サイゴン港ではこの3年近く、引き取り手のない肉粉約300t(コンテナ15本)が放置されたままになっている。肉粉はすでに腐敗しており、焼却処分するしかないという。
この肉粉はチムエン社がマレーシアのシンスーンフアット(Sin Soon Huat)社から購入し、2007年9月にサイゴン港に到着した。しかしチムエン社が検査したところ肉粉の品質が契約内容より劣っていたため受け取りを拒否、2008年1月にベトナム国際仲裁センター(VIAC)に申し立てを行った。仲裁評議会は同年2月チムエン社の主張を認め、契約の破棄とシンスーンフアット社の自己負担による肉粉の引き取りという裁定を出した。しかしそれ以後、シンスーンフアット社はチムエン社との連絡を絶ち、肉粉は放置されたままになっている。
サイゴン港運営会社によると、これまでのコンテナ保管料だけでも1万7000ドル(約145万円)に上っているが、その費用を誰も負担しないばかりか、シンスーンフアット社と連絡がつかないため、手続き上勝手に処分するわけにもいかないという。サイゴン港税関支局もこの問題について上級機関に意見を求めているが、7月末時点でまだ回答は届いていない。