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- 考古学者・人類学者、音楽家としても活躍
- ベトナムの古人類学の基礎築く
- ベトナム版ギネスブックに認定も
ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cuong)氏が6日、ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)医科薬科大学附属病院で死去した。84歳だった。胃がんを患い、闘病生活を送っていたという。
クオン氏は生前、ベトナムの考古学研究や音楽の分野で大きな功績を残した。特に科学分野では、ベトナムの古人類学の基礎を築いたとされる。ベトナムにおける人類の起源の研究に生涯を捧げ、古代人の人骨の復元と研究に関する一連の国家プロジェクトの責任者も務めた。
クオン氏は、辞書編纂者・作家で「人民教師」の称号を授与された故グエン・ラン氏の息子で、きょうだいも生物学者、農学者、音楽家と様々な分野の著名人だ。
ハノイ総合大学で生物学を学び、ドイツやソ連でも学んだ後、1994年に、博士候補(準博士、ソ連・ロシアの学位で欧米の博士号に相当)を取得。2002年に准教授となった。2003年から定年退職した2007年まで、ベトナム考古学研究所の上級研究員を務めた。
また、ベトナム版ギネスブックのベトナム・ブック・オブ・レコード(ベトキングス=Vietkings)から、「ベトナムで最多の1093体の古代人の骨を研究した人物」として認定された。
さらに、音楽家としても活躍し、合唱団の指揮者も務めたほか、70曲以上の音楽作品を残した。これらの功績により、クオン氏はベトナム音楽協会や国連児童基金(ユニセフ=UNICEF)、国家交通安全委員会、海軍司令部などから音楽賞を計18賞受賞した。