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両腕がなくても両足がある、夢を追い大学生になった青年

2020/11/15 05:25 JST配信
(C) vnexpress
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 「幼稚園で先生から『Chim Bay Co Bay(鳥が飛ぶ、トキコウが飛ぶ)』の歌を教わり、家に帰ると息子は踊りながら私に披露してくれました。身を乗り出して踊りながら高くジャンプしたので転んでしまい、私は思わず笑いましたが、同時に涙がこぼれました」と母親のホップさんは教えてくれた。

 ハインさんが文字を書いたり絵を描いたりすることが好きだとわかり、父親はハインさんに足を使って書くことを教え始めた。しかし、父親がどれだけ頑張っても、ハインさんに足でうまく文字を書かせることはできなかった。

 「当時、父は僕の足をきつく握って操り、父の思う通りに文字を書かせようとしていると感じていました」とハインさん。数回の練習の後、父親はハインさんが自分の足でペンを持って文字を書けるようにすることを諦めた。そして、小学校に入る前は誰もハインさんが足の指を操ってペンを持ち、美しい文字が書けるようになるとは考えもしなかった。

 小学校に入学する際、母親はハインさんを連れて近所の小学校に行ったが、入学を拒否された。校長は、今までハインさんのような生徒を受け入れたことがないため、障害児向けの学校に入れるよう母親に勧めた。

 その時、ハインさんは校長の前で大声で泣いて騒いだが、それでも校長は首を縦には振らなかった。学校に行きたるハインさんのため、ホップさんはもう1度小学校に出向いてお願いし、ようやく同意を得ることができた。ただし、「試しに1年間通ってみてから、その後について検討する」という条件付きだった。

 1年目の年度終わりにハインさんは見事優秀な成績を修め、誰もが驚いた。「我が子の表彰状を手にして、夢を見ているのではないかと思いました」とホップさんは当時を思い出す。

 小学校に入学する前は家で過ごすしかなかったハインさんには、いろいろな遊びのバリエーションがあった。ある時は首でハンドルを挟み、目線を上にあげて周囲を観察してからペダルを踏むという方法で、両親の目を盗んでこっそりと自転車に乗る練習をした。またある時は、泳ぐ練習をするために池に飛び込み、危うく溺れそうになったところを近所の人に助けてもらった。

 4年生になっても、ハインさんはシャワーを浴びた後の着替えに母親の助けが必要だった。腕を使わないと、ズボンを上まで引き上げることができないからだ。しかしある時、シャワー室で腰の高さくらいの位置にある釘の存在に気付いた。ズボンに足を通してからその釘にズボンを引っ掛けてみたところ、自分1人でズボンを履くことに成功した。それ以来、ハインさんは生活において必要なことは全て自分でできるようになった。

 また、10歳になると両親の手伝いもするようになった。そして知人からもらったパソコンをよくいじっていたハインさんは、その頃からITエンジニアになるという夢を持つようになった。

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