ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

中国に売られた女性、カナダ人の養子になった息子達と23年ぶりに再会

2017/03/16 16:25 JST配信
(C) VnExpress, 右から養父、ビンさん、バウさん、フオンさん、中国人夫
(C) VnExpress, 右から養父、ビンさん、バウさん、フオンさん、中国人夫

 2月中旬のとある日、南中部沿岸地方クアンナム省ヒエップドゥック郡タンアン町にある小さな家で、ファム・ティ・バウさん(女性・53歳)は23年間にわたり生き別れとなっていた2人の息子、ファン・バン・フオンさん(26歳)、ファン・バン・ビンさん(25歳)との再会に喜びの涙を流した。

 バウさんはかつて南中部地方クアンガイ省ソンティン郡である男性に嫁ぎ2人の息子を授かり幸せな生活を送っていた。しかし1994年の4月頃、近隣省へ果物を売りに行くため乗り合いバスで移動中に誘拐され、中国に売られてしまった。

 幸いにもバウさんを買い妻として向かい入れた年下の中国人青年は、バウさんを愛し大切にしてくれたが、色々な事情もあり2016年になって初めて念願のベトナムへ里帰りが実った。

 親族に会い2人の息子について聞くと、困窮した生活のため親族は息子たちを南中部沿岸地方ダナン市の孤児院へ送られたことが分かった。孤児院へ問い合わせると息子たちはしばらく施設で生活した後にカナダ人夫婦の養子となり、現在も施設と連絡を取り合っているとのことだった。

 バウさんの里帰りは広く報道され、これを知ったフオンさんとビンさんは養父と共に2月12日バウさんが住む家を訪れ23年ぶりの再会を果たした。母と子はきつく抱き合い、感無量で言葉が出てこなかった。2人の息子は幼少時にカナダへ渡ったことからベトナム語が分からないため、通訳を介して会話した。

 現在フオンさんは船舶操縦士になり、ビンさんは美容師の勉強中だ。カナダ人夫婦は当初ビンさんだけを養子にするつもりでいたが、フオンさんが弟と離ればなれにしないでくれと大きな声で泣いて訴えたそうだ。

 バウさんと中国人の夫はタンアン町で暮らすことを選び、小さな家を借りて住んでいる。いずれは商いをするため、今は地元の人に雇ってもらい資金を貯めている。

 バウさんはベトナムの戸籍を喪失してしまっているため、夫婦は3か月に1度東北部地方クアンニン省モンカイ国境検問所で在留期限の延長手続きをしている。「夫もベトナムで暮らすことに同意しているので、起業するために土地を支援していただけたら…」と、バウさんはベトナムでの生活の立て直しを切に願っている。

[Son Thuy, VnExpress, 13/3/2017 | 17:57 GMT+7, T].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
第8回ベトナム語検定、過去最多の917人が受験 1級も初実施 (5:50)

 特定非営利活動法人日本東南アジア言語普及交流協会(J-TAG)は15日、日本外国語専門学校で第8回「実用ベトナム語技能検定試験(ViLT)」を実施した。今回の受験者数は917人で、過去最多を更新した。  同試験は...

ベトナム航空、ロンタイン空港で航空サービス関連施設2案件を着工 (5:28)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は15日、傘下の2社とともに、東南部地方ドンナイ省で建設中のロンタイン国際空港の航空サービス関連インフラ案件2件の着工式を開催した。投資

ベトナムの「低炭素米」、日本に次いでオーストラリアにも輸出へ (4:13)

 南部メコンデルタ地方カントー市のチュンアンハイテク農業[TAR](Trung An Hi-Tech Farming)は、5月に日本市場に「低炭素米(low carbon rice)」500tを輸出した。これに続いて10月ま

世界のベトナム人街を訪ねて【プラハ編・後編】 (15日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

東ソー、ベトナム子会社を設立 27年春に稼働予定 (3:51)

 総合化学メーカーの東ソー株式会社(東京都中央区)は13日、同社100%出資のベトナム子会社「トーソー・ベトナム・ポリウレタン」を2024年4月4日付けで東南部地方バリア・ブンタウ省第3フーミー特別工業団地に設...

第4回日越海洋協議を開催、海洋秩序の維持で緊密に連携へ (2:49)

 13日、第4回日越海洋協議が東京で開催された。今回から局長級に格上げされ、日本側から柏原裕外務省南部アジア部参事官、ベトナム側からチャン・バン・トゥイ外務省国家国境委員会副委員長などの関係者が出席し...

デジタル技術産業法を可決、デジタル資産とAIの法的根拠を制度化 (16日)

 国会は14日、デジタル技術産業法を賛成多数で可決した。同法は2026年1月1日に施行される。これにより、デジタル資産と人工知能(AI)に関する法的根拠が初めて制度化された。  同法の対象となるデジタル資産...

国会、改正特別消費税法を可決 加糖飲料も対象に (16日)

 国会は、改正特別消費税法を賛成多数で可決した。同法は2026年1月1日に施行される。  同法によると、加糖飲料については、ベトナム国家基準における清涼飲料水の定義に該当し、糖分が100mLあたり5gを超える...

国会、憲法改正の決議採択 7月1日から地方自治体を2層構造に移行 (16日)

 国会は16日、憲法の一部条項を改正・補足する決議を採択した。同決議は即日施行された。  決議によると、地方自治体は6月30日をもって郡レベルの行政区(省・中央直轄市傘下の市、区=quan、郡=huyen、町=...

ホーチミン、米AMDとAI・ハイテク協力促進で覚書 (16日)

 ホーチミン市人民委員会は12日、半導体設計大手の米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices=AMD)との間で、技術協力に関する覚書を締結した。式典にはチャン・ホン・ハー副首相も出席した...

ベトナム政府、国家戦略技術32分野を公表 AI・バイオ医療など (16日)

 ファム・ミン・チン首相は12日、国家の戦略的技術および戦略的技術製品に関するリストを定める決定第1131号/QD-TTgに署名した。  今回の決定では、国家の持続的な発展と技術革新を推進するための、10の戦略...

ベトナムAI産業のGDP貢献、40年までに最大1300億USD規模に (16日)

 財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)が国際協力機構(JICA)およびボストン・コンサルティング・グループ(BCG)と協力して発表した報告書「ベトナム人工知能(AI)経済2025」によると、AI産業は今...

信頼性の高い保険会社トップ10、バオベトが生保部門で首位キープ (16日)

 ベトナム評価レポート社(ベトナムレポート=Vietnam Report)は、2025年における信頼性の高い保険会社トップ10を発表した。この中で、バオベトグループ[BVH](Bao Viet Group)は生命

クオン国家主席、越訪のリトアニア大統領と会談 (16日)

 ルオン・クオン国家主席は12日、リトアニアのギターナス・ナウセーダ大統領と会談した。1992年の外交関係樹立以来、同国大統領がベトナムを公式訪問したのは今回が初めて。  両首脳は会談で、今回の公式訪...

7月1日施行の社会保険法、加入対象者を拡大 外国人関連規定も (16日)

 2024年社会保険法(法律第41号/2024/QH15)が、2025年7月1日に施行される。これは2014年社会保険法(法律第58号/2014/QH13)に置き換わるもので、社会保険の加入対象者が拡大される。  2024年社会保険法では、...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved