ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

原因不明で顔が肥大した男性、10時間の手術で余剰皮膚を切除

2020/08/20 05:30 JST配信
(C) Vnexpress
(C) Vnexpress 写真の拡大.

 15年もの間、口と鼻の周りが肥大する症状に悩まされ普通の生活もままならなかった男性の余剰皮膚の切除が行われた。

 南部メコンデルタ地方アンザン省出身のレ・バン・メンさん(35歳)は、20歳の頃に右の小鼻が突然腫れた。腫れた箇所は次第に大きくなり、顔の下半分が垂れ下がるようになり、下瞼も引っ張られることで目は充血した状態だった。口が閉じられないため食べ物や飲み物を口にする時も常にタオルで拭わなくてはならず、横になると呼吸ができなくなるため、何年も座ったまま眠る日々が続いていた。

 メンさんは過去に病院を何軒も受診したが治すことはできず、人目が気になり外出も控えるようになったという。ところが5月下旬に支援者の紹介でホーチミン市にあるJW韓国美容整形病院(JW Korean Plastic Hospital)のグエン・ファン・トゥー・ズン院長の元を訪れた。

 ズン院長は国内外の専門家とオンラインで症状や治療方法を相談し、メンさんは一般的なスクリーニング検査のほか、がん検査、筋電図(EMG)検査、脳のMRI検査、頭蓋のレントゲン検査、血管造影、抗核抗体(ANA)検査、3D-CT検査を受けた。

 検査の結果、肥大箇所に腫瘍は検出されず、脳の損傷も認められなかった。しかし顔の軟組織が炎症を起こして腫れ上がり、顔面神経が機能不全となり完全に麻痺していることが分かった。顔と口腔粘膜の生検サンプルが国内外の検査機関へ送られたが、顔面肥大の原因を追及することはできなかった。

 しかし、垂れ下がった顔を支えるフェイスリフトと抗炎症薬を組み合わせた治療を試したところ、26cmあった顔のたるみが1週間後には24cmに縮小したのだ。より強い薬で治療を続けると、3週間後には22cmまでに縮小し、炎症組織の厚さも薄くなり、メンさんも顔が軽くなったことを実感できるまでになった。

 そして8月15日、余剰皮膚を切除するため10時間にわたる大手術が行われた。顔には血管が集中していることもあり、皮膚の切除には慎重を要した。また、執刀したズン院長によると、余剰皮膚は固く変質しており、何度もメスを交換しなければならなかったという。

 今回の手術では余剰皮膚の40%を切除し、首と唇、口腔の形成を行った。同時に、原因究明と再発防止のため20の生検サンプルが採取され、国内外の検査機関へ送られた。

 メンさんの術後の容態は安定しており、ベッドで体を起こすこともできるという。顔にはまだ包帯を巻いてはいるが、余剰皮膚が切除されたことで下の歯が見えるまでにたるみが縮小した。4~5回の手術で通常の状態に近い顔面にできる見通しで、6~8週間後に2回目の手術が予定されている。

[Vnexpress 13:21 16/8/2020, 00:03 15/8/2020,T].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
シンガポールの市場調査会社、ベトナムオフィス開設 (13:22)

 海外市場調査や海外事業伴走支援などを手掛けるシンガポールのグローバルアングル(GLOBAL ANGLE)は、ハノイ市に新たなオフィスを開設した。  新オフィスの開設は、クライアントやパートナーにきめ細やかな...

ベトナム、貿易規模で世界トップ15入り 輸出入額が過去最高に (6:35)

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高を更新した。これにより、ベトナムは貿易規模で世界トップ15に入り、東南アジア地域では第2位となった。こ...

ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道が着工、越中連運を強化 (6:02)

 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を開催した。東西経済回廊の輸送需要に対応するとともに、ベトナムと中国を結ぶ国際連運の強化につながると期...

ホーチミンの路上のライター修理店、愛好家の駆け込み寺 (21日)

 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロン街区グエンチーフオン通りを訪れた。男性は、ファム・バン・コーさん(男性・72歳)の店である、古びて傾...

ホーチミン:メトロ1号線、26年1月1日に無料運行 (5:24)

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社(HURC1)はこのほど、新暦正月の2026年1月1日(木)にメトロ1号線を無料運行すると発表した。  当日は改...

ベトナムの軍事力は世界23位、東南アジア2位 (5:03)

 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事力ランキング「2025 Military Strength Ranking」によると、ベトナムは145か国・地域中23位となった。 ...

チン首相、ペトロベトナム会長フン氏を商工相代行に任命 (4:32)

 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を商工相代行に任命した。  商工相代行に任命されたフン氏は、1973年生まれの52歳で、出身は北部紅河デル...

イーレックス、ベトナム2省でバイオマス発電所の起工式開催 (4:14)

 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北部地方ラオカイ省(旧イエンバイ省)のイエンバイバイオマス発電所および東北部地方トゥエンクアン省のトゥ...

日越の団体、ドローン・次世代移動体産業の発展で覚書締結 (3:39)

 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低空経済パートナーシップ(Vietnam Low Altitude Economy Partnership=LAEP)との間で、ドローン(無人航空機...

電子機器のコーセル、ベトナム子会社を解散・清算へ (2:37)

 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結子会社)で電子部品の製造・販売を行うコーセル・ベトナム(COSEL VIETNAM、ホーチミン市)を解散・清算する。...

サンG、フーコック島で国内初の軽量軌道交通路線を着工 (22日)

 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)で着工した。同事業は2027年にフーコック島で開催予定のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に対応する...

IQが高い国、ベトナムは世界27位 中国や台湾が同率1位 日本5位 (22日)

 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した知能指数(IQ)に関する報告書(Countries by IQ - Average IQ by Country 2025)によると、ベトナ

ホーチミン:タクシーの7割以上が電動化、インフラ整備も加速 (22日)

 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で、全体の71%を占めている。旅客輸送分野におけるグリーン車両への転換が急速に進んでいる。  同市建...

未就学児向け日本語・中国語・韓国語教育を試験導入へ (22日)

 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」を承認する決定第2732号/QD-TTgに署名した。  同計画によると、2025~2030年にASEAN諸国の言語教育プ...

ホーチミン市国家大学、初の女性学長が誕生 富山大で博士号取得 (22日)

 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・タイン・マイ教授がこのほど学長に昇進した。同大学では初の女性学長となる。  マイ女史は1974年生まれ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved