ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

市場よりスーパーでの買い物が高くつく理由(2)

2004/08/22 05:40 JST配信

市場よりスーパーでの買い物が高くつく理由(1)より続く

--- スーパーの棚は高く遠く---

 現在スーパー店内に商品を陳列しているある企業によると、スーパーの陳列棚の賃貸料は高額になっており通路沿いの棚になると1平米で1ヶ月1000万ドン(約7万円)近くにもなると言うが、それに販売コミッションを必要となり、現実は資金力のある外資企業ぐらいしかお客の目を引く通路に面した棚に陳列できない状況だと言う。

 水産加工Cholimex社のDip Nam Hai氏によるとスーパーが企業にもたらす有益は実はそんなにも多くはないという。それはスーパーは買い物客から現金で支払いを受けているいるが企業への支払いは1ヶ月以上先に行われ、さらに企業にはお客の購買意欲を誘う販売プロモーションを次から次へと要請してくるからだという。

 これに対しあるスーパーの担当者は、支払いが先になるのは当然のことで、スーパーでは商品の搬入手続きに多大な書類を提出しなければならず故意に支払いを遅らせているわけではないと話す。またスーパーが搬入業者を選定するのも当然でスーパーの経営上効果的な商品を選んでお客様に提供するのは普通のことであるし、その他にもスーパーは自社のブランド力を高めるために多額の支出も必要であると語った。

 また、サイゴンコープのNguyen Ngoc Hoa社長によると、スーパー1店舗で平均数万点の商品を取扱っており毎週数百の新商品を受け入れているため、スーパーでは新商品を導入したら“一入一出”で売れ行きの悪い商品を1点を商品リストから外している。入れれば入れるほど儲かるというものではないと説明する。

 我々の調査ではスーパーの経営方法は市場(いちば)のそれと基本的に大きく異なっておらず、スーパーの経営者は誰もが仲介人で高い手数料を取って売ってやっているという感が否めない。

--- 市場より20%も高いスーパーの値段、発展の鍵は?---

 1つの商品について各スーパーの値段はほぼ似たり寄ったりである。小売スーパーになるとお互い偵察しあい値段を設定しているためどこのスーパーも価格に大きな差はない。唯一メトロスーパー(Metro Cash & Carry)が仕入先は他のスーパーと同じだが卸し向けに大量販売を行っているため他のスーパーより10~20%ほど安くなっている。

 スーパーでの買い物経験が豊富なNgaさんによると、スーパーの一部の商品は市場や個人商店とほとんど値段の差がないものもあり、時々客寄せのために数百ドン安いこともあるが、飴類、ミルク、清涼飲料、生鮮商品、青果、衣類などのスーパーで売られているほとんどの商品は市場、個人商店より0.5%~20%も高く売られているという。

 ベトナムに最初にスーパーマーケットが登場したのが1994年。それから10年後の現在、スーパーは全国に70店以上ありその中の46店がホーチミン市に集中している。経済専門家によると現在のような国家の発展状況からみるとベトナムの経済成長は依然として高いとは言えないが、スーパーはこれから徐々に世界の多くの国のように伝統的な市場の代わる役割を果たしてゆくだろうと述べた。

 しかしながらスーパーがこれからも買い物客を集めつづけ、小売シェアーを握るには各スーパーはよりいっそうの品質の保持と価格設定を見直さなければならないだろう。現在のスーパーは一部の富裕層に対しては少々の値段が高いのは受け入れられてはいるが、値段に一番敏感な低所得者層には値段が高いため受け入れられてはいない。これからベトナムのスーパーが発展してゆく上において大多数の低・中所得者層にどれだけ受け入れられるかが鍵になるであろう。<終>

***** スーパーVs.市場、価格比較表*****

[Vientam Net].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
世界のベトナム人街を訪ねて【ベルリン編・前編】 (10:30)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

ベトナム人ラッパーがNFTで音楽アルバムを発売、国内初 (5日)

 ベトナム人ラッパーのPjpoは6月3日、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスの「ダゴラ(Dagora)」と協力し、NFT形式で音楽アルバム「131km」をリリースした。  NFTでの音楽アルバム発売はベトナムで初め...

ダナン:ヘリコプター遊覧ツアーを3年ぶり再開 (5日)

 南中部地方ダナン市で2日、ヘリコプター遊覧ツアーが正式に再開された。  国防省ベトナムヘリコプター総公社(VNH)傘下の北部ヘリコプター(VNH North)が運航するもので、景観鑑賞と最新の航空技術体験を融合...

北部最大のテーマパーク「ビンワンダーズ・ブーイエン」が開業 (5日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)は1日、北部紅河デルタ地方ハイフォン市ブーイエン島(dao Vu Yen)に北部最大規模となるテーマパーク「ビンワンダーズ

小型EVタクシー「レッツゴー」、開業1年で500万人輸送 (4日)

 小型電気自動車(EV)タクシーに特化した「レッツゴー・タクシー(Let’s Go Taxi)」は、2024年5月にサービスを開始してから1年間で約500万人を輸送し、走行距離は1500万kmに達した。  レッツゴー・タク...

テトラパック、ホーチミンで食品用紙容器工場の第2期を落成 (4日)

 食品用紙容器の開発・製造を手掛けるスウェーデンのテトラパック(Tetra Pak)は3日、ホーチミン市ビンタン街区(phuong Vinh Tan)の第2ベトナム・シンガポールA工業団地(VSIP2-A)工業団地にある食品用・飲料用紙...

サングループ、ホーチミンで社会・都市交通インフラ整備を提案 (4日)

 観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sun Group)はこのほど、ホーチミン市人民委員会に対して、社会インフラおよび都市交通インフラに関する複数の大型プロジェクトの投資を提案した。これらの案件は官民パー...

地場NCS、AI活用のサイバーセキュリティエコシステムを発表 (4日)

 ベトナム国家サイバーセキュリティテクノロジー(Vietnam National Cyber Security Technology Corporation=NCS)は2日、企業や組織のセキュリティ対策を強化するための人工知能(AI)を活用したサイバーセキュリ...

クアンニン省:年末まで毎週末に打ち上げ花火を実施 (4日)

 東北部地方クアンニン省人民委員会は、同省文化スポーツ観光局の提案を受け、2025年7月4日から2026年1月1日までの毎週末(金・土)に、打ち上げ花火を実施することを決定した。地元住民や観光客向けのイベントと...

FPT、AIエージェント教育プログラムを導入 インド企業と提携 (4日)

 ベトナムを代表するIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は1日、インドの情報技術(IT)教育組織ジェットキング(Jetking)との間で、人工知能(AI)エージェント教育プログラムの

AI関連の地場スタートアップ「AI Hay」、1000万USD調達 (4日)

 人工知能(AI)を活用した検索プラットフォームを開発する地場スタートアップのAIハイ(AI Hay)はこのほど、東南アジアを中心にテクノロジー分野のスタートアップ企業に投資するアルゴー・キャピタル(Argor Capita...

6月のベトジョー記事アクセス数ランキング (4日)

 VIETJOベトナムニュースが6月に配信した記事のアクセス数ランキングをご紹介します。 1位:個人事業主への電子請求書義務化、店舗が敬遠で現金決済に逆戻り

6月のベトジョー記事10選:省・市再編の決議採択、国会閉幕など (4日)

 6月は、第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議が閉幕しました。今国会では、34本の法律を可決し、14本の決議を採択しました。  国会では、全国63省・市の行政区を大幅に削減して34省・市とする行政区再...

クアンガイ省:ズンクアット経済区で新都市区開発、投資方針承認 (4日)

 チャン・ホン・ハー副首相はこのほど、南中部地方クアンガイ省ズンクアット経済区内でのズンクアット東南新都市区北側・南側の2件の開発案件の投資方針を承認する決定に署名した。  ズンクアット東南新都市...

ベトナム航空、ダナン~大阪線を約5年ぶり運航再開 (4日)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は3日、2020年以来約5年ぶりにダナン~大阪線(VN336/VN337)の運航を再開した。同路線は週4便の運航となる。  ベトナム航空は同

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved