(C) JAC 写真の拡大 |
- ベトナムの求人数、前年同期比▲3%減
- テトでローカル人材の流動性が落ちる時期
- 4~6月は欠員補充などで採用ニーズ高まる
世界11か国で人材紹介事業を展開する株式会社ジェイエイシーリクルートメント(東京都千代田区)は、2024年1~3月期におけるベトナムのホワイトカラー人材紹介市場の動向を発表した。
ベトナムの求人数は前年同期比▲3%減、前期比▲14%減だった。日本(日本企業の海外事業関連求人)は前年同期比▲8%減、前期比+9%増だった。
ベトナム法人リージョナルディレクターのトゥ・ハー・グエン氏は、ベトナムにおける企業の採用動向について、1~3月期はテト(旧正月)やボーナスのタイミングとなるため、ローカル人材の流動性が落ちる時期となり、今年も同様の傾向が見られたとコメントしている。
例年、テト明けの4~6月は年間で最も候補者の流動性が高まる時期となり、欠員補充、増員問わず採用ニーズは高まってくるという。特に1~3月期に成長が見られた半導体産業などの製造業や建設業は採用活動が活発になることが予想される。
日本人の採用市場については、現地支社の運営ローカル化を目指した企業からの相談が増加しており、今後駐在員から現地採用への切り替えニーズが増えてくると予想される。ただし、労働許可証取得プロセスに不明瞭な点が多く、引き続き今後の動向を注視する必要がある。
また、求職者の動向について、ローカル人材の転職活動は例年通り活動状況が鈍化傾向にあるが、テト明けから1~6月期にかけて活動が活発になると想定される。日本からベトナムへの海外転職希望者数については依然としてやや低調で、他国に比べ定年による転職機会の制限が少ないため、シニア層の海外転職希望は相変わらず強く、アクティブに活動している求職者が多い印象だという。
一方、ジュニア・ミドルクラスでは、足元の日本の経済状況などから海外就業を希望する潜在層は増えているものの、待遇面などの理由から慎重になる求職者が散見される。