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- 29年末までに越中高速鉄道2路線を着工
- 既存鉄道は老朽化、中国との接続で不便
- 新路線は将来的に時速200kmに対応
ベトナム政府は2029年末までに、ベトナム北部と中国とを結ぶ2路線の高速鉄道を着工する方針を明らかにした。建設が計画されているのは、◇中国に隣接する西北部地方ラオカイ省~ハノイ市~北部紅河デルタ地方ハイフォン市~東北部地方クアンニン省、◇中国に隣接する東北部地方ランソン省~ハノイ市の2路線。
フランス植民地時代から、ハノイ~ラオカイ間とハノイ~ランソン間の鉄道は存在しているが、老朽化が進んでいるほか、軌間(レール幅)が中国の鉄道システムと接続するのに適切ではないことから不便が生じている。
既存のハノイ~ランソン間鉄道は全長167kmで、ザーラム駅(ハノイ)~ドンダン駅(ランソン)を結ぶ。軌間1000mmの狭軌と軌間1435mmの標準軌を組み合わせた鉄道となっており、中国・広西チワン族自治区崇左(すうさ)市に属する憑祥(ひょうしょう)市の憑祥駅に接続している。
新路線となるラオカイ~ハノイ~ハイフォン~クアンニン間鉄道について、コンサルタントは軌間1435mmの標準軌とする方針で、当面は単線鉄道、将来的には複線鉄道とすることを提案している。全長は441km、設計最高時速は160kmだが、将来的に高速鉄道の基準に準拠させるべく、最高時速200kmに対応可能な設計とすることが提案されている。
なお、ブオン・ディン・フエ国会議長が率いるベトナム代表団が7日~12日の日程で中国を公式訪問しており、8日に行われた中国の習近平(シー・ジンピン)総書記 兼 国家主席との会談の中で、「中越運命共同体」の構築の一環として、両国間の戦略的接続性、特に鉄道・道路インフラの接続強化について話し合った。
第三国へ輸出されるベトナム製品のアジア・ヨーロッパ鉄道経由の輸送能力増強を目指すもので、フエ国会議長は中国に対し、◇ハノイ~ラオカイ間、◇ハノイ~クアンニン間、◇ハノイ~ランソン間の標準軌鉄道開発で支援を要請するとともに、中国鉄道建築総公司(CRCCG)傘下の中国鉄建(CRCC)会長とも会見し協力を求めた。