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- まずはダナン市の診療所で試験展開
- 国内では年間20万人が心疾患で死亡
- 心肺蘇生法の知識がある人は僅か8.7%
公共の場に自動体外式除細動器(AED)を設置するベトナム初の取り組みが始まった。心停止後の初動対応力を高め、救命率を向上させることが目的だ。ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)がハノイ医科大学病院と協力して同事業を展開する。
FPTと同大学は19日、同事業に関する事業提携契約を締結した。資金はFPTが拠出し、試験段階では南中部地方ダナン市の街区・村の診療所にAEDを設置する。
AEDは心停止時に自動で心電図を解析し、必要に応じて電気ショックを与える小型の医療機器で、心停止から3分以内に使用した場合、生存率が74%に達するとされる。
なお、ベトナムでは年間20万人が心疾患で死亡しており、これは全国の年間死者数の3分の1に相当する。心肺蘇生法(CPR)に関する知識があるベトナム人の割合は8.7%と非常に低く、英国(70%)、シンガポール(56.2%)、タイ(40.4%)を大きく下回っている。こうした中、AEDの普及による救命率の向上が期待されている。