ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

高速道路用地に眠るチャンパ遺跡、記録保存と移動で決着か

2015/08/11 17:31 JST配信
(C) baoquangnam
(C) baoquangnam

 南中部沿岸地方ダナン市と同クアンガイ省を結ぶ高速道路の建設工事中に発見された、チャンパ王国時代のチエンチャイン(Triền Tranh)遺跡を巡って、遺跡保存か開発かで意見が分かれていたが、遺構を記録保存し遺物を博物館へ移動する方向で関係各所が一致したという。高速道路建設は計画通り進められる。

 考古学院と同省文化スポーツ観光局は先日、同遺跡の発掘調査報告及び遺跡の保存・活用計画に関する会議を開いた。現時点で、遺構を3Dスキャンし、3Dデータ化する方法が有力だという。また、写真や実測図などで遺構と遺物の情報を残し、将来の研究に活用できるよう記録保存を徹底する。

 更に、発掘現場での調査・研究が完了し次第、遺構の壁面2か所を切断し、クアンナム省博物館(南中部沿岸地方クアンナム省タムキー市)及びサーフィン・チャンパ文化博物館(同省ズイスエン郡)へ移動し保管する。遺物は、発掘現場からすべて取り上げた後、整理作業と分類を経て、クアンナム省博物館に移管する計画だという。

 ダナン~クアンガイ間高速道路建設案件は、国際協力機構(JICA)及び世界銀行(WB)の支援を受けたもので、2014年初めに第1期が着工。全長140km(高速道路131.5km、連結道路8.02km)、幅26m、4車線の高速道路を建設している。

 2014年末、同高速道路の一区画に当たる南中部沿岸地方クアンナム省ズイスエン郡ズイチン村チエムソン村落で、工事中に地面を掘削していたところ、地表面から約30cmの深さに埋まったレンガ列が発見された。これを受けて工事は一時中止となり、1月から7月にかけてベトナム考古学院が面積3000m2を発掘した。

 発掘調査の結果、同遺跡はチャンパ王国時代の寺院跡で、9~11世紀ごろと12~13世紀ごろの遺構が重なっていることが明らかになった。瓦やレンガ、陳(チャン)朝(1225~1400年、大越)の陶磁器、中国やイスラムの陶磁器など、多数の遺物が出土した。

 ダナン市とクアンナム省の地域はチャンパ王国の初期の中心地で、聖地ミーソン・港市ホイアン・王都チャーキエウの3か所を中心として栄えたとされている。特にチエムソン村は王都チャーキエウにほど近く、同村周辺にチエンチャイン遺跡が存在していることは専門家の間でも認知されていたものの、調査は行われていなかった。

[Song Anh, Bao Quang Nam, 10/08/2015, 08:50 [GMT+7], A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
カインホア省:人民評議会議長が人民委員会主席に (13:07)

 南中部地方カインホア省人民評議会は16日、同省共産党委員会筆頭副書記 兼 同省人民評議会議長のグエン・カック・トアン氏を同省人民委員会の新主席(2021~2026年任期)に選出した。  トアン氏は新主席就任...

ラムドン省党委副書記がタインホア省党委副書記に、人民委主席兼任 (13:04)

 ベトナム共産党政治局の決定により、南中部地方ラムドン省共産党委員会筆頭副書記のグエン・ホアイ・アイン氏が、北中部地方タインホア省共産党委員会副書記(2020~2025年任期)に任命され、タインホア省人民委...

訪越の露プーチン大統領補佐官、ラム書記長と会見 (6:38)

 トー・ラム書記長は16日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の補佐官で、同国の海洋評議会議長を務めるニコライ・パトルシェフ氏と会見した。同氏は15日から18日までの日程でベトナムに滞在している。 ...

「おかけになった電話は…」の音声案内で知られる「国民的声」の主 (14日)

 キム・ティエンさんの「黄金の声」は、ベトナム国営テレビ局(VTV)の19時のニュース番組と共に長年親しまれ、電話がつながらなかったときに流れる「おかけになった電話は…(Thue bao quy khach vua goi...)」とい...

ビエンホア空港のダイオキシン除染、熱処理システム着工 (6:02)

 東南部地方ドンナイ省ビエンホア空港で15日、ベトナムと米国の両政府の協力によるダイオキシン(枯葉剤)除染プロジェクトで除染が完了した土地の引き渡し、ダイオキシン熱処理システムの着工、障がい者の生活の...

世界技術革新力ランキング、ベトナムは44位 低中所得国2位 (5:57)

 2025年の世界技術革新力ランキング(Global Innovation Index=GII)によると、ベトナムはスコアが37.1で、世界139か国・地域中44位となった。  低中所得国の中ではインドに続いて2位、東南アジア・東アジア...

高収益企業トップ500、ベトテルが1位に浮上 (5:28)

 ベトナム評価レポート社(ベトナムレポート=Vietnam Report)が発表した「収益が高いベトナム企業トップ500(PROFIT500)」の2025年版で、国防省傘下のベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)がペトロベ...

25年8月の訪日ベトナム人6.1万人、8月として過去最高を記録 (4:45)

 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2025年8月の訪日ベトナム人の数は前年同月比+16.7%増の6万1200人で、8月として過去最高を記録した。  1~8月期では、前年同期比+10.4%増の47万9300人となっ...

25年8月の対日貿易収支、1271億円の黒字 前年同月比▲0.1%減 (4:15)

 日本の財務省が発表した2025年8月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比▲0.1%減の1270億5400万円の黒字だった。  日本からベトナムへの輸入額は前年同月比+11.0%増の2335億7700...

ソーシャルワイヤー、システム開発子会社MK1の出資持分65%譲渡 (3:02)

 インフルエンサーPRやリリース配信サイト「@Press(アットプレス)」などを手掛けるソーシャルワイヤー株式会社(東京都港区)は16日、連結子会社であるMK1テクノロジー・ベトナム(MK1 TECHNOLOGY VIETNAM、ハノイ...

「にいがたベトナムフェスティバル」、10月4日・5日開催 (2:24)

 新潟県は、10月4日(土)・5日(日)の両日、「にいがたベトナムフェスティバル2025」を新潟駅南口広場で開催する。開催時間は10時00分から17時00分まで。  同イベントは、新潟県民にベトナムの文化に触れ親し...

ベトナム、初のAI法を発表へ 年末めど (17日)

 政府は、人工知能(AI)を国家戦略の柱と位置づけ、2025年末をめどに国家AI戦略の改定版とベトナム初のAI法を発表する方針だ。  AIを国の知的インフラとして、持続可能な発展や国家競争力の強化、国民の生活...

ベトナム、米国による12種類の漁業認定拒否に再考要請 (17日)

 グエン・ホン・ジエン商工相は15日、米国のハワード・ラトニック商務長官宛てに書簡を送付し、米商務省(DOC)および商務省傘下の海洋大気庁(NOAA)が、12種類の漁業について米国の海洋哺乳類保護法(MMPA)に基づく...

ビンEVタクシー、インドネシア2都市目でサービス開始 (17日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製の電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社であるグリーン・スマート・

フエ:ボトルや缶のデポジットモデル試行、東南アジア初 (17日)

 世界自然保護基金(WWF)ベトナムとフエ大学傘下の科学大学は14日、北中部地方フエ市で「デポジットリターンシステム(Deposit and Return System=DRS)」試行モデルを発表した。これは、WWFノルウェーのベトナム...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved