェアトレードの旅」へと皆さまを案内します。VIRIは世界フェアトレード機関(WFTO : World Fair Trade Organization)から国際フェアトレード組織として認められたベトナム唯一の団体です。

著者略歴:1983年生まれ。愛知県出身。東京大学卒業、東京大学大学院修士課程修了(分子生物学)、ビジネス・ブレークスルー大学大学院修士課程修了(MBA)。元ファイザー勤務、元ジョンソン・エンド・ジョンソン勤務(R&D)。現在、青年海外協力隊(任期:2017年10月~2019年9月、活動概要:VIETJOベトナムニュース記事参照)。
ベトナム・フェアトレードの旅
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