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8月22日に公布された首相決定1469号/QD-TTgで、「2020年までの国内建設資材発展総合計画及び2030年までの展望」が承認された。吸入すると肺癌や中皮腫の誘因になるとされるアスベスト(石綿)の一種であるクリソタイル(白石綿)使用施設の新規投資及び追加投資の禁止や、クリソタイルの代替資材への移行などが盛り込まれている。
しかしこの決定に従えば、2030年まではアスベストを使用できることになっている。専門家らはこれでは遅すぎると指摘する。地域開発研究訓練センター(RTCCD)のチャン・トゥアン所長によると、世界保健機関(WHO)や国際労働機関(ILO)はベトナム政府に対し、2020年より前にアスベストを使用禁止にするよう勧告しているのに対し、この決定はそれに逆行している。
現在ベトナムは、年平均6万5000tのアスベストを輸入している。2030年までこのペースが続けば、今後100万t余りを輸入し消費することになる。保健省保健環境管理局のグエン・フイ・ガー局長は、これにより少なくとも6600人が中皮腫になる恐れがあると警告する。
RTCCDのトゥアン所長は、決定1469号はアスベストがもたらす人の健康や社会全体への悪影響を十分考慮していないとして、見直すよう訴えている。