ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ベトナム国立音楽院史上初、ピアノ科に合格した盲目のピアニスト

2023/12/03 10:31 JST配信
(C) VnExpress
(C) VnExpress 写真の拡大

 北部紅河デルタ地方ハイフォン市出身のブイ・クアン・カインさん(男性・16歳)は、ハノイ市にあるベトナム国立音楽院の60年余りの歴史の中で、ピアノ科に合格した初めての視覚障がい者だ。

 カインさんはこれまでにいくつもの国際的な賞を受賞しており、1980年にショパン国際ピアノコンクールでアジア人として初めて優勝を果たした世界的ピアニストのダン・タイ・ソン氏のように、このコンクールに挑戦する日を夢見ている。

 11月のある朝、カインさんは北部紅河デルタ地方フンイエン省のエコパークにあるエジソン高校(Edison Schools)に登校した。バスを降りると、クラスメイトの肘をそっとつかんで、学校に入っていった。

 担任の先生と座っておしゃべりをしながら、10月に中国で行われたKayserburg国際青少年ピアノコンペティションについて聞かれたカインさんは、熱く語り始めた。

 このコンペティションは2年ごとに開催され、36か国・地域から8万人以上の参加者が集まる。カインさんはここで、4位に相当する優秀賞を受賞した。カインさんは、本選に進んだ500人の中で唯一の視覚障がい者だった。

 「僕にとって、初めての国際コンクールというわけではありませんでしたが、今まで参加した中では規模が一番大きかったです。ダン・タイ・ソン氏に続けるよう、ショパン国際ピアノコンクールをはじめ、他の大きな舞台も制覇していきたいと思っています」とカインさん。

 これに先立ち、カインさんは2020年にマレーシアで開催されたアジア太平洋芸術祭で金メダルを獲得し、2022年に韓国で開催された同規模のコンクールでも金賞を受賞している。

 カインさんは、29週で生まれ、生まれたときから何も見えなかった。ある日のこと、カインさんの両親は、カインさんを連れて友人の家に遊びに行った。その家にはピアノがあり、カインさんはピアノの前に正しく座って、鍵盤の上に手を置いた。

 目が見えないため、娯楽に恵まれてこなかったカインさんは、鳴り響くピアノの音に不思議な魅力を感じた。そしてその晩ずっと、カインさんはピアノの前に座り、鍵盤を鳴らしていた。

 カインさんがピアノに興味を持っている様子を目にした両親は、ピアノを教えてくれる先生を探すことにした。それから1年近く経って、ようやく先生が見つかった。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 06:00 29/11/2023, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
中部の豪雨・土砂崩れ、死者・行方不明者が102人に増加 (16:07)

 農業環境省の23日午後6時付の速報によると、中部地域の豪雨と土砂崩れによる死者・行方不明者数は102人となっている。被害額は13兆VND(約774億円)超と見込まれており、現在も多くの家屋が浸水し、各地の道路が...

米国のベトナム人留学生数が過去最多に、出身国別で世界トップ5 (15:52)

 米国への留学生数に関する調査を実施しているIIE(米国国際教育研究所)が先般発表した最新レポート「オープン・ドアーズ2025(Open Doors 2025)」によると、ベトナム

掃除を巡って喧嘩、日本人の男を傷害罪で起訴 被害者は2日後死亡 (15:05)

 ホーチミン市人民検察院は、日本人のK・N被告(男・33歳)に対して傷害罪で起訴状を発行した。同被告は、部屋の掃除を巡って口論となった末に、同居人を殴って死亡させたとして、傷害罪に問われている。  K・...

ホーチミンの市場とともに生きる:バンコー市場 (23日)

 ホーチミン市のめまぐるしく変わりゆく街並みの中で、バンコー市場(cho Ban Co)は、記憶の断片のようにひっそりと存在している。商人たちは日々、市場で商売を続けている。まるで、1束の野菜が、1kgの玉ネギが...

働きがいのある在ベトナム企業ベスト100、ユニリーバが2年連続1位 (14:24)

 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anphabe)は19日、「働きがいのある在ベトナム企

ベトテル、UAEに駐在員事務所を開設 (14:19)

 国防省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)は19日、アラブ首長国連邦(UAE)に駐在員事務所を開設した。  UAEの駐在員事務所は、国際的なパートナーとの接点を増やし、協力・...

越韓の国会議長が会談、30年までに貿易額1500億USD目指す (13:12)

 チャン・タイン・マン国会議長は20日、ベトナムを公式訪問した韓国のウ・ウォンシク(禹元植)国会議長と会談した。  両議長はこの席で、1992年の国交樹立以来、両国関係が良好に発展していることに満足の意...

高層マンションのロビーに放置された荷物から腐乱死体発見 (13:06)

 ホーチミン市警察は、同市タインミータイ街区(旧ビンタイン区)にある高層マンションのロビーに放置された荷物から男性の腐乱死体が見つかった事件について、死体遺棄事件とみて捜査を進めており、荷物を放置し...

メルセデス・ベンツ、ベトナムで初のPHEVモデルを発売 (13:01)

 メルセデス・ベンツ・ベトナム(Mercedes-Benz Vietnam=MBV)は、同社として国内初となるプラグインハイブリッド車(PHEV)「GLE 400e 4MATIC」を正式発表した。競合モデルは、レクサス(Lexus)の「RX 500h」やボル...

ベトナムの7~9月GDP成長率でASEAN主要国トップ、タイの7倍 (6:02)

 ベトナムの国内総生産(GDP)成長率は、東南アジア主要6か国=ASEAN6(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)で最も高く、タイの約7倍となった。  ベトナムの2025年7~9月のGD...

ベトジェットエア、ハノイ~広島線を増便 12月20日から (6:01)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は12月20日より、ハノイ市と広島県を結ぶ直行便を現在の週3往復(火・木・日)から週4往復(火・木・土・日)に増便する。

2大都市の公共交通機関、30年までにすべてクリーンエネルギー化 (5:35)

 政府は、2030年までにハノイ市とホーチミン市の公共交通機関をすべてクリーンエネルギー車に転換する方針を示した。これは、2026~2030年の大気汚染対策・大気質管理に関する国家行動計画を承認する首相決定第2...

ベトナムの英語力は世界64位で「標準的」、日本は96位で過去最低 (5:27)

 スイスに本部を置くグローバル教育機関イー・エフ・エデュケーション・ファースト(EF Education First)は19日、「EF英語能力指数2025(EF EPI 2025)」を発表した。ベトナムは800ポイント中500ポイントで世界123...

海上保安庁、ベトナム海上警察と年次会合 連携・協力深化へ (4:35)

 ベトナム海上警察の巡視船が、17日から21日にかけて福岡県福岡市の博多港に初めて入港した。これに合わせて、海上保安庁とベトナム海上警察は19日、2015年9月に締結した協力覚書に基づく第12回目の年次会合を福...

Hmcomm、地場AI企業と業務提携契約を締結 (4:05)

 人工知能(AI)音声処理技術を基盤とした要素技術の研究・開発およびソリューション・サービスの提供を手掛けるHmcomm株式会社(東京都港区)は、AI開発企業であり、日本企業向けにシステム受託開発およびラボ型開...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved