ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

コンクリ詰め遺体事件、新宗教の女4人を逮捕―主犯格は日本就労経験も

2019/05/20 17:10 JST配信
(C) vnexpress, 左:ハー容疑者、右:ホア容疑者
(C) vnexpress, 左:ハー容疑者、右:ホア容疑者

 東南部地方ビンズオン省バウバン郡フンホア村にある住宅で15日に樹脂性給水タンク2本からコンクリート詰めされた人間の遺体が見つかった事件で、同省警察は17日深夜、容疑者の女4人を逮捕した。

 逮捕されたのは、主犯格のファム・ティ・ティエン・ハー容疑者(31歳、ホーチミン市出身)、ハー容疑者の母親であるチン・ティ・ホン・ホア容疑者(66歳、同)、レ・ゴック・フオン・タオ容疑者(29歳、メコンデルタ地方ティエンザン省出身)、レ・フー・ハイン容疑者(54歳、ビンズオン省出身)の4人。

 容疑者4人は現場から約50km離れたビンズオン省の省都トゥーザウモット市ティアモ・フーティン住宅区にあるホテルから車に乗って逃走しようとしていたところを警察に逮捕された。

 これに先立ち、ビンズオン省警察は公安省と協力して容疑者を特定し、指名手配して国民に情報提供を呼びかけた。これを見たホテルのスタッフが警察に通報し、警察が到着するまで住宅区の警備員の協力を得て車に乗った容疑者4人の逃走を阻止した。

 主犯格であるハー容疑者は短髪でタトゥーを入れている。英語、中国語、日本語が堪能で、日本で働いたことがあり、ホーチミン市10区にある有名なカフェを営んでいた。

 4人はとある新宗教(「法輪功」との報道もある)のメンバーで、ハー容疑者の指導のもとで修行を続けていた。警察は現場で経典や宗教に関する資料の複写などを押収した。隣人によると、女らは尼のような服装をしていたという。

 ハー容疑者は母親であるホア容疑者を説得してホーチミン市にあった住宅を売却し、修行用の資金を調達した。警察は4人の乗った車から金30テール(1テール=37.8g)、2万USD(約220万円)、3億VND(約140万円)を発見・押収した。

 被害者の男性2人の身元も判明した。現場の寝室に置かれた給水タンクから見つかった遺体はチャン・チー・タインさん(ホーチミン市出身)のもので、現場近くの芝生に捨てられていた円柱形のコンクリートの塊から発見された遺体はチャン・ドゥック・リンさん(北中部地方ゲアン省出身)のものだった。現場となった民家は、最近までハー容疑者が偽造の身分証明書で賃借していた。

 警察の取り調べによると、容疑者らはグループで2018年12月に東南部地方バリア・ブンタウ省スエンモック郡にあるヴィラを借りて修行していた。その際、被害者の1人であるリンさんは、規定を守らなかったためハー容疑者とタオ容疑者の2人と喧嘩になり、飛び降り自殺したという。

 容疑者らは、リンさんの遺体をエアコンの効いたヴィラの室内で保管し、1週間後に修行を終えてから現場の民家に移したと供述。悪臭が修行の妨げになるとして、腐敗防止のために遺体を茶と共に給水タンクに入れ、表面をセメントで塗り固めた。

 しかし、リンさんが自殺したとの容疑者らの供述に対し、警察はリンさんに首を絞められた形跡があることから、絞殺された可能性が高いと見ている。

 グループはその後も民家で修行を続けていたが、唯一の男性メンバーだったタインさんが女性メンバーらの就寝や入浴を覗き、断食に関する規定も守らなかったため、ハー容疑者とタオ容疑者の2人がタインさんを部屋に監禁し、「鍼灸を行う」と嘘をついて電気ショッカーで彼に電気ショックを与えて気絶させた上、紐で首を絞めて殺害した。

 数日後に遺体が悪臭を放ち始めたため、今度は給水タンクに遺体をコンクリート詰めすることにした。タインさんの遺体にある刃物で刺された形跡については、「(遺体が)膨れたため、刺して空気を抜いた」と供述している。

 警察は他に共犯がいるか捜査を急いでいる。

[Vnexpress 18:12 19/5/2019, 08:1619/5/2019, 20:47 18/5/2019, 18:12 19/5/2019 / Tuoi Tre 11:26 19/05/2019, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
越米の第3回相互関税交渉が終了、建設的な進展を確認 (17:54)

 ベトナム商工省は、ベトナムと米国が米ワシントンD.C.で9日から12日まで実施していた相互関税の二国間協定に関する第3回交渉を終了したと発表した。  今回の交渉は、全体として建設的かつ前向きに進展し、...

広告法の一部改正・補足など法律3本可決、広告の取り締まり強化 (17:32)

 国会は16日、◇広告法の一部を改正・補足する法律、◇改正雇用法、◇教師法の3本の法律を賛成多数で可決した。いずれも2026年1月1日に施行される。 <広告法の一部を改正・補足する法律>  広告法の一部を...

国防省、全国のドローン飛行禁止・制限エリアを公表 (17:28)

 国防省は15日、全国の空域におけるドローンなどの無人航空機およびその他の無人機の飛行禁止エリアと飛行制限エリアを公表した。  飛行禁止・制限エリアの詳細は、専用ウェブサイト<https://ca

世界のベトナム人街を訪ねて【プラハ編・後編】 (15日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

国会、改正法人税法を可決 10月1日施行 (14:17)

 国会は14日、改正法人税法を賛成多数で可決した。同法は2025年10月1日に施行される。  今回の改正では、企業が複数の異なる優遇措置の対象となる場合、「最も有利な優遇措置」を適用することを原則とする規...

ECショッピー、7月から全国で商品送料無料プログラムを開始 (13:48)

 シンガポール系電子商取引(eコマース=EC)プラットフォーム「ショッピー・ベトナム(Shopee Vietnam)」は、7月1日から全国で商品送料無料プログラムを開始する。  対象は15kg未満の商品で、都市部・地方を問...

韓国IT素材メーカー、ハイフォンに負極材向け材料工場を設立 (13:20)

 韓国のIT素材メーカーであるイノックス(INNOX)の子会社で、車載用二次電池関連製品を製造するイノックスエコエム(INNOX Ecom)は、北部紅河デルタ地方ハイフォン市で負極材用一酸化ケイ素(SiO)工場を竣工した。 ...

ベトナム、BRICSのパートナー国に正式承認 10か国目 (6:19)

 ベトナム外務省は14日、ベトナムが新興経済国グループ「BRICS」のパートナー国に正式承認されたことを明らかにした。発展途上国の声や役割を高め、国際協力と包摂的な多国間主義を推進することを目的としている...

ベトナムとスウェーデン、科学技術などで戦略的パートナーシップ (6:03)

 スウェーデンを公式訪問したファム・ミン・チン首相は現地時間13日、同国のウルフ・クリステション首相と会談し、両国関係を科学技術・イノベーション分野における戦略的パートナーシップへと格上げすることで...

第8回ベトナム語検定、過去最多の917人が受験 1級も初実施 (5:50)

 特定非営利活動法人日本東南アジア言語普及交流協会(J-TAG)は15日、日本外国語専門学校で第8回「実用ベトナム語技能検定試験(ViLT)」を実施した。今回の受験者数は917人で、過去最多を更新した。  同試験は...

ベトナム航空、ロンタイン空港で航空サービス関連施設2案件を着工 (5:28)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は15日、傘下の2社とともに、東南部地方ドンナイ省で建設中のロンタイン国際空港の航空サービス関連インフラ案件2件の着工式を開催した。投資

ベトナムの「低炭素米」、日本に次いでオーストラリアにも輸出へ (4:13)

 南部メコンデルタ地方カントー市のチュンアンハイテク農業[TAR](Trung An Hi-Tech Farming)は、5月に日本市場に「低炭素米(low carbon rice)」500tを輸出した。これに続いて10月ま

東ソー、ベトナム子会社を設立 27年春に稼働予定 (3:51)

 総合化学メーカーの東ソー株式会社(東京都中央区)は13日、同社100%出資のベトナム子会社「トーソー・ベトナム・ポリウレタン」を2024年4月4日付けで東南部地方バリア・ブンタウ省第3フーミー特別工業団地に設...

第4回日越海洋協議を開催、海洋秩序の維持で緊密に連携へ (2:49)

 13日、第4回日越海洋協議が東京で開催された。今回から局長級に格上げされ、日本側から柏原裕外務省南部アジア部参事官、ベトナム側からチャン・バン・トゥイ外務省国家国境委員会副委員長などの関係者が出席し...

デジタル技術産業法を可決、デジタル資産とAIの法的根拠を制度化 (16日)

 国会は14日、デジタル技術産業法を賛成多数で可決した。同法は2026年1月1日に施行される。これにより、デジタル資産と人工知能(AI)に関する法的根拠が初めて制度化された。  同法の対象となるデジタル資産...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved