ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

配車アプリのドライバーに社会保障を、労働総連が提案

2022/05/09 15:49 JST配信
(C) vneconomy
(C) vneconomy 写真の拡大.

 ベトナム労働組合総連盟は、配車アプリの運転手に対する社会保障の拡充や就労条件の改善について、労働傷病兵社会省に提言した。同連盟と健康コンサルテーション・コミュニティ開発センター(CHD)が実施した、配車グラブ(Grab)の運転手に対する実態調査をもとにまとめられたもの。

 同連盟によると、現在全国には、アプリを使ったバイク・自動車の配車による旅客輸送やフードデリバリー、宅配に従事する運転手が約20万人いる。うち約半数がハノイ市ホーチミン市で活動し、その大半が地方出身者であり、女性が占める割合は5%。

 2021年末に実施された本調査によると、運転手の出自はセオム(xe om=バイクタクシー)からの乗り換え組、フリーランス、大学生、工場労働者、小商いなど多様で、最終学歴が中学校以下が25%、短大以上が26%などとなっている。

 運転手の3分の2は家庭を持ち、60%は2人以上を養うために働いている。しかしながら稼ぎは低く、各種費用やガソリン代を抜いた収入は、バイクの運転手で1日31万8000VND(約1800円)、1か月700万VND(約3万9800円)、自動車の運転手で1日56万4000VND(約3200円)、1か月1200万VND(約6万8200円)。配車サービス会社からボーナスや手当、各種支援が出ることもあるが、不定期であり、金額も低い。

 収入が高くない一方で、運転手は全般的に非常にストレスフルに働いている。1日あたりの就労時間はバイクで9.2時間、自動車で11.2時間、祝日も含め休日はほとんどなく、素早く、時間通りの配達を求められるなどプレッシャーも大きい。天候の影響を受ける屋外、路上での仕事であり、接触や交通事故などのトラブルが身近に存在するほか、利用客の圧力や宅配物の破損・紛失、セクハラといった問題もある。

 調査では、配車アプリの運転手の大半が社会保険や健康保険に関心がなく、この傾向が若い運転手であるほど顕著であることも分かった。社会保障制度について聞いたことがある人は42%しかなく、67%は社会保障制度がどのような仕組みであるのか知らなかった。任意の社会保険について聞いたことがある人は66%、任意の医療保険について聞いたことがある人は89%だった。

 同連盟は提言のなかで、配車アプリの運転手がデジタル機器を日常的に使用し、利用方法にも明るいことから、アプリなどを利用して社会保険等に加入させる仕組みを整えることなどを提案している。

[VnEconomy 14:40 05/05/2022, F].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
国会、企業法の一部を改正・補足する法律を可決 (17:58)

 国会は17日、企業法の一部を改正・補足する法律を賛成多数で可決した。同法は7月1日に施行される。  これにより、一部条項を改正・補足する形で、企業法を具体化・明確化する。  同法律によると、企業...

PVテクニカル・サービス、洋上風力発電の基礎33基の輸出完了 (17:07)

 ペトロベトナムグループ(Petrovietnam)傘下のペトロベトナム・テクニカル・サービス[PVS](PTSC)は、洋上風力発電の基礎構造物33基の海外への輸出を完了し、16日に東南部地方バリア

東南アジア大手500社、ベトナムの12社がトップ100入り (14:44)

 米経済誌フォーチュン(Fortune)は、東南アジアの大手企業500社のランキング「フォーチュン・東南アジア500(Fortune Southeast Asia 500)」2025年版を発表した。この中で、ベトナムから76社がランクインした。 ...

世界のベトナム人街を訪ねて【プラハ編・後編】 (15日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

ダナン:国内初の自由貿易区が誕生、総面積1881ha (6:46)

 6月13日付け首相決定第1142号/QD-TTgにより、ベトナム初の自由貿易区(FTZ)が南中部沿岸地方ダナン市で正式に設立された。総面積1881haで、リエンチエウ区とホアバン郡の計7区画から成る。  FTZ内には、生産...

ホーチミン:メトロ1号線、運行開始6か月で1000万人利用 (6:15)

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社(HURC1)によると、国内初の地下鉄として2024年12月22日に運行を開始したメトロ1号線は、運行開始から約6か...

国会、VAT税率引き下げ措置延長の決議採択 26年末まで (5:56)

 国会は17日、企業の生産活動および国民の消費需要を刺激すべく、付加価値税(VAT)税率が10.0%となっている商品・サービスに対するVAT税率を▲2.0%pt引き下げて8.0%とする決議を採択した。  新決議によるVA...

ベトナム航空、中東情勢緊迫化で飛行ルート調整 (5:32)

 イスラエルとイランの対立で中東情勢が緊迫化していることを背景に、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は、ベトナム~欧州間の路線について飛行ルートを調整したと発表した。

ベトジェットエア、ロールス・ロイス製エンジン40基を追加発注 (4:30)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は16日、英ロールス・ロイス(Rolls-Royce)との間で、ワイドボディ機のエアバスA330neo型機向けエンジン「トレント7000(

ホーチミン市環状4号線、ベカメックスのJVが一部区間の投資主に (3:15)

 東南部地方ビンズオン省人民委員会は、ホーチミン市環状4号線の一部となるトゥービエン橋~サイゴン川区間建設案件(第1期)の投資主の選定結果を承認した。同案件は官民パートナーシップ(PPP)方式によるBOT(建設...

ベトジェットエア、運賃0VNDキャンペーン中 6月22日まで (2:14)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、6月22日(日)23時00分まで、全てのベトナム国内線と国際線を対象に運賃が0VND(税など含まず)からとなるキャンペーン

越米の第3回相互関税交渉が終了、建設的な進展を確認 (17日)

 ベトナム商工省は、ベトナムと米国が米ワシントンD.C.で9日から12日まで実施していた相互関税の二国間協定に関する第3回交渉を終了したと発表した。  今回の交渉は、全体として建設的かつ前向きに進展し、...

広告法の一部改正・補足など法律3本可決、広告の取り締まり強化 (17日)

 国会は16日、◇広告法の一部を改正・補足する法律、◇改正雇用法、◇教師法の3本の法律を賛成多数で可決した。いずれも2026年1月1日に施行される。 <広告法の一部を改正・補足する法律>  広告法の一部を...

国防省、全国のドローン飛行禁止・制限エリアを公表 (17日)

 国防省は15日、全国の空域におけるドローンなどの無人航空機およびその他の無人機の飛行禁止エリアと飛行制限エリアを公表した。  飛行禁止・制限エリアの詳細は、専用ウェブサイト<https://ca

国会、改正法人税法を可決 10月1日施行 (17日)

 国会は14日、改正法人税法を賛成多数で可決した。同法は2025年10月1日に施行される。  今回の改正では、企業が複数の異なる優遇措置の対象となる場合、「最も有利な優遇措置」を適用することを原則とする規...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved