ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

クラシックバイク博物館の設立夢見る青年収集家

2011/01/23 08:37 JST配信
(C) Sai Gon Tiep Thi, Ha Diu
(C) Sai Gon Tiep Thi, Ha Diu 写真の拡大

 紅河デルタ地方ナムディン省ナムディン市でカフェ「ニューランド」を経営するマイ・ズイ・トゥアン(29歳)は、クラシックバイクの収集家として知られている。彼のカフェにはそのうちの何台かが陳列されている。彼が苦労して探し集めたものだ。

 トゥアンがバイクに興味を持つきっかけになったバイク「Simson S51」も、カフェの一隅に展示されている。彼の父親がかつて愛用していたバイクだが、直接父親から譲り受けた訳ではないという。1990年代前半、バイクは各家族にとって貴重な財産と言えるものだった。彼の両親は教員で給与が低く、長年かけて貯めたお金でようやく買ったバイクだった。トゥアンは父親の運転するバイクに乗って出かけるのが好きで、洗車の時にキャブレーターの洗浄を手伝ううちにバイクを好きになっていった。

 家族の経済状態が良くなると、そのバイクは人に売られ新しいバイクが家にやってきた。しかしトゥアンにとって最初のバイクの印象は強く、クラシックバイクの収集を始めようと思ってからまず思いついたのがこのバイクだった。バイクは人から人へと転売されており、ようやく5人目で所有者が見つかったが、故障して放置されたままになっていた。トゥアンは15年ぶりに再会した思い出のつまったバイクを入手、数か月かけて修理し走れるようにした。

 トゥアンがクラシックバイクの収集を始めたのは2005年。大学を出て電気設備販売会社に就職したばかりの頃だった。それから5年、彼のコレクションは約30台にまで増えた。1950年代から配給制(バオカップ)の時代までの「Izi」「Delta RMR 24」「Honda 67」「Simson Star」「Hapbich」「Motobecane AV 46」「Solex」「Suzuki A92」「ETZ 150」「ETZ 251」などの古いバイクたち。

 このうち15台までは部品を見つけて修理し、走れるようにした。部品は純正にこだわっているため、簡単には入手できない。また、「バイクはただ飾って眺めるものではなく、外を走ってこそ美しい」との考えから、時々クラシックバイクでナムディンの町を走ることもあるという。

 トゥアンは現在、ルオンテービン大学の教員でもある。いくつもの仕事をするのには理由がある。クラシックバイク博物館の設立という夢に向かって、資金をためる必要があるからだ。「博物館に入って古いバイクを眺めた時に、過去や家族の思い出がよみがえる」、そんな空間を作りたいという。

[Sai Gon tiep thi online, 15.01.2011, 08:48 (GMT+7), O].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ロンタイン空港、12月19日に初の旅客便を受け入れへ (6:13)

 ベトナム空港社[ACV](Airports Corporation of Vietnam)は、東南部地方ドンナイ省で建設中のロンタイン国際空港が、2025年12月19日にハノイ発の旅客便を受け入れる予定だと明らかに

バイク協会、電動化への急転換に懸念 2~3年の準備期間が必要 (6:07)

 ベトナムバイクメーカー協会(VAMM)は、政府がガソリンバイクを規制して電動バイクに転換する戦略を推し進めている件について、最低2~3年の準備期間が必要だとする意見書を政府と関係省庁に提出した。  フ...

国内初の豚舎ビルプロジェクト、首相に許可申請 (5:54)

 フン・ドゥック・ティエン農業環境次官は7月31日、多層階の「豚舎ビル」での養豚モデルの導入について、ファム・ミン・チン首相に許可申請書を提出した。首相の承認が得られれば、国内で初めての豚舎ビルプロジ...

無料のピアノ教室、シニアの「眠っていた夢」を育てる場に (3日)

 毎週火曜日と金曜日の午前9時から11時まで、ホーチミン市ヒエップビン街区(旧トゥードゥック市の一部)リンドン通りにある「無料のピアノ教室」には、美しいピアノの音色が響きわたる。  このピアノ教室は、...

JICA、ベトナムの農業セクター支援でHDバンクと融資契約 (5:05)

 国際協力機構(JICA)は7月31日、HDバンク[HDB](HDBank)との間で、ベトナムの「農業セクター支援事業」に対する融資契約の調印式を実施した。  同事業は、カナダ開発

コクヨ、ホーチミンにポップアップショップ出店 初の体験型展示も (4:53)

 文房具やオフィス家具の製造・仕入れ・販売を手掛けるコクヨ株式会社(大阪府大阪市)は、ベトナムで企画開発した学生に人気の商品をはじめとするコクヨ文具に出会える場として、ポップアップショップを8月8日(金...

フエ:外国人カップルが公園で指輪紛失、市民数百人が捜索に協力 (4:02)

 北中部地方フエ市で30日午後、ニュージーランド人の観光客カップルが10億VND(約575万円)相当のダイヤモンドの指輪を落とすという不運に見舞われ、気の毒に思った数百人の市民らが、カップルのために深夜まで指...

メドメインとSMC、ベトナムでのAI病理診断支援展開で提携 (3:00)

 医療ソフトウェア・クラウドサービスの企画・開発・運営・販売を手掛けるメドメイン株式会社(福岡県福岡市)と、日本の医療技術の海外展開支援や医療ツーリズムサービスを手掛ける株式会社SMC(北海道札幌市)メデ...

7月の製造業景況感PMI、4か月ぶり50超え (2:44)

 米国のS&Pグローバル(S&P Global)が発表した2025年7月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は52.4となり、前月の48.9から+3.5上昇した。  PMIは、50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る状態が続くと...

芸能人が人民公安の消防隊任務を体験、リアリティ番組が話題に (2日)

 人民公安の消防隊を題材にしたリアリティ番組「チエンシー・クアカム(Chien Si Qua Cam=『勇敢な戦士』の意)」が、7月27日の放送開始から大きな反響を呼んでいる。  同番組は毎週日曜日の20時からベトナム...

ホーチミン:「カニ味噌」バインミーがブームに (2日)

 ホーチミン市で、鮮やかな色合いと独特の風味、手頃な価格が特徴の「カニ味噌ソース」のバインミーが話題を集め、店には長蛇の列ができている。  このところ、ホーチミン市ビンドン(Binh Dong)街区(旧8区)...

25年夏の人気海外旅行先、ベトナム3都市がランク入り (2日)

 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」は、日本のお盆休み期間(2025年8月13日~17日)を対象に、日本人旅行者がブッキング・ドットコムのサイト内でフライトを検索したデータを元...

トランプ氏が関税措置の大統領令に署名、ベトナム20% 日本15% (1日)

 米国のドナルド・トランプ大統領は現地時間7月31日、相互関税に関する大統領令に署名した。輸入品に対する関税率は10~41%に設定され、このうちベトナムは20%の税率が適用された。  ベトナムのほか、◇バ...

ベトナム外務省、伊万里強盗殺人事件の被害者に哀悼の意 (1日)

 ベトナム外務省のファム・トゥー・ハン報道官は31日に開かれた定例記者会見で、26日に佐賀県伊万里市で発生したベトナム人技能実習生による強盗殺人事件について言及し、被害者への哀悼の意を示すとともに、日...

V-GREENとGSM、フィリピンのマニラ電力とEVインフラ開発で提携 (1日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)製の電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved