ハノイ市ホアマー通りの銀行で中年の男性が「泥棒!」と叫び声を上げ、この直後にバッグを抱えた若者が支店の建物の中から逃げ出そうとするいう騒ぎが起きた。
この若者はすぐに銀行の警備員に捕えられ、地元の警察署で取り調べを受けることになった。しかし調べてみると“犯人”は中部フエ在住のレ・クアン・Vで“被害者”の中年男性はVの実の父親であることが分かった。
供述によると、Vは結婚したばかりで住宅の購入資金として両親から7億ドン(約390万円)を渡され、自分名義で銀行に預金していたという。しかしVはこの資金で自動車購入しようと画策、地元にあるこの銀行の支店から金を引き出そうとしたが、この預金はあくまでも住宅購入資金だとして反対する父親に何度も何度も引き出しを阻まれ、現金を手にできないでいた。
その後、Vははるばるハノイまで来て預金を引き出すことに成功したが、その直後、実の父親の「泥棒!」という叫び声により駆けつけた警備員に捕まったというのが、冒頭の話。
つまり、実の父親が息子を泥棒扱いして捕まえることで、ようやく現金を取り戻した、というのが今回の事件の顛末である。