鉄道コンサルタントの日本交通技術(JTC)がODA事業を受注した見返りとして、ベトナム鉄道総公社(Vietnam Railways=VNR)の幹部らに160億ドン(約7800万円)のリベートを支払ったとの報道を受け、グエン・スアン・フック副首相は24日、公安省に対して、人民検察院、交通運輸省および外務省と協力し調査を開始するよう指示した。なお、問題のODA事業はハノイ市都市鉄道建設計画(メトロ1号線)とされている。
これを受け、ディン・ラ・タン交通運輸相は、証拠書類を確認すべく、グエン・ゴック・ドン交通次官の日本派遣を決定した。訪日の目的はリベートを受け取った幹部を特定するためで、日本では東京国税局、JTCおよびリベートに関する情報を発信した地元メディアなどに調査協力を求める方針。
タン交通運輸相はこれに先立ち、汚職摘発に向けて、公安省から招聘した捜査官3名が指揮を執る特別捜査本部を発足した。今回のリベート事件についても、既に、事件に関わった疑いがある複数の人物の調査を進めており、これまでにVNRの副会長2人と同社傘下の鉄道プロジェクト管理委員会の委員長を職務停止処分としている。