ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

問題のヌクマム基準草案、マサングループが内容操作の疑い

2019/03/15 16:05 JST配信
(C) zing
(C) zing

 伝統製法でヌクマム(Nuoc mam=魚醤)を製造する業者から猛反発を受けて適用が先送りされたヌクマムに関するベトナム基準(TCVN 12607:2019)の草案について、地場系大手食品メーカーでヌクマムの大量生産も手掛けるマサングループ[MSN](Masan Group)がその内容を操作した疑いが持たれている。

 同草案は、農業農村開発省農産市場開発加工局が策定し、科学技術省が審査を担当したもの。

 伝統製法でヌクマムを製造するファンティエットヌクマム(Ptfisaco)のレ・チャン・フー・ドゥック会長 兼 社長は、「2017年時点で策定を担当していたのは農林水産局で、私もファンティエットの伝統製法によるヌクマム企業協会を代表して草案策定委員会に参画していた」と述べた。

 同氏によると、当初の草案には伝統製法で製造するヌクマムと大量生産のヌクマムを区別する項目があり、「伝統製法で製造するヌクマム」は、◇防腐剤、◇香料、◇香味料、◇増粘剤の4種類の成分を含んではいけないと定義されていた。

 MSNが参画した2018年からは、伝統製法で製造するヌクマムと大量生産のヌクマムを区別する項目が無くなるなど草案の内容が大きく変わり、同氏も策定委員会から外された。一方で、ヒスタミン含有量に関する基準など、伝統製法による業者が不利になり、大量生産のメーカーが有利になる多くの事項が追加されたという。

 国内では事件の真相を明らかにすべく捜査を行うことの必要性を強調する意見が多くあがっている。消費者の間でも「汚い手を使った」としてMSNのヌクマムの消費をボイコットする運動が広まっている。

 なお、伝統製法で製造するヌクマムは、海に生息する魚(カタクチイワシ)を6~12か月にわたって塩で発酵させたもので、◇防腐剤、◇香料、◇香味料、◇増粘剤を使用していない。一方、大量生産のヌクマムは、伝統製法で製造された濃度の高いヌクマムを水で溶いたもので、上記4つの食品添加物を使用している。

 こうした中、消費者が自分の望むものを選ぶことができるよう、「伝統製法で製造するヌクマム」と「大量生産のヌクマム」を区別してヌクマム業界の透明性を高める必要があると指摘されている。

[Tuoitre 13:15 13/03/2019, 06:30 14/03/2019 / Zing 14:07 13/03/2019, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
25年GRDP成長率、ホーチミン+8.3% ハノイ+8.5% (16:07)

 2025年におけるホーチミン市の域内総生産(GRDP)成長率は+8.3%と推定され、ベトナム経済の牽引役としての地位を引き続き示した。これは先般開かれた同市共産党委員会の会議で発表されたレポートの中で明らかに...

国際金融センターの設立発表、ホーチミンとダナンの2拠点 (15:55)

 ファム・ミン・チン首相は21日、国際金融センター(IFC)の設立を発表した。この設立は、世界の資本や技術、人材を呼び込み、経済成長と国際統合を加速させる制度改革の節目となる。  IFCはホーチミン市と南...

地場ドジ、ハイフォンで75階建ての北部最高層ビルを着工 (14:24)

 地場ドジ・ジュエリー(DOJI Group)は19日、北部紅河デルタ地方ハイフォン市で複合区「ドラゴン75コンプレックス(Dragon 75 Complex)」を着工した。同プロジェクトのハイライトとして、75階建ての高層ビルの建設...

ホーチミンの路上のライター修理店、愛好家の駆け込み寺 (21日)

 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロン街区グエンチーフオン通りを訪れた。男性は、ファム・バン・コーさん(男性・72歳)の店である、古びて傾...

ホーチミン:ガソリンスタンドでの振込決済が拡大 (14:04)

 ホーチミン市内のガソリンスタンドでは、QRコードを使った振込決済が拡大しており、給油時の利便性向上や待ち時間の短縮につながっている。  市内の多くのガソリンスタンドで給油機にQRコードが掲示されて...

シンガポールの市場調査会社、ベトナムオフィス開設 (13:22)

 海外市場調査や海外事業伴走支援などを手掛けるシンガポールのグローバルアングル(GLOBAL ANGLE)は、ハノイ市に新たなオフィスを開設した。  新オフィスの開設は、クライアントやパートナーにきめ細やかな...

ベトナム、貿易規模で世界トップ15入り 輸出入額が過去最高に (6:35)

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高を更新した。これにより、ベトナムは貿易規模で世界トップ15に入り、東南アジア地域では第2位となった。こ...

ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道が着工、越中連運を強化 (6:02)

 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を開催した。東西経済回廊の輸送需要に対応するとともに、ベトナムと中国を結ぶ国際連運の強化につながると期...

ホーチミン:メトロ1号線、26年1月1日に無料運行 (5:24)

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社(HURC1)はこのほど、新暦正月の2026年1月1日(木)にメトロ1号線を無料運行すると発表した。  当日は改...

ベトナムの軍事力は世界23位、東南アジア2位 (5:03)

 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事力ランキング「2025 Military Strength Ranking」によると、ベトナムは145か国・地域中23位となった。 ...

チン首相、ペトロベトナム会長フン氏を商工相代行に任命 (4:32)

 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を商工相代行に任命した。  商工相代行に任命されたフン氏は、1973年生まれの52歳で、出身は北部紅河デル...

イーレックス、ベトナム2省でバイオマス発電所の起工式開催 (4:14)

 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北部地方ラオカイ省(旧イエンバイ省)のイエンバイバイオマス発電所および東北部地方トゥエンクアン省のトゥ...

日越の団体、ドローン・次世代移動体産業の発展で覚書締結 (3:39)

 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低空経済パートナーシップ(Vietnam Low Altitude Economy Partnership=LAEP)との間で、ドローン(無人航空機...

電子機器のコーセル、ベトナム子会社を解散・清算へ (2:37)

 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結子会社)で電子部品の製造・販売を行うコーセル・ベトナム(COSEL VIETNAM、ホーチミン市)を解散・清算する。...

サンG、フーコック島で国内初の軽量軌道交通路線を着工 (22日)

 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)で着工した。同事業は2027年にフーコック島で開催予定のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に対応する...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved