中央血液学・輸血研究所によると、2017年時点における血液疾患「サラセミア(Thalassemia)」の遺伝子を持つベトナム人は全国で1200万人余りに上るという。特に少数民族の居住地域では、その割合が50~60%に上っている。
現在、生涯にわたる治療を必要とするサラセミアの患者数は2万人超で、毎年サラセミアを抱えて産まれてくる子供は約8000人となっている。重度の患者の場合、出生から30歳までにかかる治療費は約30億VND(約1500万円)にも達する。
サラセミアは、ヘモグロビンを構成するグロビン遺伝子の異常による貧血で、グロビン蛋白の異常によって正常な赤血球が作られず貧血に陥る。異常なヘモグロビンを持つ赤血球は脾臓で次々と破壊される。