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ホーチミン市に住むフイン・ミン・ヒエップさん(男性・46歳)は、25年の年月をかけてベトナム南部がフランス領だった時代から1975年のサイゴン陥落までに発行されたレストランや小売店の領収書に切符、広告などからバイクの譲渡証や個人の納税領収書、学生証まで1000点以上の印刷物を収集してきた。
ヒエップさんがこうした印刷物を収集するようになったのは1993年からという。元々は骨董品が好きで、なかでも当時のサイゴンの文化や人々の暮らしが垣間見られる書類や文書に惹かれた。収集品の中で最も多いのが1975年以前の売買取引に関する書類だ。
1961年のティエンチュオン(Tieng Chuong)新聞の広告料の領収書、1970年代の自転車販売店の領収書など、店ごとに領収書の様式や記載内容が異なり、店名を前面に推したオリジナルのロゴが面白い。
1950年に発行された旧シェニョー(Chaigneau)通り(現:1区トンタットダム(Ton That Dam))のカギ修理店の領収書は当時の情勢が実によく表れている。当時はフランス統治下にあったことから、多くの文書はベトナム語と中国語のほかにフランス語が併記されている。エデンやバンカム、ダーカオなど当時の映画館のチラシやチケットからも、当時のサイゴンの人々の娯楽を見ることができる。
バイクの譲渡証や運転免許証なども多く収集しているヒエップさんだが、最も価値があるとされるのがフランス最大のオートバイメーカーだったモトベカン(Motobecane)の1936年製造のポニー(Pony)とその車両登録証と譲渡証だ。このバイクはなんと当時のフランス高官が1962年にベトナム共和国のゴ・ディン・ジエム初代大統領の兄であるゴ・ディン・トゥック氏に譲渡したものだという。
収集品の中で、古い時代の物は旧ザーディン省ビンホア村の18歳の住民に発行された個人税納付領収書で、発行年は1891年に遡る。
政府発行の書類も多くあり、1942年にバオダイ帝が南中部沿岸地方ビントゥアン省ハムトゥアン郡の副郡長に発行した賞与通知書といった貴重な文書もある。文書はフランス語と中国語で書かれ、最後に皇帝の印が押されている。
ヒエップさんはこうした希少な印刷物のほかにも、タバコの袋やジュースの瓶、食器など昔の日用品も集めている。どれもその時代を蘇らせる大切な品々だとヒエップさんは語る。
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