「ベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)」の元事務局長、吉川勇一氏が28日午前4時20分、慢性心不全のため東京都調布市の自宅で死去した。84歳だった。葬儀・告別式は近親者で行い、後日偲ぶ会が開かれる。
ベ平連は、日本のベトナム戦争反戦平和運動団体。1965年2月7日の米軍による北ベトナムに対する「北爆」をきっかけに始まった反戦運動に乗じて、同年4月に発足した。代表は作家の故小田実氏で、吉川氏は2代目事務局長を務めた。1974年1月、パリ協定が調印され、米軍がベトナムから撤退したことを受けて解散した。
吉川氏は、ベ平連をはじめとする反戦運動や市民運動に数多く携わったほか、予備校や専門学校の英語教師、また大学の非常勤講師として教鞭を執った。
著書に英語参考書「納得できる英文法」(研究社出版、1994年)、評論集「民衆を信ぜず、民衆を信じる」(第三書館、2008年)、闘病記「いい人はガンになる」(KSS出版、1999年)、編著「市民の暦」(小田実・鶴見俊輔共編、朝日新聞社、1973年)などがある。