ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

フォー発祥の地ナムディンの味を守って60年、ホーチミンの「フォーザウ」

2019/08/17 05:43 JST配信
(C) news.zing.vn
(C) news.zing.vn 写真の拡大.

 ホーチミン市3区ナムキーコイギア通り288番地(288 Nam Ky Khoi Nghia, quan 3, TP. Ho Chi Minh)の路地は朝5時からフォーの香りに満ちる。創業60年の「フォーザウ(Pho Dau)」の店主は紅河デルタ地方ナムディン省出身で、同店では元祖北部のフォーを味わうことができる。1945年に女店主ホアンさんの父方の祖父母がフォーの発祥の地とされるナムディン省から旧サイゴン(現在のホーチミン市)へ移住し、フォー店を始めた。

 常連客らが揃って絶賛するのが牛骨から取ったスープ。「北部のフォーのスープは澄んでいて、味もさっぱりとしていなきゃ。こってりはダメ」とホアンさん。常連客にはフォーとは別にこのスープを追加で注文する人もいるという。そして同店の麺は通常より細めながらモッチリとしている。

 同店のもう一つの特徴は付け合わせに香草やモヤシを提供しないところ。薄切り玉ねぎが盛られた小皿にチリソースや味噌だれをほんの少しだけ加えて、フォーの丼から牛肉を取り出して付けながらいただく。スープは「味変」させないのがフォーザウ流だ。

 営業時間は早朝から昼12時までだが、人気メニューは早々に売り切れとなる。店内から路地まで席が埋まる人気店だが、客は静かにフォーの味を楽しみ、従業員は黙々と働き、喧騒とはかけ離れた静かで穏やかな空気が漂う。

 調理も給仕もみな親族で回していて、身内でやってこそ伝統の味を守れると話すホアンさんは、外部の人に任せて営業を拡大するつもりはないそうだ。

【関連記事】

ナムディン省のフォーとミークアン、国家無形文化遺産に登録 (2024/08/14)
ハノイの名店「フォーティン」40年ぶりに新メニュー発売 (2019/08/05)
世界45か国でフォーを食べ歩く28歳のベトナム人英語教師 (2017/12/10)
配膳オートメーション化のフォー屋が話題、イエンバイ省 (2017/09/09)
カイシルク、フォーレストランのフランチャイズチェーン展開へ (2017/03/02)
ハノイ:地元で大人気のストリートフード20選~バーディン区・ドンダー区編~ (2015/02/14)
90歳のフォー屋店主、サイゴンでハノイの味を守って67年 (2014/11/23)
フォー24が誕生するまで――設立者の試行錯誤 (2011/02/02)

[zing 06:01 05/08/2019, T].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ホーチミン:メトロ1号線沿いの不動産価格、3倍に上昇 (16:27)

 不動産仲介大手CBリチャードエリス(CBRE)ベトナムの調査結果によると、ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)沿いの不動産価格は、1号線の開通で急騰し、大半の不動産プロジェクト...

ベトナムと南ア、協力関係を戦略的パートナーシップに格上げ (15:16)

 ファム・ミン・チン首相は訪問先の南アフリカで21日、同国のシリル・ラマポーザ大統領と会見した。両首脳はこの席で、両国関係を戦略的パートナーシップへ格上げすることで一致した。  両国は、経済・貿易...

サンドイッチ専門チェーン「バインミーオイ」、公式SNSで閉店発表 (14:51)

 地場サンドイッチ専門店チェーン「バインミーオイ(Banh My Oi)」が20日、公式ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で、「すべての旅路には終わりがある」と投稿し、閉店の意向を明らかにした。突然の閉...

ホーチミンの市場とともに生きる:バンコー市場 (23日)

 ホーチミン市のめまぐるしく変わりゆく街並みの中で、バンコー市場(cho Ban Co)は、記憶の断片のようにひっそりと存在している。商人たちは日々、市場で商売を続けている。まるで、1束の野菜が、1kgの玉ネギが...

タイのコーヒーチェーン最大手「アマゾン」、ベトナムから正式撤退 (13:53)

 タイのコーヒーチェーン最大手「カフェ・アマゾン(Cafe Amazon)」が、約5年の事業展開を経てベトナム市場から正式に撤退した。ホーチミン市内の店舗はすでに閉店され、公式SNSでも事業終了が案内されている。 ...

グラブ、13〜17歳向けサービスをベトナムで試験導入 (13:51)

 シンガポール系グラブ(Grab)の現地法人グラブベトナム(Grab Vietnam)は20日、「ファミリーアカウント」を対象に13〜17歳のティーン利用者向けサービスを試験的に導入すると発表した。ベトナムはタイ、マ...

韓国現代HT、フート省に海外初の工場を設立 26年稼働開始 (13:38)

 スマートホーム向けネットワーク機器などを提供する現代HT(Hyundai HT)は、北部地方フート省(旧ビンフック省)にあるビンスエン工業団地に、生産拠点の現代HTグローバル(Hyundai HT Global)を設立する。同社が海...

チン首相、仏・独・エジプトの首脳らと会見 関係強化で合意 (6:54)

 11月22日から23日にかけて南アフリカのヨハネスブルグでG20サミット(20か国・地域首脳会議)が開催された。同会議に招待され、同国を訪問したファム・ミン・チン首相は滞在中、フランス、ドイツ、エジプトの首脳...

ベトナムの豪雨・洪水被害、各国が緊急支援を表明 (6:01)

 中部を中心に深刻な豪雨・洪水被害が発生しているベトナムを援助すべく、複数の国と国際機関が支援を発表した。  韓国は緊急人道支援として100万USD(約1億5700万円)を拠出すると発表した。今回の支援は、避...

ビンファスト、小型EV「VF 3」を値上げ 装備もアップグレード (5:42)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)は、小型電気自動車(EV)「VF 3」の販売価格を2億9900万VND(約178万円)から3億0200万VND(

7~9月の国内スマホ市場、サムスンが首位維持 アップルが3位転落 (5:24)

 英国の市場調査会社オムディア(Omdia)が先般発表した2025年7~9月のベトナム国内のスマートフォン市場に関する統計によると、韓国サムスン(Samsung)がシェア29%で首位を維持した。  一方、中国シャオミ(Xi...

ホーチミン:通貨の歴史をたどる展覧会、26年4月末まで開催中 (4:14)

 ベトナム国家銀行(中央銀行)第2地区支店(8 Vo Van Kiet, phuong Sai Gon, TP. Ho ChiMinh)は、1875年以降のベトナム通貨の歴史をたどる展覧会を開催している。展覧会は11月22日から2026年4月末までの毎週末に、...

エアプサン、釜山~ハノイ線を年末に運航再開 コロナ禍で運航停止 (3:07)

 韓国の格安航空会社(LCC)エアプサン(Air Busan)は、釜山~ハノイ線を約6年ぶりに運航再開すると発表した。2025年12月31日から2026年3月1日まで、週4便(水・木・土・日)の不定期便として運航する。  機材は...

アテックと地場VTI、戦略的パートナーシップ締結 自動車産業革新 (2:58)

 制御ソフトウェア開発・機械設計・電子設計・電気設計・通信およびネットワーク構築などを手掛ける株式会社アテック(愛知県名古屋市)と、ITサービスを中心に事業を展開する地場VTIグループ(ハノイ市)は10月24日...

中部の豪雨・土砂崩れ、死者・行方不明者が102人に増加 (24日)

 農業環境省の23日午後6時付の速報によると、中部地域の豪雨と土砂崩れによる死者・行方不明者数は102人となっている。被害額は13兆VND(約774億円)超と見込まれており、現在も多くの家屋が浸水し、各地の道路が...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved