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ハノイ市で2016年に発生した男女間のトラブルによる冤罪でっち上げ事件で、同市ナムトゥーリエム区人民裁判所は8日、主犯格であるグエン・ティ・バン被告(女・38歳)に禁固6年6か月、バン被告に手を貸した元警察官のグエン・ティ・ブン被告(女・42歳)に禁固7年の判決をそれぞれ下した。
被告2人はいずれも「麻薬違法所持罪」および「誹謗中傷罪」に問われていた。 この事件はバン被告が恋人のN・V・Tさん(男性・45歳)に濡れ衣を着させる目的でTさんの車の中に麻薬を置いたというもの。ブン被告は麻薬の調達や麻薬所持の摘発に当たる警察官の手配などで事件に加担した。
バン被告とTさんは、入籍はせず同棲していたが、財産をめぐって紛争が続いていた。バン被告は、知人で公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)の上尉を務めていたブン被告に悩みを語った。一方のブン被告は、Tさんの車に麻薬を置けば違法所持でTさんを逮捕できると答え、10億VND(約470万円)の報酬でTさんの逮捕を引き受けた。
バン被告は2016年10月28日にブン被告が手配した人物から7gの麻薬を受け取りTさんの車の中に置いた。Tさんは同日、市内で車を運転していたところ、ブン被告が手配した警察官に停車を求められ車の中を検査された。警察は車から麻薬を発見したが、Tさんと麻薬とのつながりを証明することができなかったため、同年11月4日にTさんを釈放した。
Tさんは釈放後、バン被告とブン被告の2人の通話やメッセージの履歴を収集するなどして秘密裏に調べを進め、捜査当局に証拠を提出。この証拠から女2人が御用となった。
ブン被告は裁判で罪状を認めなかったが、裁判所は同被告が警察官として実績を残している点を考慮し、検察側の求刑より軽い刑とした。バン被告については、主犯格だったものの、捜査機関に協力し罪状を素直に認めた点を考慮し情状酌量の余地があるとしてブン被告より軽い刑とした。
ブン被告は既に党から除名され、上尉の軍籍を剥奪されている。