ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

生まれてすぐにフランス人の養子になった女性、SNSで産みの母と再会

2019/09/10 06:01 JST配信
(C) THANH NIEN
(C) THANH NIEN 写真の拡大.

ベトナム系フランス人のバージニー・パリゾットさんは、出生直後から22年間生き別れになっていた産みの母親を探すことを決意し、フェイスブック(Facebook)で情報提供を呼び掛けた。すると投稿後すぐに情報が寄せられ、母娘はテレビ電話で再会を果たした。

 バージニーさんは1997年12月24日にホーチミン市フンブオン病院で産声を上げ、レ・ティ・リエンと名付けられたが、直後にフランス人夫妻の養子となった。産みの母親レ・ティ・ラックさんの人民証明書の写真をフェイスブックに投稿すると、瞬く間に拡散されると共に母娘の再会を願う声が多数寄せられた。

 すると、ラックさんの親族だと名乗り出る人が現れ、バージニーさんとフェイスブックを介して対面した。さらに警察当局の助けもあり、ラックさんは人民証明書に記載されたホーチミン市6区ビンティエン(Binh Tien)通りの住所から引っ越し、現在は8区ホアイタイン(Hoai Thanh)通りに住んでいることが明らかになった。

 当時ラックさん夫妻は2人の娘と6区に住んでいたが、立ち退きに遭い8区に引っ越したという。ラックさんは、経済的に苦しいなか、三女となるバージニーさんを身ごもった。そしてバージニーさんを出産したが、やむを得ない理由で手放すこととなった。

 「昔は本当に貧しくて私は読み書きもできませんでしたし、家族計画も何もありませんでした。病院で出産したものの入院費を工面できず、病院を抜け出そうと思っていたところに子供を望んでいるフランス人夫妻がいると聞いたんです」とラックさん。

 情報を得たフランス人夫妻はすぐにラックさん夫妻の元を訪れて、入院費を肩代わりし3日後にバージニーさんを迎えに来た。1週間で諸所の手続きを終え、バージニーさんはフランス人夫妻の養子となった。この時ラックさんにできることはレ・ティ・リエンと名付け出生届を出すことだけだったという。ラックさんはその後新たに2人の子供を授かった。

 養子縁組の手続きの際にフランス人夫妻の住所を渡されたが、先々のことを考える余裕もなく文字も読めないラックさんはその紙を保管するしかなかった。8区に引っ越して以降も、風の便りで古い住所宛てに手紙が届いたという話は聞いたことがあった。しかし文字も読めなければ受け取りに支払うお金もなかったラックさんは、何もしなかった。

 「もし願いが叶うなら、この胸に娘を抱き一言謝りたいです。そして私たちが一番苦しい時に助けてくださったフランス人のご両親にも感謝の言葉を伝えたいです」とラックさんは声を詰まらせながら想いを語った。

[THANH NIEN 09:10 04/09/2019, T].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナムのホラー映画「狗神の業」、日本で8月15日公開 (5:30)

 ベトナムのホラー映画として歴代最高の興行収入を収めた2023年12月公開の映画「狗神の業(いぬがみのかるま、原題:Quy Cau、英題:Crimson Snout)」が、8月15日(金)よりシネマート新宿ほか全国で公開される。 ...

100万VND未満の少額輸入品、8月1日からVAT自動徴収 (5:13)

 税関当局は8月1日から、少額輸入品に対する付加価値税(VAT)の自動徴収を開始する。対象となるのは、宅配便サービスを通じて輸入される100万VND(約5600円)未満の少額商品。  ベトナムには毎日、約400万~500...

ベトジェットエア、ダナン~クアラルンプール線を10月26日就航 (4:51)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は10月26日、南中部地方ダナン市とマレーシアのクアラルンプールを結ぶ直行便を就航する。  同路線は週

世界のベトナム人街を訪ねて【ベルリン編・後編】 (13日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

ベトナム航空、創立30年で3.5億人目の乗客を迎え入れ (4:10)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)はこのほど、北中部地方フエ市のフーバイ国際空港で、1995年の創立から30年間で3億5000万人目となる乗客を迎え入れた。  3億5

トーアミ、積算事業を100%出資会社に分離・移管 開所式を開催 (3:45)

 土木建築用資材の製造販売と土木建築工事を手掛ける株式会社トーアミ(大阪府四條畷市)はホーチミン市で11日、積算事業を担う100%出資会社「トーアミ・ベトナム(TOAMI VIETNAM)」の開所式を開催した。  ト...

ホーチミン:ベトナム最大の美容・化粧品展示会、7月24日から (2:36)

 ホーチミン市旧7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, phuong Tan My, TP. Ho Chi Minh)で、7月24日(木)から26日(土)まで、ベトナム最大の美容・化粧品展示会「ベト...

フォンニャ・ケバン国立公園、国内初の「国境を越える世界遺産」に (15日)

 フランスの首都パリで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第47回世界遺産委員会で13日、北中部地方クアンチ省(旧クアンビン省)の世界自然遺産「フォンニャ・ケバン国立公園」の境界線を変更し、ラオ...

北部のイエントゥー遺跡・景観群、世界遺産に登録 国内9件目 (15日)

 フランスの首都パリで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第47回世界遺産委員会で12日、ベトナムのイエントゥー遺跡・景観群が、世界文化遺産に登録された。  今回登録された「イエントゥー=ビ...

ベトナム初の工業団地、設立62年で全インフラサービス停止へ (15日)

 東南部地方ドンナイ省の第1ビエンホア工業団地を運営する工業団地開発総公社[SNZ](Sonadezi)は、8月1日より同工業団地の入居企業に対する電気・水道・排水処理などのインフラサービ

ビンファスト、年内にインドでショールーム32店舗を展開 (15日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)はこのほど、インド市場への進出を加速させるべく、同国の

ベトナム人行方不明者の遺骨DNA鑑定、新研究室が開所 米国援助 (15日)

 ベトナム科学技術研究所(VAST)傘下のDNA鑑定センターに、米国の援助により先進的な機器や技術を導入した新たな研究室が設置され、このほど開所式が行われた。  開所式には、マーク・ナッパー駐ベトナム米国...

ベトナムの「ロト6」で過去最高の当選額、賞金19.3億円 (15日)

 財政省傘下のベトナムコンピュータ宝くじ社(ベトロト=Vietlott)は、12日に行われた数字選択式宝くじ「パワー6/55(Power 6/55)」の抽選で特賞(Jackpot 1賞)の当選者が出たと発表した。  今回の当選番号は「...

ホーチミン市、ズン元首相の長男ギ氏を党機関委書記に任命 (15日)

 国家構造スリム化の一環として、7月1日に旧ビンズオン省と旧バリア・ブンタウ省の2省を吸収合併した新ホーチミン市の共産党機関委員会は9日に開いた会議で、新ホーチミン市共産党機関委員会(2020~2025年任期)...

ハイブリッドテクノロジーズ、ジンアースと業務提携 (15日)

 日本とベトナムのリソースを活用したハイブリッドなシステム開発を行う株式会社ハイブリッドテクノロジーズ(東京都中央区)と同社グループは、SES事業やITインフラ構築事業などを展開する株式会社ジンアース(東...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved