ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
RSS
Login
 ようこそ ゲスト様 
VietJo ID

【第12回】「遊び」を通して「生活する」ことの意味を考えよう

2020/08/18 09:50 JST配信

幼稚園での生活は子どもが中心でなければなりません。 自分たちで物事を進めていけるという達成感や充実感は、普段の遊びを通して培って行くもの だと考えています。また成長していく子どもの日々の様子にそばにいる保育者が気づきや学びを持って存在していることが、その子どもの成長を助けることにつながっています。今回は1学期の終わりに年長児の担任が見つけた遊びの記録から考えてみたいと思います。

**************************************************************

<5歳児年長クラス・担任Yの記録より抜粋>

ある日、年長児Aくんが画用紙に自分のマンションや住んでいる周辺の地図を描いていました。それを見ていたBくん、Cくん。すると、3人で一つの画用紙に絵を描き始めました。画用紙の、裏面にまで絵を描きたい様子だったので、保育者が「もっと大きい紙があるよ」と声をかけ、翌日の活動へと繋げました。

翌日、「せんせい、おおきいかみがほしい」と登園後すぐにAくんがやって来ました。やる気満々な様子が伝わります。保育者も張り切って、まっさらな大きな模造紙を準備しました。子どもと保育者のやる気が重なります。昨日同様にAくん、Bくん、Cくんが絵を描き始めるとDくん、Eくんも加わり、仲間が増えていきました。Aくんは、雲、虹、太陽から描き始めました。そこに仲間が色を加えたり、雲を付け足したりします。そうしているうちに、クラス中の男児ほとんどが加わっていました。気づくと、それぞれに絵を描きながら、自分の絵の説明をし始めて話が繋がって行くのです。空には飛行機が飛び、海にはクジラが泳ぎ、自分達が暮らすマンションの周辺には様々なお店や電車、駅があるのです。また、街を隔てリンゴやオレンジの木が沢山ある森のようなものもあります。Gくんはオレンジの木を描いた後、その隣にオレンジの実を描き、黒く塗りました。

 Gくん:「せんせい、これなんだとおもう?」

 保育者:「うーん、何かな…。オレンジのへそかな?」

 Gくん:「ちがうよ、おれんじのみが、きからおちてくさっているんだよ」

子ども達のイメージは保育者が思っているよりもはるかに豊かでした。子ども達の協力はさらに広がります。夢中になり絵を描いていたFくんの使っているペンのつきが悪くなりました。その隣にいたAくんは「まってて、こっちはつくよ」と同じ色のペンをFくんに差し出します。

**************************************************************

子どもたちは夢中になって遊びだすと、思った以上の力や面白さを大人に教えてくれます 。一見、みんなで絵を描くことだけに保育者は、集中しがちですが、今回担任は子どもたちの会話からいろいろなことに気づかされていきました。一人のイメージが、みんなに広がって行く面白さ。ストーリーの中に出てくるものや、話の流れが、つい最近の保育中話していたことの再現でもあったこと。使う道具の貸し借りまで配慮ができるところも見せてくれました。保育者が教師然として出しゃばる必要はどこにもありません。子どもが作っていく生活とはこういう遊びの中のやり取りから始まっていきます。

著者紹介
多々内三恵子
おおぞら日本人幼稚園理事長・園長。

タオディエン日本人幼稚園園長。

静岡大学教育学部附属幼稚園・青山学院幼稚園教諭を経てホーチミンで日系幼稚園を開園。

日本の保育を真摯に、かつユニークに展開中。

子どもの世界の面白さを語ったら止まらない。

>> おおぞら日本人幼稚園ウェブサイト

>> タオディエン日本人幼稚園フェイスブックページ
子育て奮闘中のパパママにエール!
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースと自社過去記事を参考に記事を編集・制作しています   利用規約   免責事項
新着ニュース一覧
地場アマッカオ、ゲアン省で中部最大の廃棄物発電所を着工 (21日)

 地場系コングロマリット(複合企業)のアマッカオグループ(AMACCAO Group)傘下のギャラックス(Galax)はこのほど、北中部地方ゲアン省ハイロック村(xã Hải Lộc、旧ギーロック郡)のギーイエン固形...

外国人・ベトナム人の労働違反処分を規定、不法残留の罰金額は維持 (21日)

 政府は、労働、社会保険、および契約に基づくベトナム人労働者の海外派遣分野における行政違反の処罰に関する政令第283号/2026/ND-CPを公布した。同政令は9月10日に施行される。違反の性質や程度に応じ、警告ま...

中国、240時間のトランジットビザ免除適用国にベトナムを追加 (21日)

 中国国家移民管理局は8月20日、ベトナムおよびキルギスの国民を対象として、240時間のトランジットビザ免除措置と、海南省(島)への30日間のビザなし入国措置を同日より適用すると発表した。  同局は今回の...

ハノイの路地裏に週1度だけ現れる宝石市、国内外の客でにぎわう (16日)

 ハノイ市ゴックハー街区(旧バーディン区)ホアンホアタム(Hoang Hoa Tham)通り456番地の路地裏で、毎週日曜日の午前8時30分から午後3時まで、市内で唯一の「宝石市」が開かれている。  ここには原石から精巧...

トクヤマベトナム、半導体用多結晶シリコン新工場を開所 (21日)

 化学品やセメント、電子材料・先端材料などの製造・販売を手掛ける株式会社トクヤマ(東京都千代田区)は13日、ホーチミン市(旧バリア・ブンタウ省)の第3フーミー特別工業団地内で、半導体用多結晶シリコン新工場...

ハイフォン:「ベトナム英雄の母」に住宅または8億VNDを贈呈 (21日)

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)は、2027年7月27日の「戦争傷病者・烈士記念日」80周年に向け、全国の「ベトナム英雄の母」および第1級傷病兵を対

米クアルコム、ハノイに東南アジア初のArduinoラボ開設 (21日)

 スウィンバーン・ベトナム(Swinburne Vietnam)と米クアルコム(Qualcomm)は、学術協力および人材育成に関する覚書(MoU)を締結し、東南アジア初となる「Qualcomm x Arduino Innovation Lab(クアルコムxアルドゥイ...

チュングエンコーヒーが路上市場に進出、ホーチミンで移動式店舗 (21日)

 地場大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)傘下のチュングエン・レジェンド(Trung Nguyen Legend)が、ホーチミン市内でテイクアウト専門の移動式キオスク「スピードコーヒー(Speed C...

ETC関連手数料、利用者の反発受けVETCなどが相次ぎ停止 (21日)

 自動料金徴収(ETC)サービス「e-TAG」を展開する自動車・バイク小売大手タスコ[HUT](Tasco)傘下のVETC社(Vietnam Electronic Toll Collection)と、ETCサービス「ePass」を展開する国

アンザン省:カインビン国境検問所を国際国境検問所に格上げ (21日)

 政府は、南部メコンデルタ地方アンザン省にあるカインビン(Khánh Bình)国境検問所を国際国境検問所へ格上げする方針を承認した。ファン・バン・ザン副首相は、同格上げを承認する政府決議第219号/NQ-...

地場イーオンテック、OpenAIのパートナーに FPTに続き国内2社目 (21日)

 地場テクノロジースタートアップであるイーオンテック(EON Tech)は、米国の人工知能(AI)研究所であるオープンエーアイ(OpenAI)のグローバルパートナーネットワークにおいて、「OpenAIセレクトパートナー(OpenAI...

小中学生の前でミスコン水着審査、主催者に罰金36万円 (21日)

 南中部地方クアンガイ省警察は19日、ミスコンテスト「ミス・ツーリズム・アイデンティティ・ベトナム2026」の主催団体に対し、コンテスト運営における違反行為を理由に、6000万VND(約36万円)の罰金と6か月のコ...

26年7月の対日貿易、輸出入ともに大幅増で黒字拡大 (21日)

 日本の財務省が発表した2026年7月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易は輸出入ともに前年同月から大幅に増加し、活発な取引が続いていることが分かった。ベトナムの対日貿易黒字額は前月からさらに拡...

ホーチミンのメトロ6号線第1期、日系などのJVが設計照査を受注 (21日)

 開発および建設技術コンサルティング業務を手掛ける株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル(東京都渋谷区)は、オランダやベトナムのコンサルタント企業と共同で、ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員...

ビンスペース、27年4~6月の衛星打ち上げ計画に向け技術者募集 (20日)

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)系の航空宇宙企業ビンスペース(VinSpace)は、ハノイ市ザーラム村のオフィスに勤務する技術系エンジニアの募集を開

越日・日越辞書(8万語収録)
©VIETJO ベトナムニュース 2002-2026 All Rights Reserved