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- 25~30年に燃料コスト+2500万USD増加
- 26年1月1日からICAOのCORSIAに参加へ
- 空港でのSAF供給インフラ整備など
ベトナムの航空業界では、持続可能な航空燃料(SAF)の導入により、2025年から2030年までの6年間で燃料コストが+2500万USD(約36億円)増加する見通しだ。年間ではおよそ450万~550万USD(約6億5000万~7億9000万円)の追加負担となる。
SAFは、使用済み食用油や動物性脂肪廃棄物などの原料から製造され、厳格な国際航空基準を満たした燃料だ。SAFを使用することにより、温室効果ガス排出量を最大80%削減できるほか、窒素酸化物(NOx)や二酸化硫黄(SO2)、微粉塵などの有害物質の排出も最小限に抑えることができる。
チャン・ホン・ハー副首相は、SAF開発政策と国際民間航空機関(ICAO)の「国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム(CORSIA)」への参加に関する会議で、SAFの国内生産促進と、農業残渣や都市廃棄物などを活用した原料の確保が重要だと強調した。さらに、税制優遇や財政支援、認証制度の整備、インフラの早期拡充など、包括的な支援策の必要性を訴えた。
ハー副首相は、航空局に対してCORSIA参加に向けた申請準備を指示したほか、ベトナム空港社[ACV](Airports Corporation Of Vietnam)には大規模空港でのSAF供給インフラの整備、財務省にはSAF市場の育成に向けた税制・財政支援策の検討を求めた。
ベトナムは2026年1月1日からCORSIAに正式に参加する方針だ。
ICAOが推進するCORSIAでは、航空業界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指しており、SAFの活用や技術革新、カーボンクレジットの導入などが求められている。