ホーチミン市警察は2月25日午前、同市3区在住のグエン・ティ・ズンさん(44歳・女性)を殺害した容疑で、親せきの家に隠れていた在米越僑のチャン・ミン・タオ(37歳・男)を逮捕した。この事件は2月23日午前、自宅アパートでズンさんが身体の数カ所を刺されて死んでいるのが見つかったもの。現場からは血の付いたはさみ、バイクのかぎ、血の付いた男物の洋服数点が押収されたが、金品が奪われた形跡はなかった。
捜査にあたった警察は、現場から押収したバイクのかぎがズンさんのアパートの駐車場に放置されているバイクの物であることを突き止め、このバイクを預けた人物の服装が残されていた服と酷似していたという駐車場係員の証言も得られたため、このバイクの登録者でズンさんと結婚の約束をしていたタオの行方を探していた。
取り調べに対しタオ容疑者は、昨年初めに親せきの紹介でズンさんと知り合い、その財産と美しさに引かれて結婚しようと思ったと話している。同容疑者は昨年7月にアメリカに移住したが、今年2月19日に一時帰国し、3月15日に予定されていたズンさんとの結婚式の準備をするはずだった。しかし同容疑者はズンさんに会うたびに性的関係を迫っても断られ続けたため、ズンさんがアメリカへ行くためだけに自分を利用しているのではないかと疑うようになった。犯行当日も関係を迫ったが拒絶されたため、激高してズンさんを殺害したと供述している。