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韓国の電子部品メーカー、サムスン電機(Samsung Electro-Mechanics)が現在、高密度相互接続(HDI)プリント基板(PCB)の生産ラインについて、韓国釜山市からベトナムへの移転を進めていることが明らかになった。移転は年内には完了する予定だ。
移転の背景として同社は「HDIは日本や台湾、中国などの企業が相次いで事業を始めており価格競争が激化している」ことを挙げている。同社によるとサムスン電子に登録されているHDIメーカーだけでも10社を超えるほどの競合ぶりだという。
もともと同社の主要な基板生産拠点は中国江蘇省崑山市だが、移転先をベトナムとしたのも人件費を筆頭としたさまざまな要因を考慮したことによる。
またスマートフォン市場も成長が鈍化しており、大きな成長が見込めないことも移転を後押しした。市場調査会社ストラテジー・アナリティクス(SA)によると、世界のスマートフォン出荷量は2017年の15億800万台をピークに減り続け、今年は13億9000万台にとどまる展望だ。
同社の基板ソリューション事業部は2014年から赤字が続いており、収益性改善の必要性が同社を工場移転に踏み切らせたものとみられる。