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- EVNが投資主、投資総額約220億円
- 出力合計200MWのタービン2基を設置
- 27年10~12月に全体完成の見通し
ベトナム電力グループ(EVN)はドンナイ省チアン村で19日、チアン水力発電所拡張プロジェクトの起工式を行った。
同プロジェクトは、EVNが投資主を務め、EVN傘下の第3電力プロジェクト管理委員会(EVNPMB3)が直接管理する。投資総額は約4兆VND(約220億円)で、約30%がEVNの自己資金、約70%がドイツ復興金融公庫(KfW)とベトナム投資開発銀行[BID](BIDV)からの融資で賄われる。
拡張プロジェクトでは、出力合計200MWのタービン2基を設置する。また、導水路、取水口、水圧管路、発電所建屋、放水路なども整備する。
計画によると、第1タービンは2027年7~9月に、第2タービンは同年10~12月に稼働を開始し、同年10~12月に全体が完成する見通しだ。
プロジェクトの用地面積は約95haで、このうち67haの土地収用と立ち退き補償が完了している。これは、土地収用面積の約73%に相当し、立ち退きが必要な23世帯のうち22世帯の再定住も手配済みとなっている。
拡張された発電所の年間平均発電量は約1億1300万kWhと見込まれ、南部地方の電力需要への対応力を高め、とりわけピーク時間帯の電力供給能力の強化に寄与すると期待される。
また、システム運用の効率改善を通じて、国家電力システム全体の生産コスト低減にもつながり、河川流量の有効活用やCO2排出削減への貢献も期待されている。
チアン水力発電所は、旧ソ連の支援により1984年に着工、1988年4月30日に第1タービンの送電を開始し、1991年に落成した。現在は南部最大規模の水力発電所となっており、出力合計400MWのタービンが4基設置され、年間平均発電量は17億6000万kWhに達している。