ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

【第13回】少数民族チャム族のユニークな文化と、ニントゥアン省の豊かな観光資源

2019/09/09 09:50 JST配信

こんにちは、青年海外協力隊の山田邦永(やまだくにはる)です。2017年10月より、ベトナムの非政府組織(NGO) VIRI でハノイを拠点に 活動 しています。

ニャチャンの玄関口である カムラン国際空港 から南へ70 km、中南部沿岸地方 ニントゥアン省 にあるバウチュック村で、現在VIRIは、コミュニティ・ベースド・ツーリズムを展開するプロジェクトを進めています。本プロジェクトに関して、本コラムで全2回に分けて紹介します。 前回の1回目 では、バウチュック村の陶芸の魅力を紹介しました。今回の2回目では、バウチュック村の文化及び周辺の観光資源を紹介します。

少数民族チャム族のユニークな文化

バウチュック村のあるニントゥアン省には、ベトナムに住む少数民族チャム族の約50%が住んでいます。

チャム族の伝統的な音楽と舞踊

チャム族にとって伝統的な音楽と舞踊のパフォーマンスは、チャム族の認識を反映し、感情や美意識を表現し、宗教生活とその実践において重要な役割を果たしています。このパフォーマンスには以下の3種類の重要な楽器が使われます。これら3種類の楽器で1人の人間を表しています。

● ギナン(Ghi Năng) という両面の太鼓は1対で使われ、人間の両脚を表す

● パラヌン(Pa Ra N?ng) という片面の太鼓は、人間の体と同時に内面を表す

● サラナイ(Xa Ra Nai) という縦笛は、人間の頭を表す

チャム族独自のチャム語とチャム暦

チャム族はベトナム語の他にチャム語を使っています。バウチュック村の看板は主にベトナム語で表記されますが、チャム語や英語も見られます。また、チャム族独自のチャム暦(チャム語でSakawiと呼ばれる)を使っています。西暦の9月末~10月末にチャム暦の7月1日があり、この日は最も大規模な祭礼であるカテ祭が執り行われます。

バウチュック村周辺の観光資源

バウチュック村周辺には非常に魅力的な場所が多数存在しています。チャム塔の1つであるポー・クロン・ガライ塔は、ヒンドゥー文明を受容していたチャンパ王国の存在していた13世紀の終わりから14世紀にかけた建てられたものです。

ナムクオン砂丘はベトナムを代表する広大な砂丘の1つであり、特に日の出の時間帯は幻想的な風景に出会うことができます。

ニントゥアン省は、ブドウ(栽培面積約2,400ha)とグリーンアップル(栽培面積約1,100ha)の主要な生産地であり、ブドウにいたっては、ベトナム全土のブドウ栽培面積の約90%がニントゥアン省にあります。

ヴィンヒー湾は漁師の村で、新鮮な海産物を海に浮かぶレストランで堪能できます。

そして、地域との関わりやその土地の文化を大切にする アマノイリゾート があります。アマノイの表記は、「aman?i」であり、サンスクリット語で平和を意味する「aman」と、ベトナム語で呼びかけに使う「?i」とが組み合わされています。

「Heritage of Future Past」プロジェクト

ニントゥアン省にはバウチュック村の陶芸を始めとする大変ユニークな文化と様々な表情の豊かな自然があり、コミュニティ・ベースド・ツーリズムの大きな可能性を秘めています。現在VIRIは、バウチュック村を基点に、持続可能なコミュニティ・ベースド・ツーリズムの実現をとおして現地の少数民族チャム族の生計向上を支援をするプロジェクト「 Heritage of Future Past 」を展開しています。本プロジェクトのドナーであるBritish Councilによる、非常に美しいニントゥアン省の動画をご覧ください。

最後に

全2回に渡って、バウチュック村で展開するコミュニティ・ベースド・ツーリズムプロジェクトに関して紹介してきました。興味を持ってくださった方は、ぜひ今後も引き続き、 バウチュック村のFacebookページ で最新の情報をご覧ください。

著者紹介
青年海外協力隊 山田邦永
ベトナムのNGO、VIRI で、ハノイを拠点に活動中の青年海外協力隊隊員が、彩り豊かな「ベトナム・フェアトレードの旅」へと皆さまを案内します。VIRIは世界フェアトレード機関(WFTO : World Fair Trade Organization)から国際フェアトレード組織として認められたベトナム唯一の団体です。

著者略歴:1983年生まれ。愛知県出身。東京大学卒業、東京大学大学院修士課程修了(分子生物学)、ビジネス・ブレークスルー大学大学院修士課程修了(MBA)。元ファイザー勤務、元ジョンソン・エンド・ジョンソン勤務(R&D)。現在、青年海外協力隊(任期:2017年10月~2019年9月、活動概要:VIETJOベトナムニュース記事参照)。
ベトナム・フェアトレードの旅
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
4月のベトジョー記事10選:トランプ関税、石破首相訪越など (6:43)

 4月は、ドナルド・トランプ米大統領が、世界各国からの輸入品に対し「相互関税」を課すと発表しました。180以上の国・地域に一律10%の関税を課した上で、国・地域ごとに異なる税率を上乗せし、ベトナムに対し...

4月のベトジョー記事アクセス数ランキング (5:01)

 VIETJOベトナムニュースが4月に配信した記事のアクセス数ランキングをご紹介します。 1位:200年の歴史を有する毒ヘビ養殖村、高収入も危険と隣り合わせ

4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに読みたい記事8選 (4/30)

 今から50年前の1975年4月30日、サイゴンの南ベトナム大統領官邸(現在のホーチミン市の「統一会堂」)の正門に2台の戦車が突入し、サイゴンが陥落しました。これにより、長く続いたベトナム戦争が終結しました。 ...

1975年4月30日、統一会堂でベトコンの旗を振った兵士の記憶 (4/27)

 1975年4月30日、特殊部隊の兵士だったファム・ズイ・ドー上尉(男性・75歳)は、南ベトナム大統領官邸(現在のホーチミン市の「統一会堂」)の2階に駆け上がり、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)の旗を何度も振っ...

ベトナム軍事歴史博物館、南部解放記念日に伴う5連休は入館無料 (4/30)

 ハノイ市ナムトゥーリエム区にあるベトナム軍事歴史博物館は、4月30日(南部解放記念日)と5月1日(メーデー)に伴う4月30日(水)から5月4日(日)までの5連休中の入館料を無料とすることを決めた。  今回の決定は...

世銀、ベトナムの25年GDP成長率予想を+5.8%に下方修正 (4/29)

 世界銀行(WB)は先般発表した最新レポートの中で、ベトナムの2025年における国内総生産(GDP)成長率予想を前回レポートの+6.8%から+5.8%へと▲1.0%pt下方修正した。理由として、世界的な貿易政策の不確実性や経...

ハイテク・GX・半導体分野の高付加価値化で日越協力フォーラム開催 (4/29)

 石破茂内閣総理大臣は28日午後、ファム・ミン・チン首相とともに、日越企業が会するハイテク・グリーントランスフォーメーション(GX)・半導体分野における高付加価値産業創出に向けた日越協力フォーラムに参加...

ラムドン省:国会民族評議会議長が党委書記に転任 (4/29)

 ベトナム共産党政治局は、国会民族評議会議長のイー・タイン・ハー・ニエ・クダム氏を、南中部高原地方ラムドン省共産党委員会書記(2020~2025年任期)に任命した。  同省で28日に開催された任命式には、政...

ホーチミン:ビンタン区にブックストリートが新たにオープン (4/29)

 「第4回ベトナム書籍・読書文化の日」開幕に合わせて25日、ホーチミン市ビンタン区にブックストリートが新たにオープンした。  ビンタン区ビンチドンB街区の高技術医療区内に設置され、広さ約2000m2に12の...

石破首相、クオン国家主席とマン国会議長と会談 (4/29)

 ベトナムを訪問している石破茂内閣総理大臣とルオン・クオン国家主席は現地時間28日午前11時20分から約45分間にわたり、国家主席府で会談を行った。その後、現地時間同日午後2時20分から約40分間にわたり、国会...

THグループ、ビンズオン省に新工場建設へ 投資総額334億円 (4/29)

 THミルク(TH Milk)などを展開する乳業大手THグループ(TH Group)は、東南部地方ビンズオン省の第3ソンタン工業団地内に牛乳・乳製品加工工場「THビンズオン(TH Binh Duong)」を建設する計画だ。  同工場は敷...

統計局、戸籍登録・統計に関する国家レポートを初公表 (4/29)

 財政省傘下の統計局は25日、「2021~2024年度の戸籍登録・統計に関する国家レポート」を発表した。同レポートが発表されるのは今回が初めて。  同レポートでは、出生・死亡・婚姻の登録データに加え、出生...

ホーチミン:南部解放記念日の4月30日は全路線バス無料運行 (4/29)

 ホーチミン市公共交通管理センターは、南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)を記念して、南部解放記念日の4月30日(水)に、市内を走る路線バスと近隣省から同市までを結ぶ路線バスを無料運行...

寝室のエアコンからヘビ7匹発見、住民が恐怖の瞬間を語る (4/29)

 南中部沿岸地方クアンナム省タンビン郡在住の女性N・T・Hさん宅の寝室のエアコンがヘビの巣と化しているのが発見された。エアコンと壁の隙間から尻尾のようなものがニョロニョロと動いているのを見て、最初はネ...

ホーチミン:10区ショッピングモールで自殺相次ぐ、1か月半で3件 (4/29)

 ホーチミン市10区スーバンハイン(Su Van Hanh)通りにある「バンハインモール(Van Hanh Mall)」では、わずか1か月半の間に連続して投身自殺や自殺未遂が発生しており、ネット上で自殺の名所扱いされるようになっ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved