ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第37回】スーパー・コンビニの進出で変わるベトナム主婦の買い物文化

2017/07/11 08:50 JST配信

ベトナムはアジアの中でも伝統小売(家族経営の店舗)の割合が多いのが特長です。一方で、ベトナム都市部を中心にここ数年、スーパーマーケット、コンビニなどのモダンチャネルも増えてきています。昨今の セブンイレブンのベトナム進出 などもその流れに拍車をかける一因と考えられます。

それでは スーパーやコンビニの進出によって、ベトナムの主婦層の買い物スタイルはどのように変化を見せているのでしょうか? ホーチミン市ハノイ市在住の20歳~39歳の主婦1000名を対象に調査を実施しました。

日用品はどこで買う?

調査を行った二都市ではスーパーマーケットやコンビニの店舗数が増えてきていることもあり、例えばホーチミン市の回答者のうち85%が「自宅の1km圏内にスーパーまたはコンビニがある」と回答をしていて、距離的な障壁はなくなりつつあると考えられます。

現在、 日用品購入の利用店舗としては、60%がスーパーマーケットを、58%がローカル市場を、そして40%がローカル店舗を利用 しています。スーパーマーケットが日用品購入の中心と変わってきています。

毎日ローカル市場派は4割

スーパーマーケットとローカル市場の違いを分析してみると、いくつかの相違点が浮き彫りになります。まず第一の違いは 「買い物の頻度」 です。 ローカル市場は「ほぼ毎日」利用 されているのに対して、スーパーでの購入頻度はずっと低くなります。

ローカル市場を利用する主婦の 57%が「週に4回以上」ローカル市場にて買い物を行っている のに対して、 スーパーマーケットのの利用者は9割が「週に2~3回以下」 と回答をしています。

また、ローカル市場ではその日に調理するための食品が購入されているのに対して、スーパーマーケットではより多くの商品を買いためる形で利用されています。そのため、1回当たりの購入費用を比較してみても、 スーパーマーケットの平均利用金額は54万5000VND(約2738円)と、ローカル市場の約3倍 にもなります。

ローカル市場の利用が減った主婦は53%

それぞれの店舗に対する期待値も異なります。 スーパーマーケットには「商品の多様性」や「品質」を求める人が多い のに対して、 ローカル市場では「新鮮な食品」や「価格の柔軟性(値切り)」を期待する傾向 があります。

ベトナム人主婦にとって価格は常に重要な要素ではありますが、スーパーマーケットは より質の高い多様な商品群から商品選択できる点に魅力 を感じている人が多いようです。

実際、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの出現によって、ローカル市場やローカルストアの利用が減少している傾向が見られます。今回の調査では、 「ローカル市場の利用が以前と比較して減少した」と回答する主婦は53% 、ローカルストアについても40%が同様に回答しています。

特にインパクトが大きいのが「パーソナルケア(ボディソープ、ハンドクリーム等)」や「家庭商品(衣類、電化製品等)」、「冷凍食品」などの分野で、生鮮食品については、伝統小売が根強い人気を保っていますが、それ以外の商品については、購入先はモダンチャネルに移行しているようです。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナム、WTOの違法漁業補助金禁止協定を受諾 111か国で発効 (6:45)

 ベトナムは15日、スイスの世界貿易機関(WTO)本部で、違法・無報告・無規制漁業(IUU漁業)につながる補助金の禁止などを定めた「漁業補助金に関する協定(漁業補助金協定)」の受諾書を正式に寄託した。  これ...

ハノイ:建国80周年記念の展覧会が閉幕、来場者1000万人超 (6:29)

 ハノイ市の国家展示センターで15日、建国記念日80周年(1945年9月2日~2025年9月2日)を祝う記念事業の一環である「独立・自由・幸福の80年の歩み」をテーマにした展覧会の閉幕式が開催された。  式典には、...

ロシア保健相、ベトナム行きの機内で人命救助に貢献 (5:14)

 ロシアメディア「RT」によると、先週ベトナムを実務訪問していたミハイル・ムラシコ保健相が、モスクワ発ハノイ行きの機内で高血圧緊急症を発症したロシア人男性の応急処置を行った。男性は1時間後には容体が安...

「おかけになった電話は…」の音声案内で知られる「国民的声」の主 (14日)

 キム・ティエンさんの「黄金の声」は、ベトナム国営テレビ局(VTV)の19時のニュース番組と共に長年親しまれ、電話がつながらなかったときに流れる「おかけになった電話は…(Thue bao quy khach vua goi...)」とい...

第15期第10回国会、10月20日開幕 45の法案・決議など審議 (5:07)

 ファム・ミン・チン首相とチャン・タイン・マン国会議長は15日、第15期(2021年~2026年任期)国会第10回会議の準備に関する会合を共同で開催した。  第10回会議は10月20日に開幕し、42日間から45日間にわた...

25年8月新車販売台数統計、需要減少もビンファスト首位維持 (4:24)

 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年8月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせた新車販売台数(TCモーターおよびビンファスト=VinFast含まず)は前月比▲18%減、前年同月比では+3%増の2万...

日系2社、国交省の事業受託でベトナムの空港のスマート化推進へ (4:09)

 株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル(東京都新宿区)は、国土交通省の「2025年度Smart JAMPスマートシティ実現に向けた調査検討業務(複数の要素技術の組合せ)」について、ダイナミックマッププラット...

Green Carbon、農業環境研究所と覚書締結 技術交流推進 (3:01)

 カーボンクレジット創出販売や農業、環境などの事業を手掛けるGreen Carbon株式会社(東京都千代田区)は4日、東京で開催された日越農業協力対話官民フォーラムにおいて、小泉進次郎農林水産大臣とチャン・ドゥッ...

ベトナム航空協賛のクラシックコンサート、ハノイで10月開催 (2:26)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)が協賛する「ベトナム航空クラシック・ハノイコンサート2025(Vietnam Airlines Classic - Hanoi Concert 2025)」が、同市ホアンキエム区ホーグ

VNVCとロシア製薬大手が提携、次世代バイオ医薬品の国内生産で (16日)

 ベトナムワクチン株式会社(VNVC)は12日、ロシア製薬大手メドシンテズ(Medsintez)との間で、次世代バイオ医薬品とワクチンの製造技術移転に関する協力協定を締結した。調印式にはロシアのミハイル・ムラシコ保健...

全国民に年1回の定期健診を無料で提供、26年から (16日)

 このほど公布された政治局決議第72号NQ/TWは、2030年までに国民の体力、知力、体格、健康寿命を向上させることを目標としている。  施策として、2026年から、国民は少なくとも年1回の定期健康診断またはス...

1~6月期の外国人観光客数、ベトナム訪問は+21%増 世界観光機関 (16日)

 国連世界観光機関(UN Tourism)によると、2025年1~6月期の世界の外国人観光客数は延べ6億9000万人で、前年同期から+5%増加し、力強い回復傾向を示した。国・地域別では、ベトナムと日本を訪れた観光客がともに...

ミス・グランド・ベトナム2025、貧困家庭出身の女子大生が栄冠 (16日)

 ミスコン「ミス・グランド・ベトナム2025(Miss Grand Vietnam 2025)」の決勝大会が14日にホーチミン市で開催され、南中部地方ダクラク省出身のグエン・ティ・イエン・ニーさん(21歳)が全国から集まった34人の美...

ホンダベトナム、新型バイク3車種を発表 (16日)

 ホンダベトナム(HVN)は13日、国内市場に投入する新型バイク3車種、◇「ウィナーR(Winner R)」、◇「ADV 350」、◇「レブル1100(Rebel 1100)」を発表した。  「ウィナーR」は、クラッチ付きスポーツモデル「ウ...

ビンファストとベトマップ、EV向けデジタル地図サービス開発で提携 (16日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は、地図アプリやナビゲーションを手掛ける地場ベトマップ

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved