「ベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)」発足の立役者で、哲学者、評論家の鶴見俊輔氏が死去していたことが23日、明らかになった。93歳だった。
ベ平連は、日本のベトナム戦争反戦平和運動団体。1965年2月7日に起きた米軍の北ベトナムに対する「北爆」をきっかけに始まった反戦運動に乗じて、鶴見氏や政治学者の故高畠通敏氏らが作家の故小田実氏を代表として同年4月に発足させた。ベ平連は1974年1月、パリ協定が調印され、米軍がベトナムから撤退したことを受けて解散した。
鶴見氏は1922年、東京生まれ。リベラルな立場で哲学者として、また評論家、政治運動家、大衆文化研究者として様々な活動を展開した。1938年に渡米し、翌年ハーバード大学へ進学。戦後は「思想の科学研究会」を結成し、雑誌「思想の科学」を創刊。米国のプラグマティズム(実用主義)を日本へ紹介し、戦後の思想・文化界に大きな影響を与えた。
今年5月28日には、ベ平連の2代目事務局長を務めた吉川勇一氏が84歳で死去している。